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E/O  作者: たま。
cβ・チュートリアル
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第0話・1stプロローグ

08/15……改稿終了

『Ultimate Online 2(アルティメットオンライン2)』通称UO2…

 EastAbyss社の子会社であるOasisSpace社が開発した世界初のMMO『Ultimate Online』を再構築し3DMMOにリメイクしたMMO界最高傑作。

 やりこみ要素が無限大で出来ない事はないのではと言われるほどの自由度を売りにし、多くのプレイヤーを虜にした剣と魔法のファンタジー作品である。


 多くの生産職が花形を飾り、武器や防具の欲しい戦闘職と生産職との間での交流も盛んに行われ一大コミュニティを築いていた。

 一時期はMMO人口の8割はUO2をプレイしていた程の人気を博していたが、二十一世紀半ばVRゲームが登場し衰退の一歩を踏み出す。


 UO2以外のMMOは、全てVR対戦ゲームに移行しそれがオンラインゲーム業界の流れとなる。

 あらゆる改善策を模索したが、結果は実らずUO2のサービスは終了する事になった。


 OS社はサービス終了の責任を押し付けられ、子会社関係もEAから強制的に打ち切られ資金調達も間々ならなくなり業績不振でゲーム業界から姿を消す。


――それから10年あまり後、人々の記憶からOS社の名前が消え、VR対戦ゲームがオンラインゲームの主流となった頃、コストパフォーマンスと技術的の問題によりVRゲームで唯一誰も手を出さなかったMMO業界に突如としてVRMMOが発表される。



 その名は『Evolution Online』エヴォリューションオンライン。

 通称、『E/O』イオ。


 そして、開発はあのUOで有名になり十年もの間息を潜めていたOasisSpace社だ。

 不可能とされていたにも関わらず全て覆す形でのE/Oの発表は業界関係者やユーザーを驚かせた。

 一番の問題点であったリアル感は、高性能のAIにて解消された。

 OS社は、アメリカ空軍で開発され非人道的という事で中止を余儀なくされた無人機用のAIを独自のネットワークを利用して密かに入手し、VRMMOの基礎構築に使用しその技術を転用して非常に優秀なAIを持つNPCを実現させた。

 それだけではなく、UO2を踏破しつつ現実と遜色ない非現実を作り出す事に成功させた。


 謳い文句は『UO2の正当進化系VRMMORPG、非現実という名の現実を体感せよ!』


 この謳い文句に釣られたのは元UO2プレイヤーだ。

 あのUO2をVRで体験できるとオンラインゲームから引退していた者も興味を示した。

 全世界のゲーム情報サイトが大きく取り上げた為、HMGヘッドマウントギアが必須条件にも関わらず、cβのテストプレイヤー募集には凄まじい反響がありOS社はテスターの人数を絞る為に元UO2のプレイヤーである事を応募条件にした。


 E/Oは、従来型のVRシステムを利用せず当時まだ一般に普及していなかったHMGを利用しVR空間にダイブする方式を取る。

 まだ、一部の企業・医療機関・学校法人しか利用していないが、HMGとはネット上にVR空間を構築し意識をダイブするというまだ実検段階の医療機器だ。

 元々は、寝たきり患者や障害者の為の心療・医療用の機器であった。

 次第にその技術が他の分野にも普及し出し、現在は企業が会議に利用したり通信大学が講義に利用するようになった。

 しかし、一般家庭には普及していない。

 原因は非常に高価な機器だからだった。

 最低機能のHMGでさえ二十万、高額な物で八十万と一般人が遊び目的で買うには高額過ぎる金額だ。


――雨月亮あまつきあきら、二十八歳、UO2を五年ほどプレイしマジックアイテムが実装されてから辞めた廃神プレイヤーの一人である。

 UO2を辞めてからはゲームに一切手を出さず真面目に勉強に励んだ為、有名大学に合格大手一流企業に就職していた。


 そんな彼がコンビニで立ち読みしていた時に、『E/O』の情報が目に飛び込んで来た。

 あのOS社が作ったVRMMO、UO2の正当進化系…最近はめっきりゲームに興味を示さなかった彼もこれに関しては別だった。


 残念な事にUO2を引退してから無趣味で通していた亮はお金に困っていなかった。

 それでもHMGを新品で買う勇気はなく中古で十五万円のHMGを購入した。

 そして、意気揚々とcβテスト開始日を待っていた。


―――E/Oが彼の人生に大きな影響を与える事も知らずに…

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