3話(冒険者登録)
戦闘は無いですが、前回の後書きの通り冒険者登録編となります。
おお、マティルダよ死んでしまうとは情けない・・・・。
いや、死んで無いよ?。死ぬほど疲れたけど死んで無いよ?。
今は、風呂から出て脱衣所で髪の毛乾かしてるよ?。
アリーシャさんが、俺の髪を持っていた櫛ですきながらドライヤーに似た魔法道具で乾かしている。
「マティちゃんの髪の毛は細くてサラッサラね、触ってて気持ちいいわぁ」
「そですか?、私も髪をすかれると気持ち良いです」
「さて、髪も乾いたし服着ちゃいましょうか。もうカイムも外に居るでしょうし」
ちなみに、二人ともバスタオル一枚で体を覆っているので。見ない様にマティルダは必死である。
なるべく体を見ない様に、アリーシャさんが買ってくれたブラとショーツを着る。
「あら、駄目よ。ブラの着け方が下手ねぇこっち来なさい」
アリーシャさんが後ろから抱きつきながら教えてくれる、のは良いが当たってるよ!。
「ちょっと前かがみになって、そうそう右手で左側の胸の方を中央に寄せながら右肩方向に引き上げるのよ」
「逆側も同じ様にしてね、ちゃんとしないと胸の形が崩れちゃうわよ」
おおぉ!!、凄いな自分でつけた時より胸が大きくなってる気がする。
女の人も大変だなぁ、とか自分も女である事からの若干の現実逃避をするも。
アリーシャさんの次の言葉で現実に連れ戻された。
「じゃあ、服は・・・このワンピースで良いかしら」
なん・・・だ・・と・・。
しかもそれ、服屋で見た薄い青色のワンピースじゃ無いし!!!。
何時の間に買ったんだ、そのノースリーブの白いワンピース。
「そ、それ以外だと何があります?」
「これ以外だと、フリル付きの薄い青色のワンピースか。依頼受けた時とか旅する時用のシャツとスカート+スパッツね!」
「・・・・・白のワンピースで良いです」
だって、白ワンピが一番シンプルなんだもの。
「じゃ、これね着てみて・・・良いわぁ最高に似合ってるわよ!」
「ど、どうもです」
恥ずかしいなぁもう。
脱衣所に置いてある姿見を見ると、おお可愛い似合ってるなぁ。
なんだろう、麦わら帽子をかぶってれば避暑地にいそうなお嬢様ぽいな。
ついでに少し説明しとくと、この世界のブラ及び防具はある程度は自動でサイズを変更する魔法が掛かってると言う優れ物。
「さて、行きましょうかカイムを待たせすぎるのも可哀想だしね」
「はいです」
大浴場から出ると、入口の横の壁にもたれたカイムさんが居た。
「すいません、お待たせしました」
「おお、やっと出てき・・たか・・」
ん?、どうしたんだろう固まってるな。
「んふふぅ、どう!!カイム!!!」
「すげぇ、可愛いと思ってたけどここまでとは」
「いやー似合ってるぜ可愛いな眼福眼福♪」
うおぉぉ、恥ずかしいからやめろ褒めるなぁ。
この、ナチュラルボーンイケメンめ!!!。
「あ、ありがとうございます」
ううぅぅ、なんだこれ恥ずかしいけど。少し嬉しい・・・。
そう、思っていると。
グゥゥゥ、俺のお腹の音がなった。
「あ・・・」
くあぁぁ、間違い無く今真っ赤だ俺の顔。
恥ずかしくて俯いてしまうマティルダ。
思えば昨日から何も食べて無いし、寝て無い。
「あらあら、お昼も過ぎちゃってるしご飯食べに行きましょうか」
「そうだな、お姫様は腹ペコの様だ」
「変な事言わないでください!!!」
「はっはっは、宿で飯にするか。結構美味いんだぜ」
宿に着くまでに気になった事を聞いてみる事にした。
「あの、大浴場で少し気になったんですけど」
「買った服や、カイムさんに預かってもらってる五匹分のバトルドッグの皮は何処に持ってるんですか?」
あの時に貰ったバトルドッグの皮は持ちきれなくて、結局カイムさんに持って貰ってた筈が気がつけば無くなっていたのだ。
「ああ、マティは知らねぇのか。これだアイテムポーチって言う魔法道具なんだが」
そう言って見せてくれたのは、一見するとただの布の袋なんだけど。
「その布の袋がどうかしたんですか?」
「これはな、冒険者必須のアイテムで見た目以上に中に物が入るんだ」
「大体これ1個で100kgまで中に入るぜ、でか過ぎる物は無理だが。ある程度の大きさなら袋の口が広がって中に入れれるんだ」
