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初めての詠

はじめに

初投稿です!楽しんで頂けるとありがたい!!

たくさんの人に読んで貰えますように!

< ' )っ ---<

第1話 こっち側


朝だ、といってもこっち側には太陽が無い


この世界には『表』と『裏』がある

なぜ、表と裏があるのかは未だに分かっていない

ただ分かっているのは表側に生まれたやつが勝ち組ってことだ。


「なんで裏側に生まれただけで太陽すら見えねえんだ」


そんなこと思っても仕方ないと思いつつ、オレは残り少ないパンを手に取り職場へ向かう


「おい、ラク遅刻だぞ」


「んあー、ミツナリか、朝だと思ったら昼か太陽がねえから分かんねえな....」


「......そういうなよ、ラク」


「..........」

「..........」


ミツナリはオレの幼い頃からの親友だ

最近はいつもこんなで正直つまんねえが



「ちわっす工場長遅刻してすいませんす」


「ようラク、オマエさんは遅刻なんていつもだろ」


「ハハッでもオレちゃんと1番働いてるっすよ」


「そりゃそうだがよ、まったくオマエさんはもっと愛想でもよくしてみろよ」


「ずっと裏側に住んでるとこう萎えちまうもんですよ」


「...そんなこと言ってやんなよ」


そう言われてもなぁ........

実は生まれてから裏側に住んでるやつは少ない

表側で罪を犯して裏側に連れてこられたり表側で裏側の人間が奴隷として売られたり....

それに表側のやつしか裏側に出入りする方法を知らないほんとクソッタレだ


「あいつらはオレの家族も奴隷として.....」


許さない、いつからかオレの表側へ行く夢は復讐に変わっていた....


「おい、ラクそう怖い顔をするなよ」


「あ、ごめんミツナリ...そういえばお前もずっとこっちに住んでるんだよな」


「ああ、俺はラクとずっと同じだよ」


「うん.....」


そうだ、ミツナリはつまんないやつじゃないオレと同じなんだ


「わかっているよミツナリ....」


「ん?何か言ったか?」


「いや、ありがとな!」


「ラクが嬉しいと俺も嬉しいんだ、じゃあ俺は先に仕事に戻るぞ」


「ああ」


オレはまだこの幸せな気持ちでいたかったから少しぶらつくことにした


それにしても裏側は寂しい場所だ、1人でいるとすぐ孤独に飲み込まれて自分を失いそうになるだがオレにはミツナリがいる


(ミツナリみたいな真面目なやつ裏側には珍しい、まるで表側の人間みたいだ)


ふとそう思った、その時聞いたことのないフレーズが耳に入った


「♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜」


なんだこれ、普通の言葉じゃないとても綺麗だ....


気になる


これは一体なんだ言葉なのに流れるような美しいもの裏側には無いもの気になる気になる気になる


「♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜」


近づく、なんだ、こんなに心を奪われたのは初めてだとても満たされる


どんどんオレは道の奥へ入っていったその「何か」が知りたかった裏側には無い表側への道かもしれない



そこに居た「何か」の正体は1人の人間だったフードを被り、美しいものを創り出す、まるでこの世の創造主にオレは見えた


「そこのお前、その言葉はなんだ何をしているんだ、?」


「.....わた..しのこと......?」


「ああ、お前は何をしている、その、う、美しいものはなんだ?」


「こ..れは....歌」


その瞬間思い出した


「うたはだめだ」


歌はこの世界の象徴、いわば神だ、裏側で歌を歌うことは禁止されている!!!

オレは歌を知らないから気づかなかった!このまんまじゃ犯罪者だ!!!


「????」


フードのやつは何もわかってない、ほんとに何もんだ?


「わ...わたしは......歌を..歌い続ける....ため...に存在している......」


「はあ?!おまえ!犯罪者になりてえのか!」


「おい、おまえら何をしている」


くっそ表側のまわしもんだ!


「おい!フード逃げろ!!」


「い...いや....!歌を...歌わないと....届かない...!」


「は?そんなの後にしろ!!」


こんな感情的になったのは久しぶりだ

オレはとっさにフードのやつの手を掴み走り出した


「おい!おまえたち!まて!!!」


くそっ..!やっぱ追ってくるよな


なんでこんな目に.....

いやオレはこいつの歌をもっと聞きたかったんだろう

ごめんな、ミツナリ

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