64 007の発言の反響
007の発表に続き、人間達が知らない情報をマリエールは語った。10万年に満たない人間の歴史の内9万年以上マリエールは宇宙開発を行っている。
64 007の発言の反響
人間達に取っは、9万年前から宇宙開発が始まっていて、様々な生物が確認利用されており、自分達の太陽系にも他の太陽系の惑星にも生物の棲息の環境が整えられており、そこで栽培されたものを人間は食べている。人間の歴史は10万年遡れない。マリエールやアンドロイドは、人間の歴史のほとんどの間宇宙開発取り組んでいたのだ。人間側の賢人の一人が恐る恐る聞いた。
「最近の最先端技術は何ですか。」
マリエールは少し考えた。
「一つは人間とは何がという問題ね。自分が人間だというのもあるけど、人間以外の者が正しく世界を宇宙を支配してくれるなら任せたいと思っているわ。その情報は沢山あるわ。中々踏ん切りがつかないけど、007は光明になるかも知れない。」
マリエールは007と人間達を見た。
「そうすると人間はどうするという問題になるわ。問題ばかり起こす人間をどんな環境でどう管理していくかが問題になる。実は、感情を持ったアンドロイドだけでも幾つか種類がいるし、私以外のアンドロイドを作り出せる存在はなにもシルビアだけではないわ。生物が棲息出来る星は数千あるし、知的生命体は数百種類いる。知的生命体に不滅の存在を作りアンドロイドを作成して貰い星を管理して貰っている。」
マリエールは、一息付いて、
「次は、人間をどうするかという問題だよ。なにもこの星の人間だけが唯一無二の存在でない事は判ってくれただろう。私もこの星の人間だ。愛着はある。しかし、アンドロイドへの信頼が半数以下では人間の未来は見えない。協調性のある人だけ他の星に移って貰い、ここ残った人間は滅亡させる手段もある事を知って貰い。出来るだけ長く人間がこの星に住み続けられるか、何処まで知らせ、何処を隠すかどのように人々を導くか話合えたら嬉しい。質問の応えになってないね。今取り掛かっているのは、太陽の丁度反対に人工のこの星を作っているよ。細かい部分は省くがこの星よりも住み易い筈だ。希望者に簡単な試験をして移住者を募る。シルビアの星の隣は流刑囚に住まわせるつもりだがこちらは、移住先だよ。」
007は当然知っている話で、
「出来上がりが楽しみですよね。」
とか呑気に言っている。人間達はこの会議の意味が判ってきた。マリエールは人間である事を止めたのだ。我々は人間を正しく導き、良好な着地点を見つけなくてはならない。人間の一人が、
「先ほどの007議員の発案に賛同します。宇宙開発の一端を知らせそこでアンドロイドが栽培した物を人間が食べている。今後利用を検討しているとのメッセージは、内閣やアンドロイドのイメージアップに繋がると思います。」
この意見は多数を占め、マリエールが文案を作り、内閣で発表する事にした。
その後様々な議論がされ、5つの方策が決まった。毎月1回開かれる事になり、案等は事前にマリエールに提示する事になった。議事録と内閣への文案提出は感情のないアンドロイドに頼んだ。
人間達の議員にも、これが人類の生き残りを掛けた会議である事が自覚され、007に賛同する意見や提案がされるようになった。