「へぇ~、便利な物があるんですねぇ」
「冒険者ランクが上がって、一人前と認められたら1個は支給してくれるぜ」
おお、良い事聞いたな頑張ろう。
「さて、着いたぜここが『憩いの場』って言う、俺達が泊まる宿だ」
「朝と夜の飯は宿代込で昼は別料金だ」
「あ、そう言えば宿代や大浴場のお金は幾らですか?」
「ん、気にすんなたいした額じゃない」
「良いんですか?」
なんか凄いお世話になってるな、良いのかなぁ。
「気にしないで、妹が出来たみたいで私は嬉しいのよ。世話を焼かせなさいな」
良い人達だ・・・。
「あはは、ありがとうございます。お世話されます」
そうして、宿の中に入ると。中は1階が食事スペース兼受付で2階と3階が泊まる所の様だった。
「おっちゃん、今日のおすすめ定食を3人前!」
「おう、待ってな直ぐに出来る」
ワクワクしながら食事を待つ。
「お待たせさん、モウスの肉を焼いた物とスープだ。パンは自由にあそこの籠から取ってくれ」
食べた後の食器を返却するカウンターぽい所の横にある籠を指さすおじさん。
「よし食うか、マティも腹減っただろ。パンは適当に俺が取って来てやるよ」
「はい!、ありがとうです」
「それじゃあ、いただきます!」
パンッと手を合わせて、モウスの肉焼きをナイフで切ってフォークで口に運ぶ。
「美味しい~肉汁が溢れるぅ、幸せぇ」
モウスの味は地球で言う所の牛肉の味がした。
知識ではモウスが牛みたいな見た目とは知ってたけど、実際に自分で食べないと味は地球の牛と比べられないからねぇ。
味は記憶で継承されないから、モウスはモウスの味がすると言う知識しか無いのだ。
「本当に美味しそうに食べるわねぇ」
アリーシャさんがニコニコしながら、俺の食事を見ている。
「ほらっ、アリーシャさんも食べましょう。凄く美味しいですよ!」
「ええ、そうね」
「よっと、パン持ってきたぞ。スープに浸したり肉汁を浸けて食っても美味いぞ」
「パンと言えば黒い固いの想像してましたけど、違うんですね。白パンは結構良い値段すると記憶してますが」
「ああ、あれは長旅とかで食う保存食だからな。町にまで来て食う奴は居ねぇよ」
「なるほどです」
黒パンはそう言う位置づけなのか。
一般的な知識はあるけど、旅に関する事や魔物に関する事は知識に無いんだよね。
前の子がおそらく普通の女の子だったんだろうね。
「ふぅ、食べた食べた~満腹ですぅ」
「そりゃ良かった、この後はどうする?」
「そうねぇ、マティちゃんの冒険者登録かしらねぇ?」
「なら、食事後の休憩終わったら行くとしますか」
んあぁ~、なんか二人が話してる気がするけど満腹になって眠くなってきた・・・。
食べて直ぐ寝ると牛になるぅ・・・でも眠い・・・牛・・・ねむひ・・。
「すぅすぅ、んひゅ」
「あら?、寝ちゃったわね」
「あ~、まだ16歳って言ってたし。Lvも高くなさそうだしな疲れたんだろう」
「そうね、私達が間に合わなかったら死んでたんだし。体力的にも限界だったのね」
「部屋はどうなってるのカイム?」
「お前とマティの二人部屋と俺の一人部屋でとってある」
「そう、カイム部屋までマティちゃん運んであげて。寝かしておくから」
「あいよ、んじゃ部屋まで運んだら俺は犬っころの皮をギルドで売ってくる」
「私は消耗品とか、マティちゃんの日用品を買ってくるわ」
「りょーかい」
なんか、鳥っぽい声が聞こえるなぁ。
「ほー」って聞こえるしウグイスか、この世界にも居るんだな。
「ほー・・・あっちゃぁ!!」
「なんでやねん!!!、どこのブル○ス・リーだよ!!」
ついつい、変な鳴き声につっこみを入れてしまった。
「んぅ・・・」
ん、なんか隣から艶めかしい声が。
「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
変な声の悲鳴がでた、何で横にアリーシャさん寝てるの!?。
え、ヤっちゃった?。
まてまて、落ち着けそんな記憶は無いぞ?。
童貞卒業ですか?、どどど童貞ちゃうわ!。
そもそも、童貞じゃない。処女だ。
いやいやいや・・・・まてまてまて・・・・。
