255 警告
ロバートはロザリアから受けた警告を細くサイト載せた。ロバートに返信すれば、ロザリアに転信されるからロザリアから返信される場合もある。
255 警告
ロバートは、ロザリアの警告をありのままにサイトに掲載した。
「この星は一度核戦争で滅亡している。ロザリアという宇宙人に滅亡した日の一年前にリセットされたのだ。ロザリアは2度とリセットは使わないという。このままでは星は滅びる-------------------。」
ロバートはロザリアの写真とロザリアから聞いた事をサイトに載せた。ロバートへ返信すればロザリアに転信されるのも魅力なのだろう。返信は数多く来た。中には研究所からロザリアの招待の案内も来てやり取りは盛んになった。ロザリアも一々応じるのも大変なので出現予告を出して現れる様にしている。ロザリアを捕獲しようとする輩もいて麻酔銃で対応している。大型魔獣の仕様なので人間に使った場合目が覚める確証はない。出現した場では良く出る質問に答えたり、デモンストレーションをしたりする。
ロザリア側から流すのは一番多くが滅亡したこの星だ。これでも信じられないなら信じなくてもいい。ロザリアが知った事ではない。
一方で反戦平和活動をこのサイトが盛り上げたのは間違いない。この核戦争で人間は全て滅び、環境が変わり、生物の99%が滅んだ。勝者のない戦争、意味のない戦争だ。終わりしかない未来だ。核兵器は世界の終わり告げるボタン。押してはいけない、あってはいけないボタンだ。反戦平和活動家が、
「核兵器を使えなくする方法はないですか。」
と聞いてきた。すかさずロザリアは、
「ありますよ。核分裂や核融合を阻害するだけですから。ただこれをすると核燃料を使用した発電も出来なくなりますがいいですか。」
即座に、反戦平和活動家は、
「問題ありません。よろしくお願いいたします。」
ロザリアはこの星にニュートロンジャマーキャンセラーを埋め込み全ての核反応を停止させた。
核反応は発電や核兵器だけの問題ではない。医療面や各種工業や科学技術でも必須な技術だ。それが止まったのは大きな問題だろう。核兵器のボタンを押すよりはましかも知れないが、違う選択もあったのかもしれない。
かくしてサイトは賑わいを見せた。ロザリアはこの星の問題を解決して満足だったしその問題の解決をこの星の人間が自ら見出してくれたのが嬉しい。この事をサイトに書いた。
「核反応を止めるという素晴らしい選択をしたこの星の皆様に心からの感謝と祝福を捧げます。」
この言葉に感銘を受けたのか、サイトはパンクしてしまった。喜びをサイト掲載で表現する人達の気持ちは判る。人類存在が決まった瞬間だ。一々読まないが感謝の籠もった礼状だろう。
この星でやる事終えた。久しぶりにロバートに会った。会うのはこれで最後だろう。ロザリアから、
「いろいろお世話になりました。お陰様で、この星の人達に明るい未来を選んで頂けました。」
ロバートは苦い顔をして、
「株価暴落、電力不足、倒産の連鎖、長引く不景気、人類が滅びるよりはましか。きみのやった事が良かったと思っている人間