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E/O  作者: たま。
cβ・チュートリアル
3/94

第2話・リアルラックの誤った使い方

取り合えず、現段階で書きあがっている話に関しては今後0時丁度に投稿します。

ストックはあまりないので…まぁ5日分ぐらいでしょうか。

 如何にもというオープニングムービーが終えるとキャラ選択画面に切り替わった。

 E/Oだけではなく全VRゲーム共通で、IDとパスワードを打ち込む画面はなくサーバーも1つしかないのでサーバー選択画面もない。

 HMGは、所有者本人にしか起動できないので必要ないからだ。


 キャラ選択画面には、様々な種族のテンプレキャラが目の前に立っている。

 ちなみに、種族によるステータスの違いはほとんどなく完全に好みで選べる仕様になっている。

 キャラの個性は、スキル構成で決定し種族によって習得できるスキルが異なると言う事だ。

 無論、共通するスキルの方が多い。

 選択したいキャラの目の前に立つとその種族の特徴などが表示される仕組みになっている。


 例えばヒューマという種族は、何でも出来る標準的な種族と書いてある。

 使用できる魔法は、魔術と法術で血族スキルは成長+というのがある。

 これは取得できる熟練度(経験値)にボーナスがつくスキルだ。

 血族スキルってのは種族固有スキルの事でダークエルフやビーストなら夜目(真)ってのがある。

 ノーマルスキルにも同じ効果のあるスキルがあるが、こちらはレベルアップの概念がなく、しかも昼のように鮮明に見る事が出来る。

 あーこれ、公式の情報だからな。

 E/O特有のシステムは、ちゃんと公式で発表されている。

 最後に寿命だが、これは短命と書かれている。

 E/Oには世代交代または時代移行ってのがある。

 UO2からプレイしている者にとっては御馴染みのシステムで、メインストーリーのクエストをクリアする事により時代が移行する。

 移行すると自キャラの子供キャラでプレイする事になる。

 で、世代交代と大きく関わっているシステムが結婚システムだ。

 子供キャラを作るには、自キャラと異性の他人のキャラが結婚しなくてはならない。

 基本的に結婚相手はプレイヤーキャラが望ましいがノンプレイヤーキャラとの結婚も当然出来るようになっている。

 まぁ、要するに短命と書かれた種族は、1回の時代移行で子供キャラに移行しますよっていう意味だ。


「ハーフ種族」


 俺は、タグを切り替えハーフ種族の種族選択画面へと移る。

 ハーフ種族ってのは、簡単に言えばハーフエルフのような2種類の種族を組み合わせた種族だ。

 UO2では、ハーフ種族というカテゴリーがなかった為ハーフエルフも他の種族を同じ扱いだった。

 しかし、E/Oではハーフ種族から”ヒューマ”と”エルフ”を組み合わせて出来上がる種族に変更されている。

 公式に、2種族との組み合わせ例として載っており、他の組み合わせがある事を匂わせている。

 そこを目敏く見ている俺の様な人間もいる訳で、ハーフ種族を選ぶプレイヤーも結構いると予測している。


 そして、俺はシルエットだけしかないキャラの前に立つ。

 これがランダム選択ってやつで、このキャラを選ぶとノーマル種族にプラスしてレア種族も中から選択出来るようになる。

 まぁ、レア種族が選択される可能性は極めて低い訳だが…。


 俺が狙っているのはレア種族の1つである”古代エルフ”だ。

 精霊魔法と神術が使える上に白兵戦スキルも充実している。

 いわゆるヒューマと同じ万能種族で弱点らしい弱点がない上に上位互換種族みたいな位置づけだ。

 まぁ、これだけならランダム選択だけにすれば良いのだけど、『百ちゃんねる』の書き込みであったシークレット種族に興味を惹かれた訳だ。

 とはいえ、一部を除きシークレット種族を選択出来る可能性は限りなく0%に近いけどな。

 ちなみに、UO2にも”古代エルフ”はあったがNPC専用種族であった。

 というか、そのレア種族にカテゴライズされているのはUO2でいうNPC専用種族のようだった。

 Cβは、元UO2プレイヤーがほとんどなのでランダム選択をするプレイヤーは多いと思う。


 んでは、1つ目の種族を選択っと…。

『ランダム選択はやり直しが利きません。このまま続けますか?』という忠告文が出る。

 続けるに決まっている。

 俺は躊躇なくYESを選択すると、高速でキャラのシルエットが切り替わっていく。

 こう見ると種族毎の体格差がよく分る。

 一番大きいシルエットが”アースガント”と呼ばれる種族でいわゆる巨人族だ。

