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        78  異なる惑星

 今度の惑星は8万年の歴史を持つ、賢者のいる星だ。いろいろな店があり職人もいる。店の店長に店長の真実を語って貰った。シルビアはマリエールの失敗作らしい。

           78  異なる惑星


 翌週訪れた星は今までにない星だ。かなり高度な文明があり、街を作って、店もある。鍛冶屋や大工も居て、職人達がいる。身分制度もあるようで立派な服着た貴族らしい人もいる。マリエールは一軒の店に入り、店長を呼び出して貰った。マリエールは店長の前に宝石、貴金属、ジュエリーを並べていった。

「どのくらいで買い取りましょうか。」

店長は丁重に言った。

「今日は要らないよ。その代わり。あなたの真実をこの子に教えてやって欲しい。」

店長は大きく息を吸った。

「私にとっての真実は、私が代々続く高級品店の店長をしている事です。王城への出入りも許されていますし、ジュエリー、衣類、家具、化粧品、医薬品等様々な高級品を扱っています。不思議な事にアイテムボックスを扱う職員が必ず一人はいて、魔法まで使えます。ずっと昔からマリエー様に助けられてこの店が続いてます。詳しくは判らないですけど、この国は8万年以上の歴史があり、この店の元もその当たりまで遡れるそうです。嘘か誠かその当時からマリエール様は店の恩人だったそうです。この国には偉大な賢者がいて、国の安寧を図っています。欲張らず、争わず、平穏無事に暮らす事の大切さを説きます。賢者は8万年の時を生きる不滅の存在だというものもいますがあまり信じられていません。代々弟子をとっているのだと言われてます。あまり姿は見せませんし、姿が変わりませんから同じ人なのか違う人なのか判らないためです。画期的なものを作ろうとすると、その人が死ぬという話しは昔からありましたがこれも本当のところは判らないです。マリエール様の事も。この当たりが私の真実ですかね。」

ジュリはこの国の事をいろいろ聞いた。ジュリは面白い国だと思った。8万年もあまり文明を進化させなければ、それは一つの成功だと思った。

「若者はもっと変化が欲しいというものが多いですけど、私くらいになると、落ち着いたいい街ですよ。」

そうか老成しているのだ。この街は。何となく納得した。

 帰りの宇宙船でマリエールは、 

「賢者というのが、この星の不滅の存在だよ。私にしてみれば、シルビアよりは上手く選べたと思うよ。シルビアだって悪いとは思わないけどね。」

シルビアはマリエールの失敗作なんだ。シルビア可哀想。

 大学の女性友達とゴールデンウィークに海のレジャー施設で一泊二日の旅行に行く事になった。毎週旅行はしているし、あまり気乗りはしないが普通の女の子の気持ちにも寄り添うべきだと思う。逆に自分が普通でないと認める事になるが、マリエールと共に生きると決めた時からジュリは普通の女の子ではない。

 レジャー施設は普通に面白かった。水族館も併設されており、気が付いたら生まれて始めての水族館だという事に少しショックを受けた。私が普通の女の子なら両親ももっと普通で居られたし、水族館も普通に来ていただろう。普通で無くて両親に謝りたくなった。

「親不孝な娘でごめんなさい。もう後戻り出来ないけど。」

旅行は普通に楽しかった。

 女の子達と海のレジャーランドで一泊旅行をした。水族館にも行った。生まれて始めての水族館なのに気が付いた。自分が普通の女の子だったら両親ももっと普通に生きられた筈だ。

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