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二回目

「美里様、また……」


「彩女がどうかしたの?」


(あ、あとにしゃべった人……扉の前にいた人だ。彩女……?)


黄色の着物を羽織った女性と、紫の着物を羽織った高貴そうな女性が話していた。


「彩女様が泣いておりまして」


「それはないはずよ。あの子には感情と、いうものがない」


美里様と呼ばれた女性は冷たく言い放った。


(彩女ってもしかしてあの子?)


「わかっております、対処の方ですが、どうなさいましょう?」


「彩女が泣く……不吉なことが起こる前兆かも知れないわ。屋敷のまわりの御兵を増やして」


「かしこまりました」


黄色の着物を羽織った女性は一方通行の廊下の紫の間しかない方に歩いて行った。


「今日は満月……嫌な日ね」


「美里様からのご命令です。兵士を増やすようにとのことです」


「あの、彩女様はどうなさいましょう?」


「そのことだけど、そのままにしておいて。意味はないはずよ……」


(彩女様って何者よ。あんなに小さいのに閉じ込められて……)


「……この目から流れ落ちるこれはなに?」


(あ……彩女……様? そこから逃げて。正常じゃないわそこは)


私は夢だとわかっていても訴えたかった。


「ううっ、頭が……何……?この……何? いたい?」


彩女様はうずくまってしまった。もしかして聞こえているの?


「にげる?」


「せいじょう?」


言葉を知らない外国人のように私の言葉をオウム返しで言っている。


「……!だ……。……ま……は?」


言葉が聞こえなくなった。




 目を開けると見慣れた天井で、夢を見ていて目が覚めたと気づくのが遅れた。それほどまでに夢に没頭していたのだ。これは……宇宙に話すべきだよね。驚愕の事実も分かっちゃったし。今は何時かな?


「だよね……はぁ」


 針は12と4を指していた。外を見るとまだ若干暗い。朝だよね。ずいぶん寝たけど、まだ早いよね。う、うーん。とりあえず電気つけて、読書をしよう。


 本を読み始めようとして、眼鏡をかけると机の上のケータイが震えた。

「誰? って宇宙!?」


 メールだったのだけれど内容は起きたのですか?ということだった。


「何で分かったの!?」


 私が驚きで声を上げるとドアがノックされた。もしかしてもしかしなくてもずっと待っていてくれたの? 宇宙……。

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