2話(魔物より恐ろしいもの、その名も年上の女性と風呂)
今回は前の2話比べると、少し長いかもです。
森にバトルドッグより大きい影が見えた瞬間には後ろを向いて走り出していた。
「流石に五匹とかは無理!」
鑑定の説明通りなら、数が増えると倒すのが難しくなるみたいだし。
ついでに、森の方になんか大きい犬?の影見えたし逃げないとヤバイ。
「グルゥアァ」
マティルダが走り出して少しの間を置いて、バトルドッグ達も走り出した。
距離的には約40メートルは離れて居るが、狼系の魔物である当然足の速さは人よりも上なのは間違いない。
幸いまだ大きい影は森から出てこないが、その内バトルドッグには追い付かれてしまう。
「限界まで逃げるか、丘の上で戦うかどうする?」
限界まで逃げても、あの足の速さなら追い付かれる。その時に体力が無ければ終わりだ。
なら、丘の上でまだ体力がある内に戦った方が生き残る確率は高いかな。
取り敢えず、丘の上まで行かないとこんな坂の途中じゃ足場が悪すぎる。
行動方針を決めて気合を入れ丘の上まで一気に走る。
丘の上にたどり着き、出て来た森と反対の方に視線をやると。街道を挟むように出てきた森とは違う森が広がっていた。
その街道の奥の方に町の入口と思われる門の様な物が見えていた。
「あそこまでなら、追い付かれずに行けるか?」
「例え無理でも、町に近づけば誰かが気が付いて助けに来てくれるかもしれない」
「行くっきゃ無いかな、頑張れ俺の体!」
そう決めて走り出す、だが今の短い思考の間にもバトルドッグとの差は縮まってしまっている。
「クソッ!後少しなのに、追い付かれるっ」
後ろを少し振り返って見てみると。
門まで後200メートル程の距離があるが、既にバトルドッグの先頭との距離は5メートルも無くなっていた。
「倒すしかないっ」
走っていた体を剣を鞘から抜きながら、勢い良く振り返り先頭のバトルドッグに斬り掛かる。
「ハァァッ!!!」
丁度こちらに噛み付こうと、跳びかかって来た先頭のバトルドッグを頭から真一文字に斬り裂く。
声を上げる暇も無く先頭のバトルドッグは絶命した。
「まだまだぁぁぁっ!!!」
次に追い付いてきたバトルドッグが、走る勢いそのままに足を爪で斬り裂こうとするのをサイドステップでかわし。
避けた所に、こっちを押し倒そうと突っ込んで来たのを剣の腹で横に弾く。
「ギャウンッ」
「まずっ」
横に弾いたまでは良かったが、その勢いに負けてバランスを崩してしまい。
弾いたバトルドッグの直ぐ後ろに居たもう一体の攻撃で、押し倒されてしまう。
なんとか首に噛み付かれそうなのを、剣を持っていな左腕を横にしてワザと口に入れ首を噛まれるのを防ぐ。
「ウァァァッ、痛ったいなこんにゃろー!!!」
右手の剣で腹を刺し貫くも、死んで力が抜け重くなったバトルドッグがそのまま体に覆い被さる。
左手を地面に着いて、起き上がろうとするも痛みで力が入らず失敗し。さらに体の上のバトルドッグの死体の所為で動きにくい。
「あぐぅ、重いっ・・この!邪魔っ!」
そうこうしてる内に、最後の一体がバトルドッグの死体の上に乗って来て。二匹分の重さで動けなくなってしまった。
「ゲホッゲホッ、重いぃどけっ!」
そんな言葉など通じるはずも無く、涎を垂らしながら首に噛み付こうとしてくるバトルドッグ。
嫌だ嫌だ嫌だ!!!、こんな所で死にたくないっ!!!。
やっと歩けるようになったんだ!
嫌だ嫌だっ!!!
