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【完結】おじさんガチ恋物語〜私の初恋は会社の上司。この恋、社会的にアウトですか?〜  作者: 音無響一


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第50話 ずっと二人で

今日は久しぶりの出社日だ。


夢花と恋人になれてから三日目になる。


変わったことと言えば夢花との距離感だろう。


夢花と一緒に通勤する。


これが約束事だ。


朝から俺は夢花のマンションへと向かう。


マンションまではあと50m、すでに夢花は待っていた。


俺の姿を見つけ、手を振る夢花。


ここからでも笑顔になっているのがわかる。


幸福感が俺を満たす。


朝から夢花に会える、夢花の笑顔を見られる。


幸せだな。






約束の時間よりも10分早く外で待っていた。


大地さんは予定時間より早く来るって知ってるから。


一分でも早く会いたいもん。


遠くにスーツ姿の人が見える。


近づく度に大地さんだと確信に変わる。


大地さんに告白されて、お母さんに報告して、今日が恋人になって3日目。


私が大地さんを好きになってからは何日目なんだろう。


初めて会ったのが入社式の日。


朝のカフェであなたを見つけたの。


思えばあの時から大地さんに惹かれていたんだと思う。


あの日から私の世界は変わった。


社会人になって、初めて男性を好きになって。


色んなことが今日までにあって。


嬉しくて悲しくて切なくて。


時には嫉妬して。


全てが愛おしい思い出。


今目の前にいるあなたのことを、私も愛してます。



「おはようございます大地さんっ」



あなたが好きと言ってくれた笑顔であなたを迎えます。







「おはよう夢花、少し早いが向かうか」



朝から満面の笑顔で俺を出迎えてくれた夢花。


抱きしめたい衝動に駆られてしまう。


それをグッと抑え、俺は夢花の手を握った。


もう隠す必要はない。


周りになんと思われてもいい。


俺は夢花を愛している。


年の差なんて気にしてたら何もできない。


夢花とこうしていたいんだ。







大地さんにそのまま抱きついてしまいそうだった。


そのくらい胸が一杯で幸せだった。


犬だったら尻尾が高速でフリフリしているくらい喜んでいるんだと自分でもわかってしまう。


不意に手を握られる。


朝から触れられたところが熱を持ったかのように熱い。


そこから伝わる大地さんの温もり。


会えるだけで幸せなのに、温もりまで感じられる。


このままずっと二人でいたい、そう思っちゃう。







夢花と他愛ない話をしながら会社へと向かう。


電車内での距離も前とは違う。


くっつきそうなくらいの距離感だ。


揺れるたびに夢花を支える。


その度に恥ずかしそうにはにかんでいる。



「大地さんといると、電車でも安心ですねっ」



そんなことを言われたら守ってあげたくなる。


この子は天然のおじさんキラーか?







「大地さん、時間もあるしコーヒー飲んでから行きませんか?」


「そうだな。胃の調子をいいし、もうコーヒーを飲んでも問題ないかもな」



駅に着いて、大地さんに初めて出会ったカフェに誘ってみる。


あの時と違うのは私達の席の座り方。


外の見えるカウンターに座る。


あの日は席を一つ空けて座ってた。


今は隣同士。


私のお気に入りの席とか関係ない。


あなたの隣が私のお気に入りの特等席です。







二人でホットコーヒーを注文する。


夏場なのにホットコーヒーを選択するなんて馬鹿げていそうだが、夏に飲むホットコーヒーも美味しいんだ。


カウンターに座りコーヒーを啜る。


ふぅ、美味しいな。



「ん?どうした?」



夢花の視線に気付いた。



「い、いえ、なんでもないんです」



何やら既視感が⋯⋯⋯







カフェで大地さんのこの姿を見るのは入社式以来だけど、やっぱりカッコいい。


思わず見惚れてしまっているのを大地さんに悟られてしまった。


恥ずかしい⋯⋯⋯


ちびちびと私もコーヒーを飲んで誤魔化す。


大地さんもコーヒーを飲んでいる。


二人で並んでコーヒーを飲んでいる。


朝からずっと幸せです。






コーヒーを飲んだあとは出社するだけだ。


さすがに会社のある街で手を繋ぐのはだめだろう。


並んで歩いて会社へと向かう。


社長にまずは挨拶に行かないとな。



「久しぶりの出社ですね!」


「そうだな、少し緊張しているよ」


「大地さんなら大丈夫ですよ!いつもみたいにバシッと決めちゃってください!」



いつものようにバシッと?


そんなことしてたか?


よくわからないが、夢花には普段の俺はそんな風に映っていたのだろうか。






「それじゃあ俺は社長のところに向かうよ。夢花は今日も頑張るんだぞ」



大地さんと別れて私は営業課へと向かった。


とっても気分が晴れやかだった。


毎日ずっとこんな感じになるのかな。


日曜日にお母さんに報告してからずっとそう。


目に映る全てのものが色鮮やかに見える。


恋するってこういうことなの?


最初はよくわからない感情に悩んでたけど、今は全然違う。


大地さんを好きになって良かった。


大地さんと恋人になれて良かった。


ありがとう大地さん。







「やっと帰ってきたな川崎くん!」



社長室に向かうと豪快に笑いながら俺を出迎えてくれた。



「この度はご迷惑をおかけしました」


「もう大丈夫なのか?」


「はい、お陰様で今はもう全快しています」


「ははは、それなら良かった!今日からま頼んだぞ!」


「もちろんです。こんなにお休みを頂きましたから頑張らせていただきます」


「いやまて!また過労で倒れられては困る!営業課はまだまだ川崎くんが必要だからな」



そんな風に思っていてくれたんだな。


ありがたいことだ。


粉骨砕身頑張りますと言いたいところだが、過労と思われてるからなぁ。



「二度と胃に穴が空かない程度に頑張らせていただきます」


「ははは、そうしてくれ!」



少し社長と雑談をしてから、社長室を後にした。


さてと、久しぶりに営業課に顔を出すか。






自分のデスクに座って書類を広げている。


今日の仕事の確認しないとね。


PCに電源を入れてメールの確認。



「独り立ちには少し早いけど、夢花なら大丈夫よ」



なんてアリサさんには言われてるけど、正直まだ不安はある。


恋人になれたんだし、仕事の相談も大地さんにしていいよね?


あ、大地さんが戻ってきた。







「みなさんおはよございます。今日からまたよろしくお願いします」



就業前に集まっている社員に挨拶をする。


みんなわらわらと集まってきて心配の言葉をかけてくれる。


見舞いに来ていた夢花やアリサ、玉木さんか多少は話を聞いていたんだろう。


ふぅ、相変わらずみんな元気だ。


またみんなと頑張らないとな。


俺はみんなを前にし、帰ってきた実感を噛み締めていた。



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