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道中

転移から戻ってきた3人はエリアの魔法で消失した村の前に集まった。

「結衣さん。これからどこへ行くんですか?」

結衣は地図を取り出す。

「アハ。そうねえ。一番近くの町だと~森の国クリストかしら~。」

「クリスト。わかりました。エリアもいいね。」

「アルが良いならいいよ。」

「もうアルじゃなくて白狼だよ。」

「そう・・・だったわね。」


数日後

道中

俺たちはクリストに向かって歩きだした。

「ね~え。いくら人に近づいたからってそのかわいいおミミと~尻尾は致命的じゃないかしら~。」

何とかできないものだろうか。

そう考えていると尻尾は消えた。

「尻尾は・・・消えるみたいだな。さすがにミミは消せないか。」

「帽子をかぶるしかないわね。麦わらがあるわ。アルまかせて。これで帽子作ってあげる。」

やっぱりアルの呼び方は変わりそうにない。エリアだけならいいか。

そう考えているとエリアはほんの数秒で麦わら帽子を作りあげてしまった。

「ありがとう。エリア。」


そして俺たちは大きな街道にでた。

この先を進めばクリストだ。

「あの結衣さん。なんか見られてる気がするんですけど。」

「アハ。すれ違う男性み~んなこちらを振り返るわ~。」

「皆鼻の下を伸ばしているのよ。汚らわしい。」

「そこまで言わなくても。」

エリアは僕のことになると過剰な反応をみせる。

後ろの木の陰で怪しい行動をとる輩がいるな。

「アハ。気づいた。面倒なのよ~。今日の夕食はあれで決~まり。どんな悲鳴を聞かせてくれるのかしら。」

目が赤くギラギラ光る。

「夜まで待ってくださいよ。」

「アハ。わかってるよ~。心配性だね~私の副官は~。じゃ~あ。今日は野宿でもしますか~。」

「明らかに怪しいですが俺らは宿に泊まる資金も泊まり方自体も知りません。下手に失敗するよりはマシでと思います。」

「アハ。決定。」


少し街道から外れた場所でテントを張った。

日が暮れて、隠れていた十数人の男たちはテント前に集まった。

各々得意な武器を持っている。

「へへっ。こいつら上玉も上玉。若い娘ばっかだぜ。」

「奴隷商にでも売りとばしてやるぜ。味見でもした後にな。」

「泣き叫ぶ声がたまらねえんだよ。」

「ぐへへ。じゃあ早速。」


「「いっただきま~す。」」


「ちゅ。モグモグ。お兄さんまっず~い。どんな暮らししてきたの。」

静かに一人の男が倒れる。

「なんだ。急に。おい。」

「アハ。これなら少しは美味しくなるかな~?」


パン


男たちの魂が燃やされる。

「ごはっ。ぐっがあ。」

「も~何その反応~。もっと悲鳴とか上げなさいよ。・・・もう、いいや。楽しくない。」

数十人の男たちの足元に夜の暗闇よりもどす黒い影が襲った。

一瞬にして男たちが全員倒れた。

「モグモグ。あっけな~。そんなので私たちにちょっかいかけないでよ~。不味いし。」

「結衣さん。強いですね。」

「そ~う?あんな雑魚相手にそう思うの~?もう寝なさい。」

「・・・はい。」

次の日の朝、転がっていた死体はなくなっていた。

「結衣さん死体は片づけたんですか?」

「少し戦力の補充をしたのよ。後々わかるわ~。行きましょう。」


夕方には森の大都市クリストに着いた。

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