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【完結】おじさんガチ恋物語〜私の初恋は会社の上司。この恋、社会的にアウトですか?〜  作者: 音無響一


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第35話 無自覚たらし?

入院生活も慣れたものだった。


金曜日に医師に告げられた。


土日に様子を見て、月曜日か火曜日に退院だと。


土曜日から普通食になるそうだ。


月曜日に倒れてから、入院1週間か。


土日は大きな検査はない。


朝から咲ちゃんと折り紙をする約束だ。


面会は午後2時からだ。


咲ちゃんはご両親が昼から来てくれるようなので、午前中に俺と遊びたいらしい。


遊ぶと言ってもお話をしながら折り紙だけどな。


だがとても素敵な時間なんだ。


咲ちゃんの笑顔に癒される。


子供っていいなぁ。


可愛いんだ。


やはり俺も若いうちに結婚しておくべきだったな。


昼食の時間になったので咲ちゃんと別れ、部屋に戻る。


しばらくすると食事が運ばれてきた。


何人の看護師さんを見たか覚えていないが、やはり全員美人だった。


本当にこの病院はなんなんだろうな。


⋯⋯⋯はっ、これが俗に言う、マスクマジックか!


やるな、マスクマジック。






土曜日の面会時間は2時から。


連絡は取り合っていないけど、アリサさんにも玉木さんにも面会時間を聞かれた。


午後2時から9時まで。


私は9時までずっといるつもりだ。


土曜日から普通食とは言っていたけど、私の手料理を持っていくのはまずいもんね。


焦らなくていいもん。


退院したら毎日押しかけるって決めたから。


泊まりに行くわけじゃないし、持っていくものなんて特にないよね。


夕飯も院内にある売店で済ましちゃえばいいし。


忘れ物はないよね。


一分一秒でも長く居たいから、少し早いけど行っちゃお。






普通食とは言え病院食だ。


普段あまり自炊をしない俺だが、俺好みではないからだろう、それでも俺の作る食事の方が美味しく感じる。


だがここまで回復したのは医療と食事の力だろう。


有難く頂かなければな。


ふぅ、美味しい、美味しいんだ。


流動食と比べてみろ、なんて美味しいんだ。


胃のためにもゆっくりと食べなきゃいけないのが更に苦行に思えてくる。


はぁ、夢花のご飯を食べたいなぁ。







早く着いちゃった。


張り切りすぎだよね。


面会時間と同時に入るくらいの気持ちで来たんだもん、これでいいの。


病院の入口前で呼吸を整える。


午後2時時から午後9時までの7時間。


7時間も大地さんと一緒にいれる。


だめ、この前からずっとしてる妄想を思い出したらダメだよ。


一気に顔が赤くなる。


せっかく呼吸を整えたのに意味が無い。


大地さんを押し倒して抱きしめられて、頭と背中撫でられて⋯⋯⋯


あーーー、もうダメ、恥ずかしすぎ!


帰ったら帰ったで大地さんと結婚する妄想してるし、もうダメ。


恥ずか死んじゃう。


ふぅふぅ、なんとか気を取り直し呼吸を再度整える。


面会時間になるまであと10分。


受け付けの前にあるソファに腰掛けて待っている。


早く時間にならないかな。


あ、そうだ、身だしなみ!


お手洗いの洗面所で確認してこないと。


大地さんの為におめかしした。


大地さんに少しでも可愛いと思って貰いたくてメイクも少し変えてみた。


鏡の前で最終チェック。


変なとこ⋯⋯⋯⋯ないよね?


気づいてくれるかな。


髪の毛も巻いてみたんですよ?


ちょっと頑張ってスカートも短くしちゃいました。


もう高校生じゃないから変だと思われないかな。


うーー、ドキドキしちゃう。


早く時間に⋯ってもうあと2分!


受け付けに行かないと!







そろそろ2時か。


夢花が2時ピッタリに来るとのメッセージが昨日の夜には来ていた。


ピッタリになんて来ないだろ。


自分のペース出来てくれればいいんだ⋯⋯



「大地さんただいまです!」



おお、来たな⋯本当にピッタリだ。



「おかえり夢花、時間ピッタリで驚いたよ」


「約束しましたから!」



満面な笑みを見せる夢花。


その顔が、姿が眩しかった。







「お昼ご飯はちゃんと食べれましたか?」


「ああ、もちろん全部食べたよ」


「頑張りましたねっ」



今から9時間、大地さんとの時間が始まったんだ。


嬉しい。


でも、やっぱり私が頑張ったの、気づいてくれないのかな。


大地さんが用意してくれた椅子へと座った。







今日の夢花はいつもより可愛いな。


髪の毛を巻いているからか?


それとも服装のせいか?


メイクも少しいつもと違うような。


頑張ってくれたんだろうな。


それが微笑ましい、嬉しくもなる。


ちゃんと褒めてあげないとだろう。


入ってきて何も言わなかったせいで少ししょげているような気もするしな。







「今日はいつもよりおめかししてくれたんだな。可愛いよ夢花」



え?え、え?ほんと?



「大地、さん?な、なんて?」



ちゃんと聞きたい、不意打ちすぎます。



「その髪型も、服も可愛いな。とっても似合ってるよ」



嬉しい、嬉しい嬉しい嬉しい~~~!


