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異世界リプリースの大地にて  作者: 茶葉のの
第一章:サンテの町編
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13話(いざ王都に向かって逃走だ!)

これで第一章は終わりです。

朝目が覚めベットの中で昨日の事を思い出して悶絶する。


(あああぁぁ、昨日のは一体全体何だったんだぁぁぁぁ、あの質問は何?、何でキスした?、もう訳分からん!!!)


その後も暫くの間ベットの中で色々と考えていると、部屋に戻って来たアリーシャに声を掛けられた。


「あら、おそよう?マティちゃん」


「うへぇあ!、おひゃようございます!」


「ふふふ、もうお昼よ」


「え、私そんなに寝てたんですか?」


「そうね、昨日夕方の少し前に部屋に走りこんで来て、そのままベットで毛布被って何かブツブツ呟いてて話しかけても反応無いし、正直

不気味だったんだけど、夕飯の少し前に寝ちゃってねぇ」


「そ、そうですか。ご迷惑をお掛けしました」


ベットの上で土下座するマティルダ。


「良いのよ」


「と、そうだったわマティちゃんに人が訪ねて来てるわよ?」


「私にですか?」


(誰だろう、武具店のワンダさんかな?、でもこの宿に泊ってるって知らないはずだし・・・)


誰か分からず頭の中で考えていると予想外の名前が告げられる。


「えっとね、アルジェントって言う銀髪のカッコ良い子よ」


「ハァ!、お、追い返してください!、私は居ません!、私は貝になりたい!、そうだ私はまだ寝てます今日は起きない予定なんです!」


もはや意味が分からない事を口走るマティルダであった。


「焦りすぎよ、何があったか知らないけど」


「取り敢えず、今日は会わないのね?」


「はい、そうです!」


「分かったわ、後で何があったか教えてね」


「あーその、えーと」


「お・し・え・て・ね」


「はい・・」


やはりアリーシャの笑顔には勝てないのだ。


「それじゃ、帰って貰って来るわね。理由は適当に考えて話して来るわ」


「お願いします!」


アリーシャが部屋から出て行ったのでベットに突っ伏しアルジェントの事を考える。


(何しに来たんだろうか・・・と言うかどうやってこの宿を突き止めたんだ・・・す、ストーカーなのだろうか・・・)


(いやいやいや、そんな事する人じゃない・・・と思うけど、でも俺の事気になるとか言ってたしなぁ)


昨日の事があってアルジェントには悪感情が湧いてこない。

考えるも結局何をしに来たのか思い浮かばずアリーシャが帰って来るのを待つ事に。

暫くするとアリーシャとカイムが部屋に入って来た。


「あ、おかえりなさい」


「おう、やっと復活したか」


「アルジェントって子には帰って貰ったわよ、また三日後にでも来るって」


「え、また来るんですか?」


「ええ、そう言ってたわね」


「そうですか・・・」


(本当に何の用なんだ?)


アルジェントは昨日の最後に言おうとした事を話しに来ているのだが、キスされた少し後からパニック状態だったので何か言われた事すら


気が付いていない。


(よし、逃げよう!)


そう決心するマティルダであった。


「あの子と何があったか聞く前に、マティちゃん唇の所が少し切れて血が固まってるわよ」


言われて唇に手を持っていくと、下唇に少し切れた痕があった。


「本当だ何でだろ・・・・・キスされた時に噛んだかな」


ボソっと最後の言葉は呟いたつもりだったがしっかりと聞かれた様で、アリーシャが興奮しながら話しかけてきた。


「え!、なになに?、キスしたの!、あの子と!」


「それで、昨日はあんなに取り乱してたのねぇ」


「うぐ・・・そうです」


「いつの間に知り合ったの?、私とカイムと一緒じゃ無い時よね?」


「この前、一人で服を買いに行った時に町でぶつかって知り合いました」


「まさかマティちゃんが男の子とそんな関係になってるなんてねぇ」


「俺以外の男とあんまり話してる所を見た事無かったから、てっきり男嫌いなのかと思ってたぜ」


ニヨニヨと何とも言い辛い笑顔をするアリーシャと何故か安心したような顔のカイム。


「ち、違います!、別に付き合ってるとかじゃありません!。それと男の人は確かに少し苦手ですが男嫌いな訳じゃ無いんです、ただこの身


体になってから男の人の視線が嫌なだけです!」


「本当に付き合ってるとかじゃないんですよ!、昨日も急にキスされてもう何が何だか分からなくて・・・」


慌てた所為で若干言うと困る事を言っているが、本人は気が付いていないし。

アリーシャとカイムもいつか本人から話してくれると思い、そこにはつっこまない。


「あら、付き合って無いのね。なのにキスされたの?」


「はいです」


「家の子になんて事してくれるのかしら・・・」


ゴゴゴゴとアリーシャの背後に燃え盛る炎が見える気がする。


「落ち着けアリーシャ、何でそんな事になったんだ?」


「えっと、偶然再会しまして、その時にお昼に誘われて町の東側にあるオシャレなカフェで昼食を取る事になってそれから、色々質問され


て答えたくたい事だったので言えないって言って、お店を飛び出した所で腕を掴まれてキスされてパニックになってこの部屋まで全力で逃


げてきました」


昨日あった事を簡単に説明する。


「その答えたくない事って言うのは何を聞かれたんだ?」


「あ、その・・・」


言い淀んだマティルダを見て、アリーシャが言いたくないなら聞かないが、話してくれるなら嬉しいと告げる。

カイムには聞かないと言ってしまったが、何か秘密があるならやはり話して欲しいと言うのは偽らざる本音である。


「マティちゃん、聞かれたくない事なら私達は聞かないわ。ただいつか話してくれると嬉しいかな」


「アリーシャさん・・・」


この時マティルダは考えていた、聞いて欲しいでも話したら気持ち悪がられるかもしれない。

でも、二人には聞いて欲しい、この世界に来て初めて会った大切な仲間である二人に。

そう決心し二人に自分の秘密を打ち明ける事にした。


「あの、私の事を聞いてくれますか?」


「良いの?、私もカイムも話してくれるまで、いつまででも待つわよ?」


「はい、聞いてください、ただ・・・・ただ出来れば話した後も変わらずに仲間で居させて貰えると嬉しいです」


「何を言ってるのよ・・・・マティちゃんはずっとこれからも私達の仲間よ、そうよねカイム?」


「もちろんだ」


そう言った二人に、涙がこぼれそうになるのを堪え自分の事を話し始める。



自分が神様と言うお爺さんによって地球と言う異世界から来た事

この世界に来る事を了承したのは自分である事。

前の世界では男で、この世界に来て女になった事。

その際に、この身体の元の持ち主の知識を引き継いだが記憶は前の男のままである事。

前の世界では幼い頃に事故で下半身不随だった事。

人種が変な事、スキルが少し特殊なのがある事、お爺さんの神様の加護がある事。

その他、色々な事を二人に話した。



「なるほどねぇ、それでお風呂とかあんなに一緒に入るのとか困ってたのね、スカートやワンピースも着るの嫌がってたし」


「あれはその・・・色々と見ちゃってごめんなさい!、それに恥ずかしかったんです」


「良いわよそれ位、それに今はマティちゃんは女の子なんだから慣れていきなさい」


「なるほどな、それであの酔っぱらった時の事は分かったな」


「うえ?、あの時何か言ってましたか?」


「ああ、俺は前は男だったとか、女になったとか色々な」


「うわぁ、そんな事言ってたんだ」


「そうそう、それで思い出した。マティちゃんは俺って言うのは禁止ね」


「え、普段はちゃんと私って言ってますよ?」


「あれよ、心の中でも俺って使うの禁止ね?、じゃないと慌てた時とか咄嗟の時に言ってしまうわよ」


「うぐ、確かにそうなりそうです、頑張ります」


「と言うか、二人は今の話しを信じたんですか?」


「ええ、信じたわよ?」


「信じたぞ?」


「そんなに簡単に信じて良かったんですか?、それに私の事とか気持ち悪くないですか?」


「それ位簡単に信じる位にはマティちゃんの事は好きよ、それに気持ち悪くなんてないわよ。言ったでしょマティちゃんは私にとって妹み

たいなものだって」


「俺もそうだな、マティは可愛い妹みたいなもんだ。信じるなんて当たり前だ」


「ありがとうございます」


そのまま、二人に抱きついて泣きじゃくってしまう。

落ち着いた所でアルジェントの話になった。


「もしかしたら、アルジェントって子は前のマティちゃんの事を知ってるのかも?」


「いや、それなら直ぐに自分の事もマティの事も話さないか?」


「そう言われてみればそうねぇ・・・」


「理由が何にしろ、私はあまり会いたくないです。前の私の事なら何を聞かれても分かりませんし色々バレると面倒になりそうなので」


「そりゃそうか」


「確かにねぇ、どうしましょうか?」


さっき決意した事を話す。


「その事なんですが、次に来るのは三日後って言ってましたし、逃げて王都に向かいましょう!」


「そ、それで良いのかマティ・・・」


「根本的な解決にはならないわよ?」


「だって何か面倒事な気がしますし、嫌いな人って訳じゃ無いのですが正直に言うと顔を会わせるのが恥ずかしくて・・・」


そう言って赤面するマティルダ。


「ああもぉ、本当に可愛いわね家のマティちゃんは!」


ガバッとアリーシャに抱き締められる。

アリーシャとマティルダが、わーぎゃー言ってるのを眺めながらカイムは予定を立てる。


「んじゃ、今日は町にまだソイツが居るかもしれねぇからマティの装備は俺が取りに行くとして」


「旅の準備は終わってるし今日の内に馬車を借りて明日の朝早くに出発するか」


「二人ともそれで良いか?」


マティルダを抱き締めたままのアリーシャとアリーシャに抱き締められたマティルダが同時に返事をする。


「「ふぁーい」」


「んじゃ、そんな感じで行くか」


その後はカイムは装備の受け取りと馬車の手配、アリーシャとマティルダは部屋で雑談。

そして、次の日。


三人は馬車に乗り王都に出発した。











































三日後、三人が泊っていた宿にアルジェントの姿があった。


「はぁ!?、馬車に乗って二日前に何処かに行っただと!?」


宿のおっちゃんに話を聞き驚く。


「何処に行った・・・」


目を瞑りマティルダの魂を探す。


「この方向は王都に向かっているのか、お前は俺達の種族には必要な人間だ逃がさんぞ」


第一章サンテの町編 完

読んで頂いてありがとうございました。


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