第18話 モテモテ?
毎日の通勤時に書いてて、ストックはゼロなので更新しない日があって申し訳ないです
「私はこれで失礼させてもらいますね」
アリサと夢花、玉木さんが合流したせいか、女将さんは仕事に戻って行った。
「何なのかしらあの女将は⋯」
アリサが静かに怒っているようだった。
怖いんだが⋯
「じゃあ俺はそろそろ温泉に⋯」
「逃がしませんよ大地さん」
ガシッと腕を組んでくるアリサ。
「今度は私達とデートしましょう」
何を言ってるんだアリサは⋯
みんな見てるからやめてくれないだろうか。
ななな、なんで腕組んでるんですか!
女将さんを撃退したのはすごかったけど、今度は坂下先輩が大地さんとくっついてるじゃない。
私は手も繋いだことないのに。
でもデート⋯
私達とってとこが引っ掛かっちゃうけど、望んでいた大地さんとの旅館散策デート!
「やめないかアリサ、それにみんながいるから課長か名字で呼んでくれないとだろ?」
なんですって⋯
名前で呼んでるしみんなの前でって⋯
それ私としてる事じゃないですか。
聞いてませんよ大地さん。
私がとやかく言う資格はないのはわかってるけど、なんか嫌です。
それなら私も反対の腕を組んで名前で呼んでもいいの?
みんなの前でもしちゃっていいの?
「失礼しました課長。ちょっとあの女将が課長に馴れ馴れしかったもので」
「はぁ、ただの客と女将の関係じゃないか。向こうもただの営業トークだろ」
どうしたんだアリサは。
何をそんなに怒っているのか⋯
「腕も離してくれないか?みんな見てるじゃないか」
「あっ、し、失礼しました」
やっと離してくれたか。
「ではみんなで散策しましょう」
温泉に行きたいんだが⋯⋯⋯⋯
「足湯っていいですね~」
みんなで散策していると足湯のスペースがあった。
「足湯は疲れが取れるからなぁ、これだけでも癒されるな」
「私、足湯初めてなんですけど、ハマっちゃいますねこれは」
大地さんと並んで足湯を楽しんでいる。
ただ大地さんの右隣には坂下先輩、私の左隣には玉木さんがいる。
チラリと大地さんの右隣にいる坂下先輩を見る。
距離が近すぎると思う⋯
私も近づきたいのに勇気が出ない。
その距離はもう触れ合ってる距離じゃないですか。
「大地さん、気持ちいいですね」
「ああ、リラックスできていいな。ただ名前呼びはやめないか?」
「ふふ、失礼しました。課長のその口調の方が好きなのでつい⋯」
「はぁ、みんなの前はしない約束だろう?」
ど、どういうこと?
何その約束。
2人だけの秘密の約束ってこと?
ずるい⋯私はそんなのしてないのに⋯
「坂下先輩と課長ってどういう関係なんでしょうね⋯」
玉木さんが私にだけ聞こえる声で話しかけてきた。
それは私も気になってるんだけど、玉木さんもそうなんだ⋯
「私にも分かりませんけど⋯気になりますね」
大地さんってモテすぎじゃない?
なんかすごい焦っちゃう。
私も⋯⋯⋯
「それじゃあ行きましょうか」
アリサと夢花に挟まれて居心地が悪いどころか良すぎてクラクラしてきた。
足湯でのぼせるのかと有り得ないだろ。
絶対アリサと夢花のせいだろ。
また4人で館内をブラブラと歩いている。
お土産を売っている売店があった。
「お土産⋯見たいです」
玉木さんが興味を示しているようなのでみんなでお土産を見ることに。
「課長は何か買うんですか?」
夢花はちゃんとみんなの前だから課長と呼んでくれるな。
俺もプライベートモードにならないようにしないとな。
「私はどうしましょうか。買って帰っても貰ってくれる人が⋯あ、そうか!いい事を思いつきました」
あの時のお礼にピッタリじゃないか。
どんなものが好きなんだろうか。
「え、誰かいるんですか⋯」
「それは秘密ですよ」
なんですかその微笑み方は。
私達以外にも、存在すら分からない女性がいるって言うの?
しかも大地さんにお土産を貰えるような女性が。
その人が本命なんですか?
どういうことなんですか大地さん。
聞いてない話が多すぎです。
「いいなぁ、私も課長からお土産もらいたいです」
「あはは、それなら期待しててください」
「え?どうしてですか?」
「それは⋯秘密です」
もぉ、秘密が多すぎです!