大地さんの為に頑張ったんだもん。


気づいてくれてありがとうございます。


でもメイクは気付いてくれないですよね。


男の人には分かりづらいのかな。







「それに⋯⋯⋯⋯」


「それに?」



メイクのことも言うべきだろうか。


そんなことまで言ったら気持ち悪いとか思われないだろうか。


しかしなぁ、ここまできたら言うべきなのか。


どうしようか。






「それに⋯⋯メイクもいつもと雰囲気が違うな。大人っぽく見えて綺麗だよ」



心臓が止まったかと思った。


全部気付いてくれてた。


ちゃんと私の事見ててくれているんだ。


全部の変化に気付いてくれた。


それに大人っぽいって、綺麗って⋯⋯⋯


わあああああ、もうダメ、死んじゃう。







顔を真っ赤にして止まったと思ったら、両手で顔を隠し、身体を丸めて下を向いてしまう。


やっぱり言わない方が良かっただろうか。



「ゆ、夢花?大丈夫か?」


「はいっ、恥ずかしかっただけで大丈夫です!嬉しいです、大地さんありがとうございます!」



おお、そうか、嬉しかったなら良かった。







「土日は検査とかはないんですか?」


「ああ、もうないぞ。何も無かったら退院出来るらしいからな。今は様子見ってところらしい」


「それは良かったです!」


「日曜日もこのままだろうからな。あと1日は退屈な時間を過ごさないとだ」


「明日もまたピッタリに来ますね!」


「そんな無理しないでくれよ?夢花だって疲れてしまうからな」


「私はいいんです、いつも元気です!」



無理なんてしてないもん。


大地さんと一緒にいられるなら疲れないもん。


明日も絶対ピッタリに来ちゃうんだから!







「どうぞ」



夢花と1時間くらい話した頃だろうか。


病室の扉がノックされた。


俺が入室を許可する返事をすると、扉がゆっくりと開く。



「失礼します」



声と共に入ってきたのはアリサだった。



「あら、夢花も来てたの」


「こんにちはアリサさん」


「来てくれたのか、ありがとう」


「平日は来れなくてすいませんでした」


「そんなの気にしないでくれ。アリサには迷惑かけてるな。俺の仕事の肩代わりまでしてくれるそうじゃないか」


「私に出来ることはそのくらいしかございませんので」



本当にアリサには感謝だ。






2人っきりの時間が終わっちゃったな。


アリサさんはいつまでいるんだろ。



「2人はいつの間にか仲良くなったのか?」


「仲良く⋯とはなんでしょうか」


「前から仲良しですよ?」


「2人とも名前で呼びあってたからな。いつの間に親睦を深めたのか気になったのさ」



あ、そういうことだったんですね。



「それは、女同士なんで色々あるんです。ね、夢花」


「は、はい、そうですねアリサさん!」



多分アレのことなんだろうけど、色々あるんです。


大地さんには秘密のこともあるんです。







色々か。


仲がいいなら良かった。


1時間ほど経っただろうか。


3人で話しているとあっという間だな。



「それじゃあ私はそろそろ帰ります」



アリサが席を立った。



「ありがとな今日は来てくれて」


「大地さんが若いナースに鼻の下を伸ばしてないのを確認できたんで良かったです」



まだその話をするのか⋯⋯⋯



「そんなことするわけないだろう」


「いいえ、してました。大地さんは無自覚で女性に手を出すんですら気をつけてください」



何たる言い草なんだろうか。


誰だそのモテモテ主人公は。


俺にそんな特技があるわけないだろう。


何故か夢花をうんうんと頷いているのが気になるな。


無自覚で手を出すってどういうことなんだ。



「はぁ、やっぱり無自覚じゃないですか」


「大地さんは気をつけた方がいいと思います」



なんてこった。


俺は俗に言う鈍感系無自覚野郎なのか?


そんなバカな。


鈍感な方ではないと思うし、無自覚に手を出した記憶もないんだが⋯







「では失礼します、お大事になさってください」


「気をつけて帰るんだぞ、さようなら」


「お疲れ様です!また月曜日!」



颯爽と帰っていくアリサさん。


私服姿も綺麗。


メイクも私みたいに頑張らなくても、大人の女性の美しさが引き出ていた。


ずるいなぁ。



「夢花、俺は無自覚なのか?」



はぁ、大地さん、無自覚だから聞いてくるんですね。







「大地さんは優しすぎるんですよ。だから色んな子が大地さんに近づいてくるんだと思います」



やはり夢花もそう思っていたのか。


そんなにモテた記憶はないんだが⋯


夢花も無自覚に俺が手を出したのか?


いや、まだ出して⋯⋯⋯⋯⋯


出してるな。


無自覚じゃなくて、自覚しないようにして、今は自覚している。


夢花と恋人になりたい気持ちがあるのは自覚しているんだ。







何真剣に悩んでるんだろ。


大地さんがモテモテなのは多分営業課のみんなも知ってそうですよ?


外に営業に行っても、課長がカッコイイとか素敵とか言ってる女性の人が何人もいたんですからね。


その人達にも手を出してたんですか?



「大地さんは無自覚なのを自覚して、これからは気をつけてくださいね?」


「あ、ああ、わかっ⋯た?」


「なんで疑問形なんですか。そんなじゃ私、ヤキモチが止まらないじゃないですか」



わわ、また私ったら余計なこと言ってる⋯



「悪かった。気をつけたいんだが⋯どうすればいいんだ?」


「優しいのはいいんです。でも色んな女の子にすぐ話しかけるのはダメですよ?」



独占欲まで出してるみたいじゃない。


何言ってるの本当に。






「わかった、気をつけるよ」



話しかけてる記憶もそんなにないんだがなぁ。


話しかけられる記憶もないんだが。


これが普通だと思ってたんだが、世の中の男はこうじゃないのか?


だいたいこんなおじさんに話しかけられて嬉しい人なんていないだろ。


でも夢花が心配するなら気をつけないとな。





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