「イヤァァァァァァッ!!!」
「おっらっ!!可愛い女の子は世界の財産!!!お前らなんかには勿体無いんだよ、犬っころがぁっ!!!」
「グギャゥルルッ」
体の上の重みが無くなる。
「何を馬鹿な事言ってるの、そっちのは任せたわよっと。ウィンドアロー!!!」
「おうっ!!任せとけや、死ねぇぁぁ!!!」
突然現れた二人組の男女が、残っていたバトルドッグをものの数十秒で殲滅してしまった。
「あ・・う・・?」
「おう、大丈夫かお譲ちゃん?」
「左腕を怪我してるわね、ちょっと待って。ポーションを出すから」
そう言って助け起こしてくれた二人組。
「あ・・・大丈夫です、治癒魔法使えるので。ヒール!」
左腕の治療をし、やっと状況を把握出来る様になった。
「たす・・かった・・?」
「えぇ、もう大丈夫よ。良く頑張ったわね」
そう言われて頭を撫でられると、助かった安堵感で涙が出た。
「うぅ・・ヒック・・うあああぁぁぁん」
泣き出した俺を女の人が優しく抱きしめてくれた。
「よしよし、大丈夫大丈夫よ」
「ぐすっ・・ヒック・・・」
「ずいまぜん・・・助けで頂いてありがどうございましだ」
鼻声で恥ずかしかった。
「気にしないで、助けられて良かったわ」
「そうそう、可愛い子を助けるのは男の役目だからな」
「あはは、本当にありがとうございました」
改めてペコリとお辞儀をし、お礼を言う。
「礼儀正しい子ね、どこかの貴族のご息女さん?」
「いえ、冒険者になろうと思って旅をしてました」
「あ、申し遅れました。お・・私はマティルダと言います、16歳です好きに呼んでください」
異世界から来ましたとは言えないし俺とも言えないので、誤魔化しつつ名前を名乗る。
二人組の方も自己紹介をしてくれた。
「私はアリーシャ21歳よ。よろしくねマティちゃん」
おぉぉ!!黒髪セミロング美人さんでグラマーですよ、お客さん。
魔法使いぽいローブが素敵です!。
バトルドッグの死体の皮をはぎ取りつつ男性も。
「俺はカイム20歳だ、よろしくなマティ」
こちらはイケメンで赤毛である。
見た目的にも、剣持ってるし剣士かな?。
身長高いな、横に並ぶと頭二つ分位差がある。
ちなみにアリーシャさんには、頭半個分ほど身長負けてるな俺。
アリーシャさんにカイムさんか、カイムさんはドラゴンに乗ってそうな名前だなぁ。
ついでに、あだ名が決まってしまった。
まあ、ネトゲ時代にも呼ばれてたあだ名だから違和感はないね。
「さてと、皮のはぎ取り終わったぜ。はいよ」
そう言って、カイムさんが皮を五匹分渡してくれた。
「良いんですか?、私は二匹しか倒していませんが?」
「気にすんな、助かった記念に貰っとけ」
「ありがとうございます」
「さて、犬っころを燃やしたら町に行くか」
そう言って、死体を一纏めにしアリーシャさんが火の魔法を使い燃やしてしまう。
「ファイヤーボール!」
燃え尽きたのを確認し、いざ町に!。
「町に向かう前に、マティちゃんこのマントで体を隠しときなさい。左腕の部分は破れてるし体の部分は血だらけよ」
「ほら、それ羽織ったら行きましょうか」
アリーシャさんが自分が羽織っていたマントを貸してくれた、良い人だ。
色々と話しながら、町に向かう事にしよう。
「さっき、魔物の死体を燃やしたのはアンデット化しない様にですか?」
「ええ、そうよ死体のまま放置するとアンデット化するし腐って病気の原因にもなるからね」
「なるほどです、ここに来る途中でアンデット化した冒険者のスケルトンに襲われまして」
「その時にギルドカードを拾ったのですが、冒険者ギルドに持って行けば良いですよね?」
「おう、それで大丈夫だぜ」
良かった、正解だった。
「そう言えば、マティちゃんって治癒魔法使えるのね?。職業は治癒術師?」
「いえ、まだギルドでジョブ決定検査をしてないので。職業には就いて無いです」
「ほぉ、職業に就いて無くて治癒魔法持ちか。良いねぇ」
「ちなみに、お二人の職業は?」
「私もカイムも見たまんまよ、魔法使いに剣士」
