75 モンキー星を後に
モンキー星の村長が言った事はあの場での真実だとマリエールは言う。その通りだと思う人の数だけ真実はある。
75 モンキー星を後に
食事の後村内を回った。建物や砦や壁の補修や強化、草狩りや清掃、農地の水やりや肥料やり、湖に生け簀を作り魚を入れる。適切なアドバイスを与える。子ども達に菓子をやる。どれもが星を管理する者の心得の様にみえる。
午後の時を過ごし村を出た。宇宙船の中でマリエールはジュリに言った。
「モンキー星の村長の言った事は、モンキー星でのあの場の真実。私達はモンキー星の全てのモンキーを進化させたわけではないのであの場でしか成立しないわ。特殊な例をみて一般化しない事ね。」
あっという間に基地に着いた。飛行車両に乗り換え丸池公園に着いた。マリエールは、
「今日は、お疲れ様。おみあげにアイテムボックスを付与したわ。個別だけどね。中に2、3年のテキストを入れておいたわ。万能言語の能力と合わせれば、あなたの能力が上がる筈よ。期待してるわ。今日はありがとう。」
ジュリは丁寧にお礼を言って帰宅した。お昼がカロリーメイトだけだったので空腹を覚えおやつをした。その日から勉強が捗り3倍くらいのスピードで予習ができた。夏休みの終わりには2年の範囲の予習に入れた。
ジュリには、モンキー星の村長の言葉が気になる。マリエールの説明では、ジュリはマリエールと同じ仕事をする。ジュリも宇宙の仕事に付き宇宙船や惑星に関する仕事に就きたい。マリエールはその先端にいる。モンキー星の村長はその一端に過ぎない。しかしジュリは器が小さい事を自覚したし、自覚がないから村長を見下したのも理解した。マリエールが言う通りあの場でしか通らない道理という事も判る。一般的ではないかも知れないが、筋の通った話しだと思う。人の数だけ真実があると思うし自分が小さい人間だと思う。成長するためには、実力、経験、しっかりした考えを持つ事だ。そのためには3年間全科目クリアーしなくてではならない。
2学期になってもジュリは全科目クリアーを続けた。少し変わった事は余裕ができた事だ。進路アンケートがあった。ジュリは進学したい。宇宙学部できたばかりでまだ1年生しか居ない。宇宙船学科、天文学学科、惑星学学科(これは惑星だけでなく天体全般扱うのだし地質学も含む幅の広い学科だけど天文学や宇宙船と重なる部分が多い。)、そして宇宙学科、専門学校の課題をレベルアップして数学、物理学、化学、生物学を応用してより高いレベルを目指す。この学科だけは受験枠がある。大学受験専門学校からでも入学可能だ。将来的には大学院も考えているが、将来の話だ。
ジュリは余裕部分を2年生の予習に充てている。ジュリは3年間で得られる物大学に行って得られる物の予想が付く。マリエールと話し、モンキー星に行って確信めいた物がある。人間のためでも私利私欲でもなく、宇宙という中で全ての物が、己の幸せ、己の真実のために生きる援助をするものなればいい。そのための実力、経験、心構えを養うために今ジュリは頑張っているのだし、マリエールも応援してくれている。一つ一つのピースが繋がっていく。
ジュリは確信めいたものがある。宇宙の中のそれぞれの幸せ、真実を応援する力になればいい。そのため今ジュリは頑張っているのだしマリエールも応援してくれる。