 これもUO2時代からあった種族で、プレイヤーが選択出来る種族で一番物理攻撃力が高く低位の法術まで使えた。

 何と言っても標準種族のヒューマよりも2.5倍ほど体格が大きいのだから、当たり前の事である。

 一番小さな種族が”ハーフリング”だ。

 大人でも”アースガント”の膝下ぐらいの身長しかない。

 ヒューマ♂でいうと胸下ぐらいの位置に頭のてっ辺がある。

 UO2プレイヤーの間では、合法ロリショタ種族なんて呼ばれ方をされていた。


 しばらくすると、シルエットの切り替わりがスローダウンしていきストップする。

”古代エルフ”ではないが、レア種族来たかも知れない。

 天使の翼のようなものが生えている種族だ。

 恐らくだけど”セレスティア”と呼ばれる種族だろう。

 UO2では、NPC専用もしくはGM専用として設定されていた種族だ。

 シルエットから実体に切り替わると非常に美しい”セレスティア”の♀キャラが目の前に立っていた。


…………性別が♀なのはキャラ選択画面だからだよな?な?


 初代キャラで♀はやめてくれ。

 世代交代した際は何れ♀キャラでプレイしなくてはならないのは分っている。

 が、まだ心の準備が出来ていない。


 E/Oの規約には、ロールプレイ必須と書かれている。

 恐ろしい事にリアルの事をE/Oに持ち込めばBANするかも知れないぞって規約に書かれているのだ。

 まぁ、ただの脅し文句だろうが規約に書かれている以上これでBANされても文句は言えないという事だな。

 UO2では、ロールプレイがプレイヤー間の暗黙の了解であったのに対し、E/Oでは暗黙ではなくなった訳だ。

 あくまでもプレイヤーは、E/Oという世界の住人でリアルも中の人もいないという事を言いたいのだろう。

 中身が男だろうとキャラが女なら、そう演じて生かなければならない訳だ。


 何でこういうような規約が出来たのかは、犯罪に利用されるケースが少なからずあるという事と3DMMOが主流の時に問題となったRMT対策だと思う。


 それはさて置き、3DMMOが主流だった時代は、チャットでの会話だったので演じるのは苦ではなかったがVRMMOになってからは自分で喋る事になるのだ。


 さ、さぁ…もう1つの種族を選択しよう。

 こちらの種族が♂だったなら、まだ望みはある。

 さっきと同じようにシルエットが次々に切り替わりスローダウンして種族が決定する。

 信じ難い事だが、これまた来たかもしれない…。

 まぁ、望んでいた”古代エルフ”ではないが、このシルエットを見る限り”ドラゴニア”か”グレゴリ”だ。

 いや、体格的に”グレゴリ”だろうか…。

”ドラゴニア”は、”アースガント”に次いで体格が大きい種族だったと記憶している。

 シルエットからキャラに切り替わると、やはり”グレゴリ”だった。

 信じられない…レア種族2種が来ちゃったよ。

 俺、リアルラックここで使い果たしたかもしれない。

 ああ、ちなみに性別は♀でした。

 はい、男キャラの望みはなくなりました。

 ちなみに、”グレゴリ”とは魔人ってやつだ。


 天使な”セレスティア”と魔人な”グレゴリ”のハーフってどうなるんだ?

 っと思っていると、2つの種族がミキサーに入れた感じに高速で回転、次第に重なっていき1つの種族が出来上がる。

 これが、ハーフ種族ってやつだな。

 見た目は……あれ?ヒューマにそっくりじゃね?

 2つ種族の特徴であった翼が消えている。


「どういう事だ?」


 キャラの前に立つとその理由が分った。

 血族スキルに”義体”と”覚醒”って書いてあったのだ。

 しかも、キャラの後ろに薄っすらと本来の姿が見えている。

 UO2時代、”セレスティア”アバターのGMが下界調査という名目で他種族にアバターを切り替えて見回りをしていた事がある。

 義体ってのは、多分その名残なのだろう。

 確か、その時だけGMをPK出来るという噂が立っていたな。

 とはいえ、誰もGMかどうかの判断が出来なかった訳だが…。

 覚醒ってのは、これも元GM種族の名残だろう。

 簡単にいえば、能力の大幅な上昇だと思う。

 流石にGMみたいに無敵にはしないだろうけど…。

 そして、一番目を引くのが短命という表記だろう。

 セレスティアもグレゴリも長寿種族の筈なのだが、この種族は短命と書かれている。


 と言うか、種族名に”ネフィリム”と書かれている。

 UO2時代にこんな名前の種族は、PCにもNPCにもそしてGMにもなかったと記憶しているが…。

 もしかして、シークレット種族ってやつだろうか?

