うっとおしい後輩ちゃんと僕
ブックマークが5人いったら連載しますよ。
まあ今までの経験から言って、絶対あり得ないんですけどねHAHAHA!!
放課後。僕はいつも通り文芸部の部室へと向かう。
そして扉の前でふうっと一呼吸。大丈夫大丈夫。部室の本を読むだけ。あいつの事なんて知らないふりをすれば良いんだ。
そして扉を開けると案の定あいつがいた。
「先輩来るの遅いっすよー!何してたんすか?ねえ何してたんすか?」
何してたんすか?と言いながら、ちょこまかと僕の前で体を左右に揺らす。
体が揺れるたびシャンプーの良い匂いがする・・・とか思ってる訳じゃないから。危ない危ない。
「と、と、友達と話してたんだよ」
「へえ、、、友達と、、、」
口元はにんまりと口角が上がり、目が細められていく。これは面倒な事になりそうだと思った時にはあいつの口は開かれていた。
「先輩友達いたんすね!よかったじゃないっすか!これで先月みたいに筆箱忘れたからって私に借りに来たり、一昨日みたいに財布なくしたからって1000円借りに来たりしなくてもよくなったじゃないっすか!!!」
今日はお赤飯よ~ランラン~と部室の中をくるくる回りながら歌いだす。そんな様子を尻目に、僕は本棚からお目当ての本を取り出す。そして腰掛けると歌声が止まる。
「ねえ先輩。今度その友達に会わせてくださいね。」
「な、な、なんでお前に会わせないといけないんだよ。」
「だって、、、」
と言いながらこっちに近づいてくる。そして僕の膝に手をのせると、さっきと同じようなにんまりとした顔で真っ直ぐこっちを見てくる。髪先が頬をかすめ、息がかかりそうな顔の近さに僕はドキッとする。
「先輩が嘘をつく時って、最初絶対同じ文字を重ねますよね。」
「え、、、?」
「楽しみにしてますよ。セ・ン・パ・イ」
センパイと囁くような声に思わずどきっとする。しかしこれは嘘が見抜かれたからドキッとしているのだ。決してあいつになんかドキッとしてはいない。そうだそうだ。うんうん。
そうやってひとりうなずいているのを目を細めて後輩は見ているのであった。
後日。本当に教室まで来た後輩に、本はドモダチと言って大爆笑されたとかされないとか・・・
これ二人絶対両思いだと思うんですよね。
部屋で独り書いていて、ブラックなコーヒーが進む進む。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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