66 移住
移住計画や相談、移住体験をへて移住しよとしたら娘に友達と別れるのは嫌だと言われた。二年後に移住計画を持って窓口に行ったが求人はありませんと言われた。
66 移住
ロナルドは事を簡単に考え過ぎた。家族で何度も移住の事を話しあった。第1陣が出発した。職場からほとんどの人間が消えた。仕事は無くなる事なくそれなりにやった。移住計画や移住相談の窓口が無くなり移住体験もなくなった。マリエール商会としての移住斡旋は終了したのだ。それでもその後も移住は続き、街は閑散とした。特にロナルド夫婦の職場は人間が多かったのに今はほとんどいない。娘の教育機関でも友達が大勢移住して行ったと言った。一年が経った。移住は続いている。家族で話しあった。もう移住すべきではないか。妻は同意する。人間のいない職場は気味が悪い。しかし、娘が帰って来る子もいるし親友もまだいるという。私達夫婦は作業の様な仕事を続けた。流石に限界を感じた。移住が始まって二年が経とうとしている時に覚悟を持って娘と向かあった。
「私達家族も移住しないといけない時期がきていると思う。どう思う。」
娘は頷いて、親友が移住する事なったと告げた。
一家は移住を決めて、移住の申請に向かった。窓口は混み合ってはいなかったが受付はアンドロイドだ。
「移住を申請にきました。この部署に移住したいのですが。」
ロナルドは、移住計画の書類を見せた。
「第1回の移住計画ですね。お待ち下さい。確認します。」
暫くすると、
「品種改良部門の受付が終わってますから。一般枠ならありますが、特殊な技能お持ちですか。時期がずれて受付するという約束でもあれば別ですが。」
一般枠というと農家か。
「私達そこ職員です。今もそこで働いています。退職はしていません。」
受付アンドロイドは呆れた顔をした。
「経過措置ですね。移住計画に基づいて移動しない場合でも3年間の経過措置があります。移動計画に基づかない場合は、特殊技能がない場合を除き一般枠になります。」
何か絶望的なってきた。
「すると既に埋まっていると。」
アンドロイドは、
「採用枠がないという事そうでしょうね。職場が二年空席を放置する事は普通は考えられません。」
言われたら当然か。娘が泣き出した。
「パパ、ママごめんなさい。私のワガママで我が家をとんでもない事にしてしまって。」
一端家に帰って落ち着く事にした。
直接品種改良の職場に連絡する事にした。懐かしい声が聞けたが言葉は冷淡だった。
「直ぐに埋めたよ。放置出来るポストじぁない事は知っているだろ。」
こちらで仕事を探す仕方ない。後1年間は収入があるし悲観する事もあるまい。
品種改良の仕事無かったが、食品加工仕事に付いた。後で知ったのだが、仕事をしていようがしてまいがお金は入って来るのだそうだ。
食品加工の需要は大きい。世情不安だ。こちらに残っている人々は既に成功を治めたものや、逆に就労に就けないものや、移住の決意が付かないものだ。先が見えない不安がある。3年目は実入り良かった。一般枠で移住して食品加工の仕事に就く事も考えたが3年になろうとした頃急激に移住先から戻る人々が増え彼らが言うにアンドロイドの支配が始まったそうだ。
食品加工の仕事に付いて、この星に留まった。実入りはいい。移住が始まって3年になろうとする頃、急激に移住星から戻る者が増えた。




