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帰れなくなりました。
現在ここは森の中。
周囲には誰も居ない。
よし。
「どういうことですかーーーーー⁉」
思いっきり叫ばして貰おう。
ちょっとスッキリしました。
令嬢としてはあるまじき事だけど、周囲に人が居ないならいいよね。
さて、
これからどうしましょうか。
おそらくここは王都から一番近い森のはず。
そこまで長い時間乗ってた訳ではないので。
……多分。周りには花と馬車の車輪の跡と沢山の木。この車輪の跡を辿って行けば帰れるでしょうか。
今は夕方ですが、走れば大門くらいには辿り着くといいなぁ。多分日々の畑仕事で足腰は鍛えられているはずですし。早速行きますか。
「参りましたね…」
夜。とっぷり更けています。
外は大雨で、直ぐに降り止みそうにありません。帰り始めて直ぐに降ってきました。
うーん困りますよ。車輪の跡、絶対消えてるじゃないですか。私帰り道わからないのに。
幸い今は偶然見つけた廃墟であろう小屋で雨宿りしてます。運が良いのか悪いのか。
とりあえず今日は一晩ここで過ごしましょう。
……お腹すいたなぁ。