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      56  要塞都市エミリオン

 要塞都市エミリオンは、本が読み解けるわけではない。要塞を守り、本に書かれたダミーを作っているだけだ。

        56  要塞都市エミリオン


 どうやって入って行こうと思ったが、始めは隠密行動を取ろうと考えた。銃機を持った者が沢山いる。広場には、大砲やロケット弾がある。明らかにあの文書を読め者がいる。ドラゴンは必要だろうか。それとも個別に対応が必要だろうか。今の所知的に高い存在には出会わない。持っと奥だろうか。部屋に入ると製造工場のような所なような所だ。良く見ると全てダミーだ。ピストルも銃も、大砲もロケット弾も全てダミーだ。シルビアは尋ねた。

「どうしてこんなの作っているの。」

何人かが迷ったが、一人応えた。

「我々は要塞を作って生きる生活を決めた。もう昔の本読める人間はいない。でも図は別だ。かつてこういった武器で戦ったとされている武器を向けるとディノニクス達も引く、集団で向ければたとえ先に石の付いている物だとしても、突っ込むのを躊躇する。ましてここは要塞都市だ。見かけだおし武器だって相手には判らない。攻撃するのが石や弓矢でも見た事ない武器からどんな攻撃がされるかはこちらも向こうも判らない。要するに要塞を越えられない戦いをするだけだから見かけだおしでいいのさ。」

彼らのいう事は間違いないようだ。姿を隠して立ち去ろうとしたら怪しい奴めと言って武器を振りかざしてきたものがいたのでエアカッターで腕を切り落とした。武器取った人間は複数いるが一々相手する気もしない。文書庫に入って書類の整理した。かなり整理がつき後一息になった所で声を掛けられた。

「今のこの時代にも文書が読める人がいるのですね。」

敵かと思ったが、相手に人間の気配がないので念話で答えた。

「宇宙人に教えて貰いました。」

霊的存在は、

「もしや我々に文明を------------。嫌、真逆ですよね。あの方が再び来るわけがない。」

彼は諦めたような雰囲気だ。

「その方は、10万年前の事を知ってみえました。そして、ディノニクスとドラゴンを倒して、私に封印しました。私は書物を整理してドラゴンの封印を解くのを遅らせようとしています。しかし、何をやってもいずれ封印を解く日か来るような気がします。」

彼は、

「あなたは、不滅の存在なのですね。私如き、10万年ここに住む亡霊とは違い、正しく人を導こうとされているのですね。」

シルビアは否定した。

「人間は一度火が付くと止まらない存在です。1万年前の数百で何が起こったかをあなたも知っている筈です。もはや立ち止まらないなら壊した方がいいと、10万年前も今も宇宙人はお考えなのです。」

しかし、彼は悔しそうに、

「宇宙人さん達は、きっとそういう経験をされてこの星まで来たのでしょう。我々でも出来るかも知れないですよ。」

それは誰もが考える事だ。

「私も何時どんな状態になったらドラゴンの封印を解けとは言われていません。しかし、我々は明らかにあの方々よりも劣等人種です。私達があの方々のようにはなれないと思います。」

これには、彼も同意した。所詮我々は我々だ。

 文書庫の整理をしていると霊的存在が現れた。我々ももしかして、超高度文明が作れるのではないか。シルビアは我々に持てるとは思えないと言った。

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