72 学校生活
ジュリの学校生活が始まった。授業は厳しい。予習が不可欠だ。全科目クリアーしているのはジュリだけだ。
72 学校生活
学校生活は、忙しい。兎に角午前中3科目、午後3科目の90分授業
だ。講義実技と繰り返しだ。それぞれに段階を踏んでおりクリアーしなければ前に進めない。90分の講義と90分の実技の両方クリアーしないと合格出来ない。先生と学生は一対一だ。次の時間も同じ科目にしても構わない。合格出来るのは半分以下。進級基準は一科目でも8割以上の習得なので、始めから選択有りきのようなものだ。それでもジュリはここまで全科目クリアーしている。予習のポイントを教えて貰っている。全科目クリアーは学年1人らしい。
予習が忙しくて中々帰宅出来なかったが4連休があるので帰宅する事にした。5時半駐車スペース待ち合わせで十分前に出かけると両親の他にもう一人乗っていて両親と一緒に仲良く話している。
「お帰りなさい、ジュリ、待ち通しかったわ。」
両親が口々にいう。ジュリもただいま、とはいうがもう一人の人物が気になる。どう見てもマリエールだ。こんな所に居ていい人物ではない。
「ジュリ、気になるのは判るけれど、車に乗って。」
母の言葉に従って、マリエールの隣に座る。同じ年頃の少女が並んで座っている図式になっているのだろうが違う。
「この人はね、品種改良部門に最初に宇宙食材を持ち込んだ人さ。この姿のままで、どんなものかも教えてくれた。毒性もないし味は科学分析して食用になる事は判っていて、大量に存在するのだが、利用方法を考えて欲しいと言って持ってきた。事前に商会から連絡もあったし、厚い紹介状やら、番号の書かれた箱10個持って来たよ。シルバーメタリックのコンブとかね。誰も食料とは思えないものばかりさ。今ではこの星の主要食料だしあまり気にせず食べられるけど当時は違和感しかなかったよ。」
父親はマリエールとの出会いを語った。母親も
「私が仕事に復帰した時には品種改良はこの仕事しかなかったわ。私もこの人とは良く会ったわ。そういえば昔のままね。今日は流星群に招待して頂けるそうよ。以前あなたと行った第12展望台よ。」
飛行車両は海上を飛んだ。明らかに両親の様子が可怪しい、操られているようだ。
「マリエール、両親に何をした。」
マリエールは微笑んだままだ。
「精神操作を掛けただけさ。無理に解いては危ないよ。今夜寝て明日目覚めて夢を見て居たんだと想うのがいい。私が彼らに出会っているのは本当だし、私の事をマリエールという認識もない。私はきみに話があったんだ。先ずきみに宇宙食材がどうやってこの星に届くか説明がしたかったんだ。共有アイテムボックスだよ。アンドロイド達が収穫した宇宙食材は私とアンドロイド達の共有アイテムボックスに入る。それを見せてもいいのだけれど味気ないだろう。懐かしの第12展望台の夕空できみ達に火球見せる。300年前の獅子座流星群のように。」
父親は誤りなく第12展望台の展望席の近く車両を停めて、4人で北空を見上げた。間もなく、火球が大量に流れた。1時間ほど居た。日が落ちると火球は鮮やかになった。丁度1時間で火球は終了した。4人で家まで帰った。玄関口でマリエールは帰った。ジュリは休日を堪能した。
4連休で家に帰る事にした。両親を精神操作したマリエールが車両に居る。マリエールはかつてペルセウス流星群を見た第12展望台に誘導した。火球の流星群を見せた。共有アイテムボックスの証拠だそうだ。