やっぱりか想像通りだったな。
「おー、私はどんな職業が提示されるかなぁ」
「治癒魔法持ちだし、治癒術師はあるでしょうね」
「剣使ってるし、剣士もあるかもな。ギルドでのお楽しみだな!」
そう言って、ニカッと笑うカイムさん気持ちの良いイケメンだ。
「ですね、楽しみにしてます」
「カイムさん」
「ん、何だ?」
「身長高いですよね何センチあるんですか?」
「俺か、確か180位じゃないか」
た、高いなそりゃ頭2個分位は差がでるか。
「アリーシャさんは?」
「私は170無い位だったかしら」
「アリーシャさんも女性にしては高いですよねぇ」
と、言う事は俺の身長は160センチ無い位か。
地球だと160センチあれば、女の子なら身長高い方だけど。この世界だとどうなるんだろう。
まあ、いいか大体分かったし。
後は何か気になる事あったかなぁ。
あ、そう言えばバトルドッグが森から出て来る時に大きい影が居たな。
一応話した方がいいかな。
「あの、バトルドッグに襲われて逃げる時の事なんですけど。森の中にバトルドッグより大きい影が見えたんです」
「なんの魔物か分かりますか?」
「あの、犬っころよりデカイねぇ。ここら辺の森にはそんなの生息してないが・・・アリーシャ」
「そうね、どれ位大きかった?。それから襲われた最初の場所は?」
「えと、大きさ的にはバトルドッグの3倍以上あったように思います。なので5メートル在るか無いか位です」
「場所はこの街道を向うの町と反対側に行くとある、森が途切れて草原になってる所の川が流れてる方の森だったかと」
バトルドッグの大きさは個体で違うが、大体1.2~1.5メートル位。
「なるほどねぇ、確かにこの辺りにはそんな魔物居ないはずね。ギルドに報告した方が良さそうね」
「そうだな、町に着いたら報告しますかね」
そんな話をしながら街道を歩いていると、やっと門にたどり着いた。
そこに居た、門番?が話しかけてきた。
「いらっしゃい、サンテの町にようこそ。身分証を見せてくれるかい」
「あいよ、俺のはこれ」
「私はこれよ」
アリーシャとカイムはギルドカードを見せているが、俺は持ってない。
だけど、銀貨1枚で仮の身分証が貰えるはず。俺の知識が間違いじゃなければだけどね。
「すいません、ここに来る途中で落とした様なのですが。仮の身分証を発行して頂けますか?」
「ああ、了解。じゃあこの板に手を乗せてくれるかい」
「はい」
言われた通りに板に手を乗せる、この板は犯罪歴が無いかどうかを判別してくれる大変便利な板である。
魔法道具の一種だね。
「うん・・大丈夫だ、それじゃこれが仮の身分証ね。銀貨1枚貰えるかな」
木の板を手渡されたので。
銀貨を腰の袋から取り出して、渡す。
「ちゃんとした身分証が出来たらここに来ると良いよ、仮の身分証を返却してくれたら銀貨もお返しするから」
「分かりました、また来ます」
「それじゃ、通って良いよ」
門を通ると、二人が待っていてくれたので三人で冒険者ギルドに向かう。
「そう言えば、二人もこの町は初めて来たの?」
「いや、俺達は2年程前にも来てるぜ。今回は王都にでも向かおうかと思ってな」
「その旅の最中なんだよ」
「まあ、急ぐ旅じゃ無いし。ゆっくり観光しながらって感じだけどね」
「なるほどです」
「おう、着いたぜ。ここがサンテの冒険者ギルドだ」
「へぇ~、思ってたより綺麗で大きいかも」
冒険者ギルドは3階建てで、横にもそれなりに大きいけど1階部分の奥行きが凄かった。
扉を開けて中に入ると左側にカウンターがあり、右側は酒場ぽい感じでカウンターの一番奥の横に2回に上がる階段があった。
その階段の横には奥に行く通路があり、通路の上には修練場と書かれた木の板が設置してある。
さらに通路の横には、大きな掲示板が4個設置してあり。おそらくあれが依頼書を貼る所なのだろう。
「ふわぁ・・・凄い・・・」
一人で感動している内に、アリーシャさんとカイムさんはカウンターの方に行ってしまったので、急いで追いかける事にする。
「ちょっと良いか」
