6 新しい仲間
王女キャサリンは腎不全だった。異母の第2王妃に毒を盛られた。兄を皇太子にするまでは死ねないそうだ。
6 新しい仲間
シルビアから連絡が来た。明日9時に迎えに来て王女キャサリンの所へ行くそうだ。シルビアの表現では、薄幸の美少女のようだ。その割に生に執着している様に思う。シルビアにせよ同じ様に現状を変えるには手段を選ばないタイプのようだ。
会って見ると確かに美少女だが、腎臓障害を起こしているのが良く判る。人工透析すれば生きれるがこの時代の医療では無理な話だ。取り敢えず魔法で全身を調べる。疲弊しているのでフィールをかける。問題なのは腎臓だけのようだ。体調が一時的に治って顔色も良い。完璧な美少女だ。
「腎不全のようですね。他はそれに伴う弊害のようで腎臓を魔法的に回復させ、フィールで収まりました。腎臓さえ回復すれば問題ありません。腎臓の片方は完全に不全、片方は8割不全でしたので良く生きてみえたなという感想です。生への執着があるのでしょう。」
マリエールはキャサリンと魔法で繋がりがあるので、念話が通じる。念話を通じて話た。
「私には同腹の兄がいます。皇太子になる第1王子です。しかし異腹の第2王子が居て、第2王妃とその父親の伯爵が策略を巡らし、私は毒を盛られました。私は兄を守るため死ぬに死ねません。第2王妃と伯爵、第2王子の悪行を明らかにして罪を償わせねばなりません。」
なるほど、それで生き続けたのか。
「シルビア令嬢から話は聞かれた筈です。命は救う事は出来ます。あなたの願いの手助けも出来るでしょう。しかし、私は慈善事業家ではありません。私はメリットがなければやる気はありません。」
キャサリンは了解した。
「私の命を救い、目的達成したならば、私は全力であなたに尽くしましょう。あなたが私に求める願いは全て叶えます。そのための力を持つために協力して下さい。」
取り敢えず、両方の腎臓を再生して、パーフェクトフィールを掛けた。更にマリエール自身の魔法を最大レベルまで上げ、キャサリンに付与した。付与魔法は弱いものだが魔法的な繋がりがあれば同等に使える。
キャサリンは敵が誰で何をしようとしているか判った。そして証拠の品が何処にあるかも判った。そして、今からすべき事も判った。キャサリンは兄と妹に思念を送った。念話は魔法の繋がりが無いと送れないが、強い魔力を持つものは精神的な繋がりのあるものに情報を伝えらる。キャサリンは同腹の兄と妹に情報を送った。
先ず、敵は第2王子、第2王妃、伯爵、宰相、手の者、伯爵派閥
次に狙いは、次期王位と一族の繁栄。そのため、第1王妃とその子ども達の毒殺、遅効毒を使っている。あなた達2人と第1王妃には対毒性と魔法を送るけど思念で送れるのは限りがあるので私が帰るまで大人しく待っていて。と伝えた。
そして、キャサリン王女に付いている第2王妃の手の者を収納した。代わりにアンドロイドを置き、王都に帰る知らせを各地にした。自分の父親である国王にも思念を送ったが成功しなかった。マリエールが付いて来てくれたので上手く行くだろう。
マリエールは利益も無しに命を救えないと言うと、命と立場が助かれば全力で報いると約束した。