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魔王

「化け物!」

数名の兵士逃げ出した。

あー。やっぱりこうなったか。

最近エリアは感情が豊かになったのは良いことだけど感情表現が滅茶苦茶なんだよな。

「さあアル。行くぞ。他を回ろう。」

「うん。」


「テンテンコロリン。テンコロリン。アハ。ゴハンがい~っぱい。モグモグ。美味し~。」


遠くからどこか聞き覚えのある声が聞こえる。

「ちょっと待ってエリア。この声・・・」

「アハ。まだ人いたんだ~。待っててね~。後で美味しく頂きますしてあげるから~。ってこの魂見覚えが・・。あ~、あの時の!ヤッホー元気。お連れさんもいるみたいだね。」

10年前に見た少女の姿ではなく22歳くらいの女の子になっていた。

「あの時のソウルイーターだっけ。」

「うん。そうだよ~。今は結衣って名前を魔王様に名付けてもらって進化したのよ。魔王様は凄いのよ。この世界を手に入れ魔族に暮らしやすい世界を考えていらっしゃるの。」

「なあ。その魔王さんに会えねえかな。」

「何する気。」

その時殺気が感じられる。

エリアが殺気に反応し魔法を放とうとする。

「まった。」

エリアが止まる。

「結衣だっけ。魔王に会いたいのは別の理由だ。俺は魔王さんと手を組みたい。」

「手を組みたいですって。配下にして欲しいの間違いじゃあないの~。」

「最悪それでもいい。俺は獣人族の人権の保障があればいい。」

「ふうん。まあ~いいわ。私紹介してあげる~。こう見えても私魔王軍の幹部の一人なのよ~。今ならあなたくらいの子、簡単に食べれちゃうから~。問題起こしてもすぐに対処できるし。大人しくしとくのね。じゃあ、行くよ~。」

俺とエリアは結衣に茂みに連れていかれる。

そこから魔王の居城に転移した。


魔王城

「魔王様。結衣様が面会をしたいと。」

「うむ。良いぞ。連れてまいれ。」

「ははっ。どうぞお入りください。」

扉が開かれる。

「魔王様実は魔王様の配下になりたいと申す者が。」

「ほほう。顔が見てみたい。入ってよいぞ。」

俺とエリアは部屋に入る。

そこにはとても小さい子供が。

あれが魔王か。普通に弱そうだが。

「僕は魔王 アトラス・デ・ドラゴ2世だ。小さいのは力を抑えるためだよ。アル君。」

こいつ心が読めるのか。

「少しね。本心は分からないけど。あと名前はステータスを見ただけだよ。」

別にやましい事はしてない。獣人族の地位の回復を望むだけ。

「別にいいよ。今世界中の獣人が立ち上がり魔王軍に味方してくれるならいいよ。それに君のスキルや能力面白いね。種族?ってなんだい。君のその魂と関係があるのかい?」

隠し事してたら立場が悪くなるだけだな。

「俺は元人族です。これを聞いて殺してしまっても構いません。ただ今俺は人族が憎い。これは獣人族が虐げられているからです。気持ちは人族ではありません。どうかご理解を。」

「正直だね。いいよ。結衣の部下に入れる。あとこっちに来い。」

「はい。」

頭に手を置かれた。

「汝に名を与える。名を白狼。」

「ありがとうございます。」

すると体が光り人族に限りなく近い姿になった。

白い肌にクリーム色の髪、何とも可愛らしい姿になった。

「これで人族の村にも入れるだろう。その時には耳と尻尾は隠せよ。白狼、結衣。お前たちはこれから世界中を回り獣人族の開放し魔王軍の傘下にいれてね。」

「はい。では早速行って参ります。」

「行ってきますわ~。」

「よろしく頼むよ。」

俺たちは新しい名を貰い魔王軍に加わった。


「しかし便利だな。この女神から貰ったユニークスキル。名前を付けるだけで簡単に強化できるし。・・・あの獣人族の子モフモフしてた。めっちゃ可愛いし。これが男の娘ってやつか。若干違う気がするがこれはこれで。待てよ。これからもどんどんケモミミが増えるじゃん。パラダイスか。ここは。あとは、のじゃロリエルフ・・・お姉さんぽいエルフもいいな。ぐへへ。ドワーフもいいね。小さい感じがまたいい。部下も結衣を筆頭にやサキュバス、ハーピィ他にもより取り見取りだぜ。異世界でハーレム俺TUEEEE!この世界最高。俺最高。女神からのチートと前世からの技術チートでマジ最強だぜ。」


アトラス・デ・ドラゴこと たちばな みつる は二度目の人生で一番の絶頂期を迎えようとしていた。


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