呪術
市場
俺は市場を見て回った。
かなり見慣れないものが多い。動物の肉が丸ごと売られていたり、家の壁が赤くペイントされていたりと見たことのない文化だった。
「あの、見たことないものが沢山。」
「そうか?かなり普通だと思うが。」
奇妙としか言いようがない。
明らかに文明が遅れている。
様々な所を見たが今までの場所ではいたがここではまだ見ていないものがある。
孤児の存在だ。
どんなに豊かな国、領主が国民のために力を入れている国でも孤児はいる。
絶対と言っていいほどの存在だった。
「この村には孤児はいないんですね。」
「いないよ。そうならないように調整しているし。」
「調整とは?」
「まず、この国では生まれつきの体質、魔物に襲われる以外の死因は老衰しかない。子供がいる人は魔物と戦わない。だから、死別することがない。次にこの国の人は基本病気にならない。もし病気や怪我になったとしても簡単に治しちまうからな。最後に子供は人工精子による人工授精だ。それで女の子しか生まれないようにしてる。だから人口も増えすぎず減りすぎずほぼ一定を保つよう調整できるって訳だ。」
周りの生活水準は低いのに医学の分野では他よりも秀でていた。
「医学が発達しているんですね。」
「そうか。そうでもねえと思うけどな。それよりももっと珍しいもん見せてやるよ。」
そう言われ俺は怪しい教会?に連れてこられた。
「おい。アロマ。いるか。」
「はーい。いますよ。あらヴェルどうしたの。」
「こいつはアルて言うんだけどよこいつにあれ見せてくんねえかな?」
「いいですよ。こっちに来てください。」
奥の部屋へ案内される。
「アルさん。これからあなたに呪術を体験してもらいます。さあ、こちらに立って。」
ここでは魔法のことを呪術というのだろうか。
「では、いきますよ。はあ。」
グワンと周りの風景が歪む。
歪んだ風景が戻った。
俺がヴェルになっている。
「おお。スゲー。やっぱアロマのこれは一級品だな。これが獣人の体か。めっちゃ身軽じゃねえか。」
ヴェルがアリーナの体で駆け回っている。
ドクン
どうやら元の体に戻ってきたようだ。
「はい。ここまで。疲れちゃった。どう?他人の体に入った感想は?」
はっきり言って何回も経験している事なので感想がない。
だが、この力を学べば今の力を強化できるかもしれない。
「弟子にしてください。」
「・・・はあ!?」




