80 ジュリの決意
ジュリは両親と話すので暫く時間が欲しいとマリエールに伝えた。ジュリは両親に話した。両親は納得してくれた。
80 ジュリの決意
帰りの宇宙船で、今後の事を考えて両親にも話したいので暫く宇宙旅行は休みたいとジュリはマリエールに申し出た。マリエールはジュリが不滅の存在の事を考えているのを察した。
「ジュリは確かに不滅の存在になってもいい年だわね。でも私がいるからいきなり生活を変える必要はないわ。確かに身体的な年齢は取らないけれど、変幻自在の魔法を使えば外見は変えられるわ。両親との生活も大学生活もその後もジュリが思う通りすればいいわ。」
マリエールの言葉はジュリの心に大きく響いた。マリエールは何時だってジュリに強要した事はない。何時だってジュリの選択だ。しかし、迷わない。ジュリは不滅の存在になる。
「マリエール様、私は両親に不滅の存在になる事を宣言してきます。そうしたら私を不滅の存在にしてくれますか。」
マリエールは迷わずそうするわ。と言った。
ジュリは思った。賢者のようにはならない。シルビアやマリエールとも違うジュリの考えで、人それぞれの真実を尊重しつつ、調和の取れた世界を作る。マリエール一人にこの世界を任せてはいけない。共に背負う者が必要だ。
夕食の場でジュリは両親に宣言した。
「私は、不滅の存在となり星と人々のために活動します。マリエールより生活は今まで通りでいいと言われています。でも姿や形は変わりません。どこまでも親不孝な娘で申しわけありません。」
両親は驚いたが悲観するような事はなかった。
「毎週出かけるから、何かあるのだろうとは思ってはいたよ。不滅の存在なんて、マリエールと同じ存在になるのだな。我が娘がそんな存在になるなんて凄い事じゃないか。今日はお祝いだ。」
ビールとジュースで乾杯して、お菓子を出して、何時もよりも少し豪華な夕食になった。父がジュリの昔話しを長々と話した。母とジュリは否定せずに聞きいった。これが父の真実何だと思った。夕食は遅くまで続いた。父はアルコールを何時もより沢山飲み、ジュリは後片付けを手伝った。母は諦めた表情で、
「不滅の存在では孫は見られないよね。」
考えた事もなかったが結婚した不滅の存在は想像出来ない。
「そうね多分無理だと思うわ。」
母は諦めて後片付けを続けた。
翌日マリエールに連絡して両親の了解を得た事を伝えると土曜日の8時に丸池公園集合になった。
不滅の存在になり様々な魔法が付与され。最後に人類の文明を滅ぼす魔法が渡された。
「天体を操る魔法、ジュリらしいだろう。小惑星から岩石を持ってきて落とす事も出来る。この星自身の自転公転地軸、太陽から距離も変えられる。見たい時に流星群も見えるよ。」
ジュリはマリエールに感謝した。この人のペルセウス流星群の観測会で感銘を受け宇宙に引かれ今に至る。そして与えられたのが天体を操る魔法。人を喜ばす事も滅ぼす事も出来る魔法、私は人々を適切に導けるか。
「そんなに深刻に考える事でもないさ。精一杯やって、駄目ならやり直せばいい。シルビアを見習えばいいさ。」
ジュリは腹が立った。
「それが嫌で記憶の改竄までした賢者もあなたが不滅の存在にした人でしょう。」
マリエールは不満そうな顔をした。
ジュリが人類をどう導けばいいか悩んでいるマリエールが駄目ならやり直せばいいという。それが嫌で記憶を改竄した賢者もあなたが不滅の存在にした人でしょうとジュリは言った。