混乱しまくってると横から声をかけられた。
「ん、おはようマティちゃん。何を一人で百面相してるの?」
「にょわぁ!、おはようございます!。何で横で寝てるんですか!?」
「二人部屋をとってたんだけど、昨日マティちゃんご飯食べて寝ちゃったでしょ」
「その後、カイムにここまで運んでもらって。寝かせておいてから買い物とかしてたんだけど」
「帰ってきたら、マティちゃんが気持ち良さそうに寝てるし。私も隣でつい一緒に寝ちゃった」
「それにしても、よっぽど疲れてたのねぇ」
考えてみれば俺って24時間以上は寝て無かったのか。
そら、朝までぐっすりだよね。
「そうだったんですか、すいません」
「良いのよ、私も昨日は連れまわしちゃったしね」
良く寝たなぁ、頭もスッキリだ。
「ほー・・・あっちゃぁ!!」
うぜぇマジでうぜぇ。
「あの、この声は?」
「この声はねぇ、リーバードって言う魔物なの。声がうるさい以外は特に害は無いから狩られないのよ」
「でも、意外に肉の味は美味しいわよ?」
「食べたい様な食べたくない様な・・・」
そんな話をしてると、ドアがノックされ。
カイムさんの声が聞こえた。
「おーい、起きてるか朝飯にしようぜぇ」
「起きてるわよぉ、準備したら下に行くから。先に行っててぇ」
アリーシャさんがそう返事をしたので、部屋を出ようとするも。
「こらっ!、髪に寝癖がついてるわよ。こっち来なさい」
「はーい」
昨日で俺は学んだ、大魔王には逆らうだけ無駄なのだ。
「はい、良いわよ。それじゃ今日はギルドで登録もするし動きやすい服に着替えましょうか」
手渡されたのは、昨日買った布のシャツとミニスカートに黒のスパッツだった。
さっき、逆らわないと言ったな!!!。あれは嘘だ!!!。
「あの、別にこのま『着るのよ』まで・・・・はい」
やっぱ無理でした、てへぺろ♪。
「良いわぁ、ワンピースの清楚ぽいのも似合うけど。そう言う活動的な服も素敵ねぇ」
「ありがとうございます」
うわぁーうわぁー、ヒラッヒラッやぞ!。股がスースーする。
良くこんなので、町歩けるな女の人は。
「さて、行きましょうか」
「はい・・」
食事スペースに行くとカイムさんが待っていた。
「おはようさん、その服も似合ってるぞ」
「おはようございます、恥ずかしいのであんまり言わないでください」
「恥ずかしがる事ないだろう、お前は女の子なんだ」
「そですね、頑張ります・・・」
ああぁ、カイムさんあんた良い男だよ。
でも、恥ずかしくって涙が出ちゃう。だって男の子だもん。
アホな事を考えて無いで朝食にしよう。
食べ終わり、三人でギルドに向かう。
「とりあえず、先に拾ったギルドカードを受付に渡してから。私の登録ですかね」
「ああ、それで良いと思うぞ」
「りょーかいであります!」
冒険者ギルドに着いたので、言われた通りに受付さんにギルドカードを渡す事にする。
「あの、すいません。今大丈夫ですか?」
「ええ、かまいませんよ」
受付の人は俺と同じ位の年齢だと思われる、頭に犬耳がお尻にふさふさの尻尾が生えた女の子だった。
獣人だ、町にも大浴場にも居たけど。しっかり見るのは初めてだ可愛いなぁ。
ああ、犬耳を触りたい尻尾をもふもふしたい・・・。
「あの・・・どうしました?」
おお、トリップしてた危ない。
「いえ、何でも無いです。この町に来る前に冒険者の遺体を見つけてギルドカードを拾ったので届けにきました」
「そう・・ですか、ありがとうございます」
少し悲しそうな顔をしている。
「こちらが、届けていただいた礼金になります」
渡された銀貨3枚を腰の袋に入れる。
「後、私の冒険者登録をお願いします」
「分かりました、職業は何か就いていますか?」
「まだなので、ジョブ決定検査もお願いします」
「はい、畏まりました。それではついてきて下さい」
「後ろのお二人は付き添いですか?」
「おう」「そうよ」
「では、ご一緒にこちらに」
カウンターの端にある扉から出て来ると、2階に進む階段を上る。
階段の上には3部屋程の部屋があるようだ、その内のジョブ検査室と書かれた部屋に入る。
そして、テーブルを挟んでソファに向かい合わせに座り。自己紹介をしてくれた。
