53 ディノニクス
ディノニクスは強敵だ。狭い封印の間での戦いはアンドロイドにとって厳しいものだった。肩に負傷を負い近接戦が難しくなった。
53 ディノニクス
かつて、恐竜がいた時代、鳥の先祖になる恐竜がいろいろいた。ディノニクスも鳥の先祖にあたる恐竜だ。大型ではないが恐ろしい爪を持ち、集団で大型恐竜を襲う恐竜だ。そんな恐竜が何十匹もいる事を考えると少しうんざりする。出会った人間は皆殺しにされるから情報がない。特にどんな連携をしてくるかが気になる。前回出会っているが、あっさりウィンドウカッターで仕留めてしまったので一対一なら勝てる事は判る。問題は、連携とスピードと飛躍だ。高い位置が取れるなら、フライで高位置からの攻撃で優勢に戦える。しかしながら、封印の間という誰も行った事のないどんな場所か判らない以上高位置からの攻撃が可能とは思えない。多少高い位置からの攻撃が可能だったとしても飛躍の力が問題だ。飛躍が苦手とは思えない。乱戦になればスピードと連携だ。スピードはありそうだ。出会った人間を皆殺しというのは難しい。普通は打ち漏らしがあるものだ。連携は判らない。そんな情報はない。連携すると考えた方がいいだろう。
こちらの武器は多重多段各撃魔法と剣だ。火と闇の多重魔法で、複数の多段の魔法で、各撃、確実に当てる。近接戦は剣だ。体長3mのディノニクスに地上戦は不利だ。出来るだけ高い位置から攻撃したい。
兎に角、封印の間に行く。鳥の先祖なら夜戦が有利かも知れないと思ったが、判らない場所だし、正確な情報がない所なので、午後から出掛け、可視光線で確かめ、夜戦に持ち込む事にした。
現地は洞穴のような所だ。表にディノニクスが数匹居たので多重多段各撃魔法で仕留めた。中に入ると広い空き地で高い位置を取り多重多段各撃魔法を放った。予想通り大きく飛躍して爪で攻撃して来る。連携もとって来る。正面と背後、側面を同時に攻めて来る。スピードもある。爪を出して来るスピードが早い。躱しきれない攻撃が何度もある。当初は30匹くらいだったが、殺っても殺っても数が減らない。一気に持って行きたい所だ。多重多段各撃貫通魔法だ。この魔法なら一撃必殺になる。要約数が減り始めた。
少し油断した。肩に爪の一撃を食らった。手痛い一撃だ。剣が使い難い。近接戦が難しい。間が取れた時槍に持ち変えた。剣よりは扱い易い。何とかしのいで、残り10匹になった。飛躍して来る相手を魔法と槍でしのいで、多重多段各撃貫通魔法で仕留める。
残ったディノニクスがいない事を確認して、村長を呼び込む。村長が封印の儀式を行なう。封印が出来た。大量のディノニクスの遺体が収納された。取り敢えず一匹村に出した。産業や事業は始まらない。ドラゴンの来襲が判っているからだ。それでもディノニクスが居なくなった事は村人に安心感を与えた。アンドロイドは肩の修理を終え、封印の間でドラゴンに備えた。時々ディノニクスの肉を届けに行った。
ドラゴンが接近する気配を感じた。アンドロイドは村人に警戒を呼び掛けた。明日遅くとも明後日には来襲するだろう。アンドロイドはマリエールを召喚した。
剣を槍に持ち変えて、どうにかディノニクスを倒した。しかし、ドラゴンがいる。アンドロイドはドラゴンの気配を感じた。マリエールを召喚した。