カイムさんが受付に俺が森で見た大きい影について話していた。
「なるほど、情報ありがとうございます。至急調査したします」
受付さんはカイムさんに頭を下げ、カウンターの奥に居る上司ぽい人の所に行ってしまった。
「話は終わりました?」
「ええ、調査するから。魔物の正体が判明するまでは町に居て欲しいって」
「王都に向かう途中じゃ?、良いんですか?」
「ああ、構わねぇよ。急ぐ旅じゃ無いって言ったろ?」
「そうでしたね、じゃあ私の冒険者とうろ『待ちなさい!』く・・・え?」
アリーシャさんから待ったが掛かった、なぜだ!。
「マティちゃん、貴女自分の格好忘れてるでしょ?。先に服を買いに行かなきゃそれにお風呂も」
「いや、それは別に後で『駄目よ』も・・・あ『だ・め・よ』・・・はい・・・」
笑顔が怖かった、顔は笑ってるのに目が笑って無かった。
有無を言わせぬ迫力のある笑顔で迫られ、Yesかはい以外の選択肢は無かった。
「それじゃあカイムは宿の手配してきて、終わったら服屋で合流ね。マティちゃんは私と一緒に服買いに行くわよ」
凄い笑顔である、もうニッコニコである。
「あいよ・・・まあ、頑張れ」
「・・・はい、頑張ります」
カイムさんの応援が心に響いた。
「それじゃ、出発ね!」
腕を抱え込まれ、引きずられながら歩いて行く。
「あああの、アリーシャさん。む・・胸が腕に当たってます」
「良いじゃないこれ位、女同士なんだし。私ね妹が欲しかったのよねぇ」
そう言いながら笑顔で俺を引っ張って行く。
あーむにゅむにゅしてるー、たーすーけーてー。
16歳の元男には恥ずかしすぎるぅぅぅぅ。
顔を真っ赤にしながら服屋まで行くのは、公開処刑かと言いたくなるような恥ずかしさだった。
「さ、着いたわよ。お姉ちゃんが可愛いの選んであげるわ!」
「ふ、普通ので普通ので良いです!!!、それにお金あんまり無いです!」
「大丈夫、マティちゃんなら何着ても似合うから平気よ!。お金もお姉ちゃんが出してあげるから心配しなくて良いわ!!!」
違うんです似合わないの心配してる訳じゃ無いんです!、可愛いのとか着るのが耐えれる気がしないんです!。
後お金は働いて返します。
「こんなのとかどうかしら?」
渡されたのは、ワンピースタイプの服で色は薄い青で所々にフリルがついた物だった。
むりむりむりむり、難易度高い。吐血する!。
「いや、あの・・ほら防具とかつけるし戦闘に向いて無いんじゃないかなぁと」
「あー確かにそうねぇ、じゃあそれは普段着用として確保で先に依頼受けたりする時用の服選びましょうか」
え、確保なの諦めないの?時には諦めが肝心ですよ?。
いかん、完全に今の考えはブーメランだ。
「じゃあ上着はこれ系かな?」
「良いですね、これなら着れそうです」
普通の布のシャツだった、良かったこれなら着れる。
「じゃあ、これ系を5着ほどと。次はスカートね」
んんんん?、幻聴が聞こえた気がしたが・・・気のせいか。
「ほら、このスカートなんて良いと思わない」
気のせいじゃな無かった!?!?、しかもミニスカートだ死ねる。
「す、スカートでしゅか?」
噛んだ、死にたい。
「どうしたの?変な顔して?」
「ほら、あれですよ!。スカートだと戦闘中とか見えません?」
「ふっふっふー、大丈夫よ1年位前に王都でスパッツって言うのが開発されてね。ピチッとしたハーフパンツぽい感じのなんだけど」
「スカート穿いてね、その下に穿くやつなんだけど。それ穿けばパンツは見えないわ!!!」
「とても偉大な発明ね!」
おおおおぉぉぉぉぉいぃぃぃぃぃ、誰だよスパッツなんか開発したアホは!!!!。
何を考えてるの?スパッツとか考えてる暇あったら、一匹でも魔物とか倒してろよ!。
王都で冒険者として活動する際に偶然スパッツの開発者と知り合いになるのは、また別のお話。
カイムが宿の手配をし服屋で合流した時には、マティルダは遠い目をしており。
逆にアリーシャはツヤツヤしていたと言う。
「お疲れさん」
そう言って、マティルダの肩にポンと手を置くカイム。