「申し遅れました、私はアニムと言います。宜しくお願いします」
「私はマティルダです、マティと呼んでください。こちらこそ宜しくお願いします」
「私はアリーシャよ、よろしく」
「俺はカイムだ、よろしくな可愛いお譲さん」
おのれカイム、薄々気がついていたが。貴様天然のタラシか!。
これだからイケメンは!!!。
少しイラっとして睨んでいると。
「ん?、どうした?」
「何でも無いです、気にしないでくださいっ」
「お、おう・・」
「あらあら、微笑ましいわぁ」
違います!、何を勘違いしたのか大体分かりますけど断じて違います!!!。
「さて、自己紹介も終わりましたし始めましょうか」
「この金属板に手を置いてください、光った後に手を離せば文字が出て来る筈です」
「書かれている職業が、マティさんの適正がある職業になります」
さっそく手を金属板に置いてみると、数秒して光り出したので手を離して金属板を見てみる。
じわぁ~と文字が浮き出てきた、その内容は。
一般職業:剣士・治癒術師
特殊職業:強化者
なんぞ?、一般は分かるけど特殊職業ってなんぞ?。
「これは・・・珍しい」
「あらあらあら、これは凄いわねぇ。凄く珍しいわぁ」
「おー確かに珍しいな」
三人ともビックリしている、とても珍しい様だ。
「あの、何ですかこの特殊職業って?」
分からないのでアニムさんに聞いてみた。
「特殊職業と言うのは、その人だけの職業となります。一旦誰かが特殊職業に就くと同じ特殊職業は誰も就けません」
「ただしその特殊職業に就いていた人が死亡すると、また誰かがその特殊職業に就く事が出来ます」
「また、Lv50になると上位のジョブにクラスチェンジ出来るのですが」
「普通ですと、剣士から騎士や魔法剣士などにクラスチェンジをすると。前の剣士の職業は消えてクラスチェンジ後の職業だけ表示されま
す」
「ですが、特殊職業の場合はLv50を超えてもクラスチェンジでは無く。新たにLv50までの経験をふまえた新しい職業を取得出来る様ににな
ります」
「しかも特殊職業は無くなる事無く表示され続け、2個の職業に就く事が出来る様になります。2個目の職業は今まで特殊職業に就いた方の
を調べた所によると、大体がクラスチェンジ後の上位職業が表示されます」
「上位職業と言う事は、その下位職業のスキルや魔法も使えるようになるのでお得ですね」
「なんせ、特殊職業のスキルや魔法+2個目のは上位職業その下位職業のスキルや魔法を使える様になるので実質一人で二役か三役です」
「問題があるとすれば、マティさんの強化者と言う職業がギルドの職業一覧表で見た事が無いので。どんなスキルや魔法が使えるのか分か
らないのです」
「なるほど、職業の名前からすると何かを強化するのでしょうけど・・・」
うーん、どうするかなぁ珍しいみたいだけど。
悩むなぁ、ハズレ職業だったら嫌だしなぁ。
「特殊職業で良いと思うわよ?、変な職業でも私とカイムで守ってあげるから」
「そうだなぁ、治癒魔法使えるみたいだし。それだけで十分戦力になるしな」
「いや、でもずっと一緒に居る訳じゃありませんし」
そりゃ確かに、二人みたいにパーティー組んでれば良いけど。いずれは二人は王都に旅立つ訳だし・・・。
「あら?、言って無かったかしら?」
「何をですか?」
「私達とパーティー組まないマティちゃん?」
「ええぇ?私Lv低いですよ?、ギルド登録も今日ですし冒険者ランクも低いので。足手まといじゃないですか?」
二人と一緒に行けるのは嬉しいけど、良いのか?。
「良いんだよ、Lvやランクなんか俺達と組んでりゃ直ぐ上がる。俺もアリーシャもなお前が気にいったんだよ」
「そうよ、言ったじゃない。私は妹が欲しかったって」
うううぅ、ヤバイ泣きそうだ。なんだこの良い人達は・・・頑張ろう、頑張って二人を助けれる様になろう!!!。
ちょっと涙目になりながら、お礼を言った。
「ありがとうございます、頑張るので二人と一緒に居たいです。宜しくお願いします」
「おう、歓迎するよ。これで俺は両手に花だ」
「ええ、歓迎するは。よろしくね」
カイムさんは相変わらずだ、アリーシャさんはニコニコと優しい笑顔を見せてくれている。