 ああ、僅かとはいえ残っていたであろう俺のリアルラックよ…。

 さようなら…。

 俺はまだ26歳……残りの人生順調に行けば50年以上…ここでリアルラックが尽きるとは思いもしなかったよ。

 しかも、ゲームで…。


「容姿手動選択」


 取り合えず、弄れる範囲でキャラの容姿を変更しよう。

 掲示板で書かれていたような事にはなりたくないからな。

 一番上の項目は、義体選択…らしい。

 なんだ…義体の姿は仮だったのか…。

 んじゃ、当初の予定通り”古代エルフ”…がないから無難に”ヒューマ”か”ハーフリング”だな。


 髪型は…ショートカットで良いだろう。

 ちなみに髪型の変更はゲーム内でも出来る筈だ。

 UO2がそうだったからな。

 髪の色は、薄い赤を選択…。

 というか、VRだし髪が伸びたりするかも知れない。

 楽しみだ。


 顔の輪郭などはほとんど変えられない。

 名前と同じで世界観保護の為だろう。

 瞳の色は、黒で良いかな。


 体格の変更だが、あまり出来ないようだ。

 性別と同じでランダムで年齢が決定しているらしく、俺の場合は16歳となっている。

 16歳相当の体格にしか出来ないという事だろう。

 変えられるのは、胸の大きさぐらいだな。

 ま、普乳で良いだろう。

 大きくもなく小さくもなく…これが一番良い。

 見るのも触るのも…。

 やはり、義体だからだろうか思ったより変えられなかった。


 生産をするつもりはないから、”ヒューマ”で良いかな。

”ハーフリング”は手先が器用という設定から生産と盗賊に向いている種族だ。


「決定」


 容姿確認画面が出る。

 公式で見たスクリーンショットと違い、左右に義体と本来の姿が並んでいる。

 左の義体は先ほどの容姿変更で作ったキャラだが、右は黒髪赤目黒い天使の翼を持った少女が立っている。

 本来の姿は容姿の変更が出来ないという事か…。

 ま、髪の色と目の色以外は、義体の姿とほぼ変わらないけどな。


 次は名前の入力だ。


「アキラ=ツキモリ、決定」


 決定をしてから10秒ほど時間が経っているがなかなか先に進まない。

 恐らくは禁止ワードに入っていないか世界観に合っていないワードかを照会中なのだと思う。

 3DMMOが全盛期だった頃、UO2以外のMMOでよく見られた記号を組み合わしたり囲んだりする事は出来ない。

 また、英字での入力も不可能というか、E/Oのシステムで音声だけでなく文字も超翻訳をしてくれるようで、カタカナで入力しても他の言語圏の人からは、ちゃんとその国の文字で表示される。

 ああそうそう、英字の入力はミドルネームのみ一文字だけ入力が可能だ。


 しばらくすると、画面が切り替わり生立ちの選択ウィンドウが表示される。

 掲示板通りならこれで初期スキルや初期街が変わるらしい。

 全部でキーワードは8つだったな。

 初期段階で表示でれているキーワードはこんな感じだ。


・グレゴリになり損ねたセレスティア

・墜ちた翼

・自由の代償

・天涯孤独

・無一文

・囚われの身

・記憶喪失

・弱肉強食


 うん、嫌な予感しかしない。

 早速、変更しよう。

 確かに、生立ちを適当に選んではいけないのがよく分る。

…ん?……変更出来ない……?

 いや、変更できる素振りは見せてくれるが、選択出来るキーワードがデフォの項目しかない。

 何が何でも変更したい…けど無理だった。


「決定」


 非常に不本意であるが諦めよう。

 目の前にいたキャラは消え…いや、正確には目の前のキャラの視点に切り替わる。

 そして、目の前のウィンドウにキャラクター生成中と表示される。

 恐らく、表示されていたキャラに生立ちの要素を取り入れているのだろう。

 しばらくして、目の前が暗転し床が抜け落下するような浮遊感と共に意識が一瞬途切れた。

なぜ、レア種族はランダム選択なのか…というと、設定には希少種族なんて書いてあるのに何で何人何十人もいるんですか?っていう現象をなくす為です。

無論、旧作にあったように継続課金報奨としてレア種族との結婚クエストも存在します。が今回は世代交代の要素は出て来ません。

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