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         83 4種4様

 不老不死者の所から戻る途中、不老不死者のやり方は間違っていないと思うとジュリは言う。マリエールも同意見だ。

            83  4種4様


 ジュリはマリエールに、

「不老不死者は間違っていませんよね。今の宇宙の状況では芸術に着眼するのはいい事だと思います。」

生産や科学や軍事に意識を向けるよりもずっといい。芸術至上主義は行き過ぎかも知れないが、他のものを至上とするよりもましだ。

「要は納得の仕方だよ。自分の思い通りには人は動かないさ。」

マリエールの本音だ。万能の力を持ったマリエールでさえ思い通りにならない。私にも無理だろう。

「不滅の存在の方々は本当に苦労してみえまね。」

お前も不滅の存在だ。と返される思ったが違った。

「不老不死者与えた力は不毛の大地だ。不老不死者だけでは即効性は薄いが、そのままだと大気の酸素なくなる。他の不滅の存在が協力すれば、即座に危機に陥る。不老不死者は自分に与えられた術の悍ましさからのがれるために芸術を選んだが、芸術至上主義になればなるでそれも駄目らしい。厄介な奴さ。」

どうもマリエールは不老不死者を一番好ましいと思っているらしい。ジュリには不老不死者の様には成れそうにないが。

「不滅の存在は後何人いるのですか。」

マリエールはこちらを見て、

「後2人だよ。順番に会い行こう。みんなそれぞれに苦労しているよ。そしてきみ苦労する筈だよ。きみにはいずれ移住星の不滅の存在になって貰うよ。」

ジュリが不滅の存在になった理由が明かされた。一緒には当面の事らしい。いずれは単独で星を担当するらしい。だからジュリにも天体の魔法が与えられたのだ。ずっと一緒なら不要だよね。

「何時頃そうなるのですか。」

今度はマリエールは前見たまま

「両親と死に別れた時にそうしようと思っている。」

天涯孤独になったらか。後何十年先か。その頃なら化け物染みるから丁度いいか。

「私は移住星をどうしてけばいいですか。」

ジュリにはビジョンなどない。

「そのためにいろいろきみに見せている。基礎を学んで貰った。前もって伝えた。きみ自身が考える事だよ。」

冷たい返事だ。

「万能の魔術師マリエール様なら容易くお答え頂けるのではないですか。」

マリエールは幼い容姿に苛立を見せる。

「そんな物があるなら誰にも頼まない。答えがないから模索しているのだろう。」

苛立、困惑するマリエールを始めて見た。答えのない仕事を任されるならもっと慎重になるべきだったかな。今更遅いけど、

「いい方が悪かったかも知れない。きみがこれと思ったものを模倣するのも手かも知れない。」

万能の力を持って、ある程度規制掛けるマリエール。自由にやらせ手がつけられなくなったら封印を解くシルビア。発展させない賢者。芸術に目向けさせ芸術至上主義になっている不老不死者。4種4様だ。自分が取れそうにないやり方もあるし取りたくないやり方もある。どれも選べない。

「難しいですよ。自分にやれる自信がない。」

マリエールにこの答えはお気にめさないらしい。

「誰一人として自信があるから始めた事ではない。必要だからやっているだけだ。」

マリエール顔はその少女の顔で厳しい顔をしている。決めた事なのにああだこうだ言っているジュリが悪い事はジュリだって判っている。

 ジュリが星を担う不滅の存在としてやって行ける自信がないと言うと自信があってなった不滅の存在はいない。必要だから不滅の存在になったのだと。

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