うん、頑張ろう。自分の為にも二人の為にも頑張ろう。
「決まりました、アニムさん。私は強化者に就こうと思います」
「分かりました、それでは金属板の強化者の部分を押してください。次に出てきた決定と言う文字を押せば職業に就く事が出来ます」
言われた通りにすると、金属板が光った。その光が徐々に俺の胸のあたりに吸い込まれていった。
「おおぉ、これで良いのかな?」
「ええ、それで完了です。ステータスを見てください」
ステータスと頭の中で念じ、出てきたウィンドウを見る。
このウィンドウは他の人には見えず、他の人に自分の持っているスキルや魔法を見せたい場合はギルドカードをみせるしかない。
もちろん、隠したいスキルや魔法は個別で非表示にする事が出来る。
スキルと魔法はギルドカード使い人に見せれるが、ステータスの能力値は原則自己申告以外では教える事が出来ない。
何故原則自己申告かと言うと、相手のステータスを確認出来るスキルか魔法がある可能性があるからね。
「職業が強化者にちゃんとなってるし、スキルに強化刻印と魔法に身体強化魔法Lv1が追加されてる」
「ほぉ、効果はどんなもんだ?」
カイムさんに言われて、さっそく強化刻印と身体強化魔法の部分を押して。小ウィンドウを表示し説明を読む。
強化刻印:物品に強化刻印を刻み、その物品がもつ性能を上げる。
身体強化魔法:ステータスの筋力・頑丈・敏捷・知力・器用を倍にする、ただしLvによって同一人物にかけれる強化数は増減する。
Lv1で1個・Lv2で2個・Lv3で3個・Lv4で4個・Lv5MAXで5個となる。
「だそうです・・え・・・・凄い強い気がするんですけど」
「間違い無く、当たりだな」
「そうね、気をつけないと他のパーティーからのお誘いが引っ切り無しに来るわね多分」
「素晴らしいですね、このギルドで働き出してまだ1年なんですけど。こんな凄い人のジョブ決定検査の担当になれて私は幸運ですね」
ただ、あれだよね。これもう完全に中衛だよね。
まあ、二人とパーティー組むなら。カイムさん前衛・俺が中衛・アリーシャさん後衛でバランスは凄い良いかも。
「ふむ、ちょっと試しに」
立ち上がったカイムさんが、俺とアリーシャさんが座ったソファーの後ろに回り込むと。ソファー持ち上げようとする。
でも、斜めに傾くだけで持ちあがらない。
「素だと無理かきついな」
「ちょっと、流石に無理よカイム。ソファーが傾くから止めて」
「なあ、マティ。筋力強化の魔法を俺に使ってみてくれ」
「あ、はい。パワーブースト!」
カイムさんが一瞬だけ赤く発光した、おそらく魔法が掛かったのだろう。
「ふむふむ、じゃもう一回行くぞ」
そう言ってソファーを持ち上げようと力を籠める、少し辛そうだがカイムさんの胸辺りまで俺とアリーシャさんが座っているソファーを持
ち上げている。
「ちょっと、カイム止めないさい!。落ちるでしょ!!」
「カイムさん、下ろしてください!!!。怖いです!!!」
「悪い悪い、いやーすげぇなステータス確認したけど。本当に筋力も元の数値分+されて倍になってたわ、後なんでか運も+10されてた」
運?なんでだ?そんなの説明に書いて無いぞ分からん、まあ良いか下がる訳じゃないし。
「それでは無事に職業にも就けましたし、ギルドカードを発行いたしましょう」
「本当は下の受付で発行するのですが、ここにも機器があるのでやっちゃいましょうか」
そう言って、30センチ四方の箱を俺の前に置く。
「この箱の上に手を置いて下さい、そうすれば少し下のスリットからカードが出てきます」
箱の上に手を置くと、ピピピと音がなった後にカードが出てきた。
「それがマティさんのギルドカードです、大切に持っていてくださいね」
ニコっとアニムさんが笑ってくれた。
スリットから出てきたカードを受け取って、改めて見る。
「これで、私も冒険者ですね!」
「ああ、そうだな。ようこそ冒険の世界に」
「ええ、そうよ。ようこそ冒険の世界に」
カイムさんとアリーシャさん二人にそう祝福されて実感した、これで俺も冒険者になったんだと。
変更された、ステータスなどは次回の後書きで表示したいと思います。
武器や防具なども次回で新調いたしますので。