表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第6話「通学の華。」

ちょっと休憩回。(いっつものんびりですけれどね、、。)

翌日の朝。

俺はカーテンを開け、寝ぼけまなこで太陽の光を見る。

「今日の天気は快晴か。」

反対、までとは言わないが俺の心は天気ほど晴れてはいない、何故なら______


「やぁ、真。どうだった?」

ニヤニヤと笑っている瞬太郎は俺と並んで学校に向かっていた。

「別にどーもこーもないよ。」

「いやいや真。それは通用しないよ。昨日一緒に帰ったんだろ?その後のメッセージを無視してたし。」

怒っているような表情をしつつやはりうすら笑いを浮かべている。

何故だろう、これ以上ないほどむかつく。

「あの時はちょうど一緒に帰ってたからな。目の前にいつでも話せるような奴でもない奴がいるのに、いやでも顔を合わせるお前と画面上で話す意味ないだろ。」

「お、ようやく認めたね。それで、どうだったんだい?」

ニヤニヤしていた顔を引っ込め一転。少しばかりまじめな顔になる。

はぐらかそうと思ったがこいつが俺に機会をくれたのは間違いない。

それにからかうという様子でもなさそうだし、、。

「そうだな、全体的に昔の話だったな。」

「昔というと?」

「中学校とか。彼女それより前はこっちにいたらしくてな、今回こっちに戻ってきたそうだ。」

「、、、へぇ、そうなんだ。」

聞いてきた割にはなんだか薄い反応だったが、気にせず話を続ける。

「そんで『君』の荷物を職員室に届けた後で何故か一緒に帰る事になってな。」

俺はそこでニヤっとして『君』を強調してみた。

「君が誘ったのかい?」

瞬太郎はさも気にならないといった様子で質問をしてきた。

「、、まさか。彼女の方からだよ。俺がそんなこと言うと思うか。」

「ま、そうだろうね、、。」

予想するのは非常に容易だったろう、小さく笑って肩をすくめる。

「それで、何の話をしたかな、、。覚えがないほど他愛ない話だよ。あ、一応送ったぞ。」

「おお!すごいじゃないか。真にしてはあり得ない行動だ、、。」

びっくり仰天、幽霊でも見たような表情、確かにオレは幽霊のような顔かもな。

「まぁそんなところだ。」

「彼女はどこに住んでるんだい?」

「7区だったよ。」

「7区?歩くにはやけに遠い距離だね。」

瞬太郎は顎に手を当てて首を傾げた。

「確かにオレもそう思う。不可能ではないがあの距離なら自転車が普通だと思うんだ。まぁまだ買ってないとかじゃねえの?」

「、、、、、。」

瞬太郎は黙って俯いて立ち止まり、俺は数秒経って気が付き声をかける。

「おい。どうした?深刻な顔して。」

今の話にそんな不審な点はあっただろうか?

「あのさ、、真、、、。」

顔を上げて瞬太郎が言葉を発した瞬間______。

「あ、相沢君に葉山君!」

瞬太郎の背の向こうからやけに元気な黄色い声が聞こえた。

「この声は、、、。」

俺は瞬太郎よりも更に後ろへ視線をやる。

「蔵屋敷さん、お、おはよう。」

瞬太郎が驚いた様子で挨拶をする。

「うん、おはよう。葉山君も。」

「あ、ああ、おはよう。」

突然の登場に俺も少し驚いたが、考えてみれば昨日帰った道なのだ。あっても不思議はない。

「あ、それで瞬太郎。何か言おうとしてたが?」

そういうと瞬太郎は振り返って笑ってこういった。

「いや、何でもない。大したことじゃないからね。」

「そうか?」

その笑顔に少し違和感を覚えたのは気のせいではないだろうが、蔵屋敷がいるこの場面で無理やり聞くのは忍びない、まぁこいつも大したことないと言ってるし、まぁいいか。

「偶然だね、いつも二人はこの道なの?」

「うん、そうだよ。中学からずーっとこんな感じだよ。ね、真。」

「ああ、そうだな。ずーっと面白味もない会話をして早4年目か。」

俺がそう言うと瞬太郎は苦笑いをして

「やめてくれよ」

と言った。

「あ、そっか。昨日相沢君が言ってたもんね。」

「瞬太郎が?何言ったんだ?」

蔵屋敷から瞬太郎に視線を移して聞く。

「昨日皆が掃除してる時に僕らが先生の手伝いに行った時、少しばかり真の愉快な話をね。」

「愉快だぁ?俺に愉快なチャームポイントなんかないだろう。」

俺は自分の体を見て少しばかりおどけてみる。

「あはは、愉快と言っても僕からみて、の話さ。君のチャームポイントは、そうだな。髪にいつも同じ寝癖が付いてることくらいだよ。」

「ふふ、確かに葉山君、右の後ろが跳ねてる。」

蔵屋敷にも指摘され慌てて触ってみると、確かにいつもの寝癖がある。

どうもこいつは一定の長さになってくると現れるな、そろそろ切り時か。

「っておい、それはチャームポイントじゃないだろう。」

「そう?抜けてる感じがして面白いよ。ねぇ、蔵屋敷さん?」

蔵屋敷は瞬太郎を一瞥して再び俺を見て笑う。

「ふふふ、そうかも。」

その笑顔を見るとどうも胸が高鳴ってしまう、すっごい恥ずかしい。

しかし寝癖は直そう。

学校までの道のりの間俺の右手は寝癖を直す為にひたすら使われた。


中身はほぼ無し。気になることは、な~んだ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