その優しさに泣きそうになったが、止めて欲しかったので睨んでみる。
「そう睨むな、あの状態のアリーシャは俺には止められんぞ」
「ええ、分かってました。やつあたりです」
「そうか」
気が少し晴れた所にアリーシャさんが、お会計を済ませて服屋から出てきた。
「さて、服も買ったし次はお風呂ね!」
「あの、お風呂なんて在るんですか?」
「ああ、一般の家には無いな。普通に風呂があるのは貴族の家位だ」
「じゃあ、何処にお風呂が?」
「この街にはね、大浴場があってね。1週間に1回は皆お風呂に入るわ」
ちなみに、この世界の1年は地球と同じ365日の1日24時間である。世界が違うのに一緒なのは両世界とも創ったのが光ったお爺さんだったからかな?。
距離や重さの単位も同じである、おそらくこちらもさっきと同じ理由で一緒なのだろう。
「大浴場ですか?」
「そう、大浴場よ分かる?。凄く大きくてね女湯と男湯にわかれてるのよ」
「分かります・・・・あの、個人風呂的なものは・・・」
「無いわね」
「デスヨネー」
またも、腕を抱え込まれ連行されてしまう。
頭の中でドナドナが流れていたマティルダであった。
「着いたわよー、ここがサンテの町自慢の大浴場よ!」
「確かに大きいですね、じゃ私はこれで」
マティルダは逃げ出した!!!。
しかし、大魔王からは逃げられない!。
現実は非情である。
「さ、入るわよ」
「はい・・・」
中に入り、カイムは無情にもさっさと男湯に行ってしまった。
「マティちゃん、行くわよ」
女湯の扉の先は、やばかった。
まだ、脱衣所なのにやばかった。
「・・・・・・・・」
「ほら、その血で汚れた服はそこのゴミ箱に捨てちゃいなさい」
なるべく周りを見ない様にアリーシャさんの横に移動するも、自分の服を脱ぐのが躊躇われる。
「何固まってるの?、お姉ちゃんが脱がしてあげるわ!」
「へ?あっちょ、まってまって。ひゃあああ」
スポポーンと上着と布のズボンを脱がされ、ブラとショーツも瞬きする一瞬で脱がされる。
何という早業、もはや神業なのでは!?、とかアホな事を思ってる時に自分の肌が目に映った。
うわぁ、今まで長袖の上着と長ズボンだったから気がつかなかったけど、肌白!?。
え、何これシミ一つ無いんですけど!?。
「上着は捨てるしかないわね、ズボンも結構汚れてるし捨てちゃいましょうか」
自分の肌を見てフリーズしてる間に、無情にもゴミ箱にぽいされる布の服一式。
ああぁぁ、アリーシャさんがズボン買ってくれないから唯一のズボンだったのに・・・・。
「じゃあ、お風呂入りましょうか。体洗ってあげるわ」
なんか、アリーシャさんが言ってた気がするが。自分の体を見ない様にかつアリーシャさんの体も見ない様にと必死だったので、聞こえていなかった。
「ほら、そこに座って」
木の長椅子に座ると、顔だけが映る高さに鏡の様な物があった。
うわっ、何だこの美少女凄いな。
おー驚いた顔してるよ、少しつり目で気が強そうに見えるなぁ。
髪型はセンターパートの金髪ロングかぁ、可愛いなぁ誰だろ。
お・れ・だ・よ!!!!
初めて自分の顔見たけど、凄いなここまで可愛いとは思わなかった。
アリーシャさんは、黒髪セミロングの優しそうな美人だけど。
俺は、なんだろ可愛いと美人が絶妙に混ざった容姿と言うか何と言うか。
「ぼー、としないのお湯かけるわよ」
ザバァと頭からお湯をかけられる。
「わひぁ、ビックリしたぁ」
「はいはーい、背中から洗うわよ」
「え、自分で洗いますから良いですって!」
「駄目よ~私が隅々まで洗うのよ」
アリーシャさんがスポンジぽいのに石鹸をつけて、俺の体を洗いだした。
「あ・・・んぁ・・うぁ・・はぁ・・」
「なんて声出してるのよ・・・」
「こ、こしょばいんですよ。うひゃぁ」
もう、簡便してえええぇぇぇ!!!!!
こうしてお風呂の時間は過ぎて行く。
こう言う、精神が男の状態でのパプニング的な話は大好きです。
次は、いざ冒険者登録!って感じの話になります。
次回も宜しくお願い致します。