旅館に来てからモヤモヤすることが多すぎだよ。
楽しいけど楽しくない。
「井上さんはお母さんに何か買うんですか?」
「あ、そうですね、買おうと思ってます」
「いいお母さんでしたからね、お母さんは何がお好きなんですか?」
「母は甘いものが好きなんです!私よりも甘いものが好きかもしれません!」
自分のお母さんを褒められたら嬉しくなっちゃうけど少し恥ずかしい。
「こういうお菓子とかお好きなんですかね?」
よしよし、さりげなく夢花のお母さんの好みを聞けたな。
夢花も甘いものが好きだって言ってたし、2人へってことに出来そうだ。
食事を作ってもらったお礼をしてなかったからな。
「わわ、美味しそう、お母さん絶対こういうの好きです!」
手に取ったのは美味しそうなバームクーヘンだ。
俺も食べたいくらいに美味しそうだ。
他にも色々あって目移りしてしまうな。
「課長は誰にお土産を買うんですか?」
アリサが目敏いな⋯
「それは坂下さんの知らない人ですよ。言っても分からないと思います」
「では私へのお土産も期待していますね」
なぜそうなるんだ⋯
「私も、私も期待してます!」
夢花はあげるから安心しなさい。
「じゃ、じゃあ私にも、き、期待してます!」
玉木さんまでどうした⋯
ここはダチョウ的な流れか?
どうぞどうぞと言うべきか?
いや、言ってどうする。
買うことが確定するどうぞじゃないか⋯
「はぁ、わかった。それじゃあみんな1個だけだぞ?」
「ふふ、さすが課長、優しいですね」
「やったぁ、課長ありがとうございます!」
「わ、私も⋯あ、ありがとうございます⋯」
3人とも嬉しそうだな。
でも夢花、これで俺のサプライズのお土産が無くなるんだからな?
まぁいい、どっち一緒か。
「課長、これ欲しいです!」
大地さんに買ってもらえるんだ、すごい嬉しい。
迷惑だろうけど、私だけ除け者なんて嫌だもん。
それにいいこと思いついたの。
大地さんとお揃いのキーホルダーにしちゃお。
このレッサーパンダのキーホルダー、とっても可愛い。
大地さんには可愛すぎるかもだけど、使ってくれるかな。
大地さんには私が買ってプレゼントすればお揃いだもん。
「可愛いですね、このキーホルダー。私も動物は好きなんですよ。特にレッサーパンダは好きなのでナイスセンスだと思います」
褒められちゃった。
レッサーパンダ大好きなのも一緒なのが嬉しい。
あ、動物園一緒に行けるかな。
行きたいなぁ。
大地さんと動物園デート⋯⋯⋯⋯⋯
「か、課長!私はこれを⋯⋯」
おせんべいか。
なかなか渋いセンスだな。
「おせんべいがお好きなんですか?」
「は、はい。祖母と一緒に食べたくなりました」
祖母にお土産なんて優しい子だな。
それを俺に買わすのは面白い判断だが、どうこう言うことはあるまい。
「課長、私はこれを」
アリサは⋯なんだこれは。
「ふふ、夜に飲みましょ?」
なんという挑発的な目をしてくるんだ。
アルコール度数40%?
酔わしてどうしようって言うの!
とでも言った方がいいのか?
社員旅行でこんなの飲んで本当にどうするんだ。
お土産を3人のと俺の分を購入しておく。
3人ともそれ以外は自分で購入しているようだ。
「一旦荷物を置きに部屋に戻りましょうか。その後は私は温泉に行きますね」
大地さんにみんなでお礼を言い、部屋へ戻ることにした。
部屋へ行く間に坂下先輩が女将さんについて文句を言っていた。
それに同調するのも変だから、私と玉木さんはうんうんと頷いて聞いていた。
やっぱり坂下先輩は大地さんのこと⋯
玉木さんもなんだか怪しいし。
女将さんとも良い雰囲気だったし。
お土産あげる人もいるし。
大地さんモテモテすぎませんか?
みんな年下⋯
大地さんの大人の魅力?
そんなフェロモンでも出してるの?
坂下先輩が大地さんに好意を寄せてるのは分かったけど、玉木さんはどこまで本気なんだろう。
あの女将さんは?
どうしよう、すごい焦燥感。
「ごめんなさい坂下先輩、玉木さん、私少し出ますね!忘れものしたみたいで!」
ごめんなさい、それは嘘なんだけど、今は大地さんに会いたい。
焦った私はすぐに行動していた。
何か大地さんとの繋がりを作りたくて。
早くあのキーホルダーを渡したかった。
「ごめんなさい急に来てしまって⋯」
温泉へ行こうと動こうとしたら夢花が俺の部屋へとやってきた。
少し肩で息をしているようだ。
なんでそんなに急いだんだ?
「あ、あの⋯大地⋯さん、さっきはありがとうございました」
「ん、ああ、お土産のことか?気にしないでいいぞ、1人だけに買うことなんて出来ないしな」
「そ、それで私も大地さんにお礼したくて!」
そんなこと気にしなくていいんだが⋯
夢花のいい所なんだうなこういうとこが。
「せっかく来たんだ、部屋に入ってみるか?個室なんだがなかなか素敵だぞ」
「はいっ!」
いい笑顔だなぁ。
やっぱり俺はこの笑顔がたまらなく⋯
やめとけ、これ以上心の中だろうと言ってはダメだ。
旅行に来ても胃が刺激されると思わなかったぞ。
ここの温泉は胃に効く効能あるのかな⋯⋯
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