30 旅路
マイケル達は、東の海へと旅立つ。先ず500km先の島だ。マイケルにとっては始めての長距離飛行だ。
30 旅路
マイケルはアンドロイドと出発した。500kmの距離を一気に飛ぶ経験はない。7時に出発して既に前人未踏地域だ。これまで、人類が海に出る事は無かった。ようやくアンドロイドのお陰で海に出る機会を得た。そして今その範囲を広げるチャンスを得た。
目標の島が見えた。大きな島のようだ。7時に出発して既に3時だ。休憩は取ってない。アンドロイドが、
「このまま進めば洞穴があります。取り敢えずそこで食事にしましょう。」
アンドロイドは迷う事無く、その洞穴に向かった。自然豊かな所だ。海岸を越えると森や湖を通り過ぎ、草原があり、幾頭かの草食獣が草を喰むのが見えた。目指す洞穴は、山の中腹にあった。縦横3mほどの穴があり、その奥に着地した。奥は広くなって居て200平方メートルほどある。
「周りに危険な気配はありません。ここに転移陣を作って、食事後付近を探索しましょう。」
食事を摂り探索を始めた。二手に別れて探索して、連絡し合う事にした。マイケルは北にアンドロイドは南に向かった。マイケルは出来るだけ高度を上げここが島なのかどうか見極めたいと思った。アンドロイドに伝えると、
「その任務はお任せ下さい。アンドロイドは呼吸の必要がありませんので、見極めるまで上昇可能です。マイケル様では難しいと思います。」
なるほど無理か。急激な上昇では、2000mを超えると影響が出る。呼吸困難と寒さだ。2000m空気の密度が2割低下し温度が10度下る。歩いて登るなら徐々の変化だがいきなりでは命に関わる。高度に念入りの準備をして望むなら兎に角、ただ島なのかどうか調べるなら任せて欲しいと言われた。マイケルは了解して、北に向かった。ほど無くしてマイケルはアンドロイドから連絡を受けた。ここは東西60km、南北80kmの島だそうだ。20000m上昇して確かめた。空気は殆ど無く、気温は地上よりも30度低いそうだ。迂闊に島かどう確かめるとなど言うものではない事は判った。ちなみに着地点は島の最西部で南北では中間だそうだ。日暮れ前まで探索し、その後転移陣まで戻る事にした。
マイケルは北に向かった。500km離れても、動植物の色相に極端な違いはない。見慣れない動植物だと思っても良く見れば自分の大陸居た動物のようだ。大陸では150cm近くまであったゴブリンが、100cm超えるゴブリンが少ない。土地の狭さに順応してか動植物全体に小ぶりサイズだ。より魔獣に顕著で獣、昆虫はそれ程でもない。
90分ほど探索すると、アンドロイドの緊張要請がかかった。アンドロイドが作った転移陣に転移する。転移すると、小山の頂上だ。アンドロイドか、
「あれを見て下さい。」
と遠方を指差す。森の向こうの平原に巨大な生き物達が群れを成す。ドラゴンにも似ている様に見えるが翼がない。巨体を4本の足で支えている。長い首で木の葉を食べる。この地は著しく温暖だ。木の種類もシダだと思うが、自分の知るシダに比べて大きくて良く繁っている。アンドロイドは、
「あれは恐竜よ。太古の昔の強力な生き物よ。海で隔たこの世界では生存しているのね。」
2人は島南部調査した。その結果島南部には数百種類の恐竜が居て、とても豊かで温暖な場所だと判った。
知りたい事は沢山あるが、まだまだ旅は続く。出発の準備が先決だ。到着箇所に戻って明日の準備をした。
島で巨大生物に出会った。アンドロイドの知識では恐竜と言うらしい。島の南部は恐竜の棲家だ。




