65 賢人会議の進展
賢人会議は順調に進み、移住計画も進展した。マリエール商会は移住に積極的で移住計画や移住相談にも乗ってくれる。
65 賢人会議の進展
賢人会議が開かれ始め一年が経った。宇宙開発の一端が知らされた。人間がこれまで考えて来た以上にアンドロイド達は活躍している事を人間は知った。内閣やアンドロイドへの支持や信頼は高まり様々な施策が取られた。死刑囚が、シルビアの星の燐星に送られ、インターネットで映像が流されこの星以外でも人間が住める事が証明された。移住を募る予定の星の映像がインターネット上に公開された。この星の活用に付いての意見を募ったり、この星よりも人間に取って緩やかな規制にできる予定である方針を示す。
また一年経った。来年移住の募集を掛ける事を発表した。移住星と命名された。3年間は行き来自由、4年目以降はこの星に戻るのは禁止する。この星から移住星への移動を禁止する場合があるので3年以内に移住星への移動も決めておくべきだとした。移住星の様子や情報は常時閲覧でき、移住星に関する新しい情報はその都度大きく公開される。
後募集まで半年の所で移住星への体験制度ができた。移住星への移動が出来ない条件が発表された。思想上の問題がある場合、伝染性疾患がある場合、就労できないもののみの家族の場合などが明記された。体験制度は非常に好評で評判が良かった。無料で観光旅行が出来る様なものだ。
マリエール商会では従業員、関係者の移住を勧めている。マリエール商会にサポートシステムを作り、個別に移住計画を立てて相談会も開催している。
ロナルドは品種改良部門の研究者だ。妻もパートで働いている。娘が教育機関に行き出したので復職した。宇宙の様々な食材を人間に合うか確かめたり人間に合わせたりするのが自分の仕事でそれを料理にして行くのが妻の仕事だ。出来上がったらみんなで試食会だ。この部門は、人間が主体だ。アンドロイドはサブ的にしか参加していない。アンドロイドは味覚がない。成分を分析して人間の味覚に合う可能性のあるものをピックアップして貰っている。成分とと味覚の関連性はかなり解析が進んでいる。ただそれだけではない。匂いとか形状とか食感とか見た目など様々な要素絡んで人間は食事を楽しむ。アンドロイドの提供してくれる食材は大抵美味しい。しかしながら見た目が食材らしくないものが多い。それをクリアするのが我々の勤めだ。
ロナルドはマリエール商会に移住を勧められた。妻と相談すると言った。数年前の武器製造事件はショックだった。妻と話した。この仕事をしていればマリエールがどれ程の惑星と繋がりがあるか想像が付く。この星以外の二つの惑星などというわけはない。何百、何千という惑星がマリエールの管理下だ。そんなマリエールの逆鱗に触れて人間が生き残れるわけがない。我々の職場にはそう考える職員は多い。移住体験も移住計画、移住相談も家族ぐるみで参加した。妻も同意した。ただ娘が教育機関の友達と離れたくないというので二の足を踏んだ。移住予定が順調に進んだが、
「もう少し考えてみます。」
と第1陣から離れた。
ロナルドは品種改良の仕事をしている。持ち込まれるプラントの数から考えてもマリエールは人間のかなう相手ではない。移住計画は順調に進んだが、娘が教育機関の友達と離れれるのを拒み頓挫した。




