81 ジュリの歩む道
ジュリは何時も家族と夕食を共にしている。ジュリが採取した新しい食材だ。当たり外れが多い。ジュリに甘い両親も宇宙食材に関しては容赦はない。
81 ジュリの歩む道
ジュリは大学を卒業して大学院の博士過程を終了して大学で準教授となった。博士論文は宇宙船の運行システムの改善だ。マリエールの思惑通り宇宙船は移住星の足となり移住星内はもちろん、母星(元の星)との運行も盛んである。移住星内の宇宙船の製造、運行、研究には、宇宙専門学校の卒業生達が関わっている。
ジュリは移住星への小惑星帯からの衛星2つの導入を内閣に提案した。移住星も議員内閣制が取られている。2人目の不滅の存在であるジュリの提案に否はない。2つの衛星設置が移住星に影響を及ぼす事を危惧する声もあったが問題はなかった。
移住星も母星も経済はマリエール商会が独占しており、福祉制度はない。マリエール商会が税金を納めているので、国民に納税の義務はない。自営する権利を国は認めてない。
ジュリはあまり家にいないが、夕食だけは毎日一緒だ。50代半ばの両親と外見15歳のジュリではかなり年の離れた親子だが、関係は良好だ。ジュリが家いる時は家事は全てジュリがするし、アイテムボックスがあるから家は簡素だ。塗装や修繕魔法があるから家は常に新しい。そんな3人の夕餉の話題は、宇宙食品の加工で盛り上がる。ジュリの家の夕餉の準備はジュリが準備する。ジュリが見付けた宇宙食材を自分なりにアレンジして用意する。もちろんアンドロイドの協力も得るが。今日は卵料理とポテトサラダ、ステーキとデザートにプリンだ。味は変わっているが、全て新しい宇宙食材というのがコンセプトだ。3人は宇宙食材を如何に美味しくするかというテーマを持っている。ジュリは新しい宇宙食材と出会う機会が多くアンドロイドに毒性や味の確認や採取をしてもらう。ある程度の下ごしらえもしてもらう。ジュリが仕上げて食卓に出す。
そして団欒と品評会だ。正直、生物のいる星がどんどん増えわけでもないので、これまで食材と見なされ来なかった物の再発掘的意味合いが多い。しかし、ジュリには魔法がある。品種改良的な事が出来る。父は宇宙食材加工の開発課長だ。母は同じ職場で宇宙食材を使った料理にチャレンジしている。ジュリは食材の発見と品種改良だ。毒性はともかくアンドロイドの味の判定は食材に適しているかの判断までだ。美味いかどうかは保証外である。調味料を用意して3人で食べる。五月蝿い食事だ。味の保証はない。半分まともに食べられたらいい方だ。今日も卵料理は好評、ステーキは味はともかく筋っぽくて硬い。ポテトサラダは食べ物と思えない。プリンは好評だ。ジュリに甘い両親だが、宇宙食材に関しては甘い事は言ってられない。ジュリは権力者だ。正しく止めないと泣くのは国民だ。
だいたい週に2度宇宙に出る。2週に1度はマリエールと一緒だ。マリエールとは、不滅の存在のところが多い。マリエールが何を基準に不滅の存在を選んでいるか学ばせたいらしい。そしてその時々に正し判断が出来るだけ力をつけさせたいらしい。
ジュリは2週に1回マリエールと宇宙に出る。主に不滅の存在に会うためだ。どうやって不滅の存在を選ぶか、どうして行けばいいのか知るためらしい。




