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異世界リプリースの大地にて  作者: 茶葉のの
第一章:サンテの町編
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9話(強敵)

楽しんで頂けると嬉しいです。

今日はギルドからの指定依頼を受け森に行く日。

何時もより早めに起きて準備を終わらせる


「アリーシャさん、私は準備完了です」


「私も大丈夫よ、カイムと合流しましょうか」


宿の1階で合流し朝食の後にギルドに向かう。

ギルドの中に入ると既に待っていたアニムさんと合流して予定の確認を行う事になる。


「おはようございます、今日は宜しくお願い致します」


「おはようございます、アニムさん」


「おはよう、アニムちゃん」


「おはようさん」


挨拶を交わし、ギルドから依頼を受けたEランクの人とも合流。


「昨日もお話したと思いますが、彼が連絡員として随伴し何事かが起これば直ぐに彼には町に走ってもらう事になります」


「よろしく、僕はEランクのアビーだ」


「よろしくです、同じくEのマティルダです」


「よろしくねぇ、Cランクのアリーシャよ」


「よろしくな、Cランクのカイムだ。何かあったら町までの連絡を頼むぜ」


「はい、任せて下さい」


アビーさんとも挨拶を交わし、最終確認。


「森の異変の調査及び可能であれば原因の排除か究明、報酬は原因が判明し排除出来れば一人当たり金貨5枚、原因が分からなくても調査だけで一人当たり金貨1枚で良かったか?」


カイムさんの言葉にアニムさんが頷く。


「何があるか分かりません、少なくとも森に何かが起きているのは確実です。お気をつけて」


「おう、行ってくる」


「行ってくるわね」


「行ってきます、アニムさん無事を祈っててね」


「行って来ます」


四人でギルドから出て、俺が初めてこの世界に来た時に目覚めた森を目指す。


「さぁ~て、何が居るのやら。マティ確か大きさは5メートル程って言ってたな」


「そうですねぇ、それ位だったと思います」


「それだと、オークやオーガなどの上位種ですかね?」


どうなんだろう、あの時のバトルドッグは後ろの影に怯えてた感じがしなかった。


「ん~、あの時のバトルドッグは後ろの影に怯えてる様には見えなかったので、多分ですけど狼系の魔獣だと思います」


「狼系ですか・・・それで5メートルとなると僕には分かりませんね」


「カイムさんとアリーシャさんは何だと思います?」


「5メートル程ねぇ、その大きさだとビッグウルフとか?」


ビッグウルフはCランク依頼の出る狼魔獣だとアリーシャさんが教えてくれた。


「他には、俺も見た事は無いし考えたくは無いがフェンリルとかが当てはまるか?」


「仮にフェンリルだとするとかなりヤバイな、あれはBランク依頼の出る魔獣だ」


「もし、フェンリルだと確認出来た場合に逃げれる様なら直ぐ撤退だ。撤退が無理な場合はアビーだけでも逃がして援軍を呼んで来てもらうしか無いな」


「僕はそれがギルドからの依頼ですので、ただマティルダさんは逃げなくても良いのですか?」


「確かにそんな高ランク依頼の魔獣が出てきた場合は戦うのは難しいかもしれませんが、魔法での援護が出来るので時間稼ぎの役にはたちます」


「それにパーティーの二人を置いてなんて逃げれませんよ」


そう言うと、「なるほど」っと一応の納得はしてくれた様だ。


「そろそろ、草原だ。周りを警戒しながら行くぞ」


カイムさんの一言で、皆気を引き締め直す。

森に着く少し前に、カイムさんが全員に止まる様に指示をだした。


「ここからは見えないが・・・森に入った直ぐ辺りに魔物の気配がする、気配の大きさ的に考えてバトルドッグだと思うが。どうする?」


「とりあえず、警戒しながら森の傍まで行きましょう」


「そうだな、ここで悩んでても仕方ない。それにバトルドッグならザコだ」


改めて森の傍まで行くと、森からバトルドッグが一匹出てきたが。

俺達の前に姿を現すと、直ぐに森に引き返して走り去って行った。


「どう、思います?」


俺が三人に聞くと。


「バトルドッグが取る行動じゃないな」


「普通は人の姿を見たら襲って来るものよ」


「おかしいですか?、此方の人数を見て逃げただけでは?」


アビーさんはそう言うが、俺は変だと思う。


「バトルドッグはそこまで頭が良くない筈です」


「言われてみれば・・・確かにそうですね」


「間違い無く群れを率いる奴がいるな、多分誘いだろう」


「私達が追いかければ、群れで囲んでしまう感じかしらね」


「まあ、囲まれる心配は無いと思うがな。俺の気配探知もある事だし」


カイムさんの気配探知は半径80メートル程らしいので多分大丈夫だろう。

気配探知スキルにLvは無いが相性が在るらしく、探知できる距離は人によるそうだ。


皆で簡単な作戦を立て、森に入る事になった。

綿密に作戦を決めても相手が魔物じゃその通りに動いてくれる訳が無いので仕方ないね。


「まず、アビーは俺達から10メートル程離れて後ろを歩け」


「先頭は俺で次にマティでアリーシャに一番後ろにアビーだ」


「相手が何かを確認出来て、殺せそうなら戦闘で、無理そうなら全員で撤退。って感じか?」


「アビーは相手が確認出来次第急いで町に連絡に行け、その際にお前の判断で援軍を呼んでくれ」


「それで良いか?」


カイムさんが全員の顔を見渡し確認を取る。


「そうねぇ、それ位かしら今決めれるのは」


「場合によっては、私はアビーさんに町に行く前に魔法を使います」


「そうだな、命には代えられん」


アビーさんは意味が分かって無い様だが、あんまり身体強化魔法は教えたくない。


「よし、行くぞ」


森に入り少し進むとカイムさんが「また前方に隠れてやがる」と言う、その言葉通り前方にバトルドッグが見え直ぐ走り去って行った。


「確実に誘われてるわねぇ」


「あれですね、凄い進みたく無くなりますね」


「僕なら帰ってますね、依頼なので今回は帰れませんが」


「ですねー」


そんな軽口を言い合いながらも進んでいく。

進みながらもカイムさんは時々立ち止まり、進路を変える。


「何してるんですかカイムさん?」


「ん、ああぁ、ちょいちょい俺の探知に引っかかる奴が居てな、さっき話した通り俺達を包囲したいようだが・・・」


「そうさせない様に、時々進路を変えてるのさ」


一見脳筋ポイけどそうじゃない、頼れるカイムさんである。


「しかし、これじゃ埒があかんなぁ。幾ら進路変えるにしても少しずつ奥に誘われてるしな」


そう話ながら、暫く進むとカイムさんが立ち止り。


「探知に引っかからなくなったな・・・諦めたか?」


そう言った瞬間、遠くから遠吠えが森に響き渡った。


「グルルゥウオオオオォォォォォォン!!!!」


「ビッグウルフの声じゃ無いわね」


「おいおい、まさかだよな・・・・」


全員に緊張が走る。


「っ!!!、アビー!!!走る準備しろぉぉ、一匹がこっちにすげぇスピードで走ってきやがる!!!」


カイムさんが背中の中剣を抜き構える、俺もフラムベルク抜き前方を見る。


バキバキバキッ、木が倒れる音が遠くから聞こえて来た。

そして、そいつは現れた。

まだ、50メートルは離れて居るのに、ここからでも分かる白銀の毛並みに5メートル程の立派な体躯。


あのスピードじゃ逃げられないか、これがフェンリルなのか?。


「クソッ、マジでフェンリルか?」


「マティちゃん、分かるっ?」


言われて驚き過ぎて忘れていた鑑定を発動した。


名前:リトルフェンリル

種族:狼魔獣

レベル:42

備考:フェンリルの子供、まだ成長しきっていないのでリトルフェンリルと呼ばれる。

子供ではあるが、その強さはビッグウルフなど他の大型狼魔獣よりも格上。

5メートルを超えると大人になり、フェンリルと呼ばれる様になる。


あの大きさでまだ子供かよ!!!、5メートルはまだギリギリ超えて無いのか。


「名前はリトルフェンリルです子供らしいですよ!、大きさが5メートルを超えるとフェンリルと呼ばれる様になるそうです!!!」


「ハァ!?、あれで子供かよ?大きさ的にほぼフェンリルだろ!!」


「今はそんな事は良いわよ!、アビー走って!!!」


「はいっ!、直ぐに町に報告して援軍連れてきます!!!」


走り出そうとしているアビーに敏捷強化を使う。


「スピードブースト!」


「なんだこれ?、身体が青く光った?」


「今はそんな事良いから、走って!!!」


アビーが走り出した時には、リトルフェンリルはもう目前だった。

急いでカイムさんに筋力強化を使う。


「パワーブースト!」


カイムさんの身体が赤く光ると同時に、挑発を使い引きつける。


「この、クソでかぶつ野郎!!!」


「グルゥアァァ!」


リトルフェンリルの走るスピードを活かした突進を、剣の腹で強引に受け止める。

足が地面に軽く埋まる程の衝撃がカイムさんを襲う。


「ぐおぉ、クソこの野郎!!」


「ヤバイぞ、コソコソしてた犬っころも集まってきやがったっ!!!」


こうしてここに戦端が開かれた。

読んで頂いてありがとうございました。


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