唖然
「師匠!アロマ師匠!」
「どうしたの。そんなに慌てて。」
「見てください。ほら。」
「りあ!」
「あ!見つけたのね。見たところ水の精霊ね。」
・・・あれ。早くない?普通見つけるのに1年くらいかかったわよ。
それでも早い方だったのに。それを一日で。
「じゃあ契約の方法なんだけどまず・。」
「もう契約も済ませたよ。」
「・・・はい!?」
「名前つけたら契約してくれたよ。」
「あれ~。」
おもわず首を傾げる。
なんで?!
どうやったらそんなに早く精霊と契約できるの?
普通は徐々に仲良くなって関係を深めてやっとなのに。
「これで呪術使えますか。」
「う、うんそうね。あとはいかに精霊の力を引き出せるかね。」
「早くその方法教えてください。」
「そうね。その前にまずお昼を食べましょう。」
二人と一匹はドレミの家に入って昼食をとる。
「どう、美味しい?」
「はい。とっても。ヴェルさん料理できないからいつも肉に塩や胡椒まぶして干したものやサラダに果物でしたから。」
やばい。こんな温かい食事久しぶりだ。涙が出そう。
「 美味しい 特に これ 」
エリアはビーフシチューを美味しそうに食べている。
「師匠!エリアもシチューが特に美味しいって。」
精霊って肉食べるんだな。
「 食べるよ 」
あれ。口に出してた?
「 ううん アル 心 読んだ あと そろそろ 水 欲しい 」
「はいはい。師匠。お水頂いてもいいですか。」
「ええ。構わないけど。」
「はい。エリア。」
器に水を入れて渡す。
「 わーい 」
エリアは水に浸かった。
「え。水に浸かるの?」
「 うん これが 一番 効率 いい 」
「そっか。」
その横で師匠は唖然としていた。
「ア、アル君、もしかして精霊と会話できるの?」
「片言ですけど。え、できないんですか?」
「普通は出来るわけないでしょう!」
師匠が取り乱している。
「 私 普通より 高位 」
「普通より高位な精霊って言ってますけど。」
「人の言葉で会話できるのは大精霊クラスから上のクラスなのよ。最初は精霊語を学ばないと意思疎通ができないのに。」
何?この子。誰か助けて。
「でもそれならだいぶ段階を飛ばせる。じゃあ早速練習ができるわ。」
「やったー。」
昼食後、庭に連れてこられた。
「まず、最初に精霊の力を引き出すところからよ。的を作ってみたわ。あれに精霊から力を借りて魔法で壊してみて。エリアちゃんあんまり力を貸しすぎないでね。アルの体がもたないから。」
「りあ!」
「そんなことわかってる。って言ってます。」
「りあ。りありあ!」
「そこらの子と一緒にしないで。とも言ってます。」
「そう。じゃあ。早速やってみて。」
「はい。」
「りあ。」
エリアは丸くて青いオーラみたいなものを俺に纏わせ水の入った器に浸かった。
「そのオーラを一点に集める感じで放つ。」
闘気と同じ感じだろうか。やってみよう。
バシャン
腕全体から四方八方に水が爆発するように飛び出した。
その衝撃で、体が吹っ飛び衝撃で意識が遠退く。
「あの~エリアさん。加減してって言いませんでしたっけ?ものすごい威力なんですけど。」
エリアは師匠からの視線を逸らした。
「まだまだ時間がかかりそうね。」
アロマはアルの頭を膝にのせてため息をついた。




