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        91 次のステップ

 ジュリは啓蒙活動を始めた。始めは受け持つ授業で

そして会う人々に、やがて大学から講演依頼が有った。

           91  次のステップ


 ジュリが次に目指したのは啓蒙だ。ジュリが受け持つ授業は週に二こまだけどそこでマリエールとジュリが目指す理想の社会に付いて語った。会う人々に理想を語り何時しか、新しい不滅の存在は星の発展に寛容だという評判が立つ。食品でもグルメ嗜好が高まり、ジュリの家の夕食の議論も美味しい料理がテーマになった。少し卑怯だが魔法を使っている。今日の夕食でもジュリの出す料理が評判だ。父は、

「ジュリが作ってくれる夕食とても美味しいよ。我が社の人気食品になってる物が幾つもある。」

複製が活用されるこの世界では一つ美味しい食材出ればそれを複製すれば際限なく広まる。この星の複製以外の産業の意義は新しい製品や食材等の開発くらいで農林水産業や工業は開発改良を除いて意味がない。まして宇宙食材が普及してきた今日はこの星の食材を使う事さえ少ない。ジュリの父の部門は新しい宇宙食材の発見、開発、加工を行っており、ジュリが提供する食材は父にとって、いや人類にとってとても貴重な物だ。たとえそれが魔法で美味しくされた物だとしても。ジュリのこの魔法の使い方はジュリしかしていない。魔法が使えるのは不滅の存在だけだ。しかも万能の魔法の使い手はマリエールと全ての魔法を授けられたジュリだけだ。マリエールも同じ事は出来るがしようとは思わない。必要性がないからだ。

ジュリには必要性がある。だから食材に魔法を掛ける。それが世界に広まる。

 ジュリの父親は部門への貢献が認められ部長に昇任した。その後もジュリは食材の提供を続けた。家族に美味しい物を食べて欲しい。それが動機だ。その結果父を通して世界に広まる。これは父親が宇宙食材開発に携わる所で勤務しているという偶然な事だ。ジュリは自分の魔法を掛けた食材を世界に広めようと思ったわけではない。偶々だ。しかし、家族に美味しい物を食べさせたいと思う気持ちが食材に魔法を掛けた理由だ。家族がいる限りジュリは食材に魔法を掛け続けるだろう。

 今日もジュリの料理に付いて家族で会話が続く。ジュリも毎日新しい宇宙食材を提供するほど食材採集に熱心になれない。魔法を様々に調整するだけだ。複製はジュリも出来るので一度採集した食材は幾らでも複製出来る。魔法を掛けたものでも可能だ。上手くいった食材を貯めて於けば美味しい料理が手早く出来る。魔法を加える事も出来る。全く新しい食材は減ったが、新しい味は増え続ける。両親の評判を聞く事がジュリの楽しみだ。

 この星最高の大学から講演依頼が有った。大学生や大学関係者が主体だが一般人の参加も可能だ。会場は大学の講堂5000人収容出来る大きな講堂だ。知識人や各分野で活動する人達の講演の場になっている。ジュリも将来この星を担う不滅の存在として啓蒙活動をしていると知って依頼が来たのだろう。何時も通り話せばいいだけだ。飾る必要はない。自分の考え、やろうとしている事をそのまま話せばいい。

 ジュリは食材に魔法を掛ける。家族に美味しい食事を食べて貰うために。父親が職場に持ち込み世界中に広がる。ジュリならではの魔法だ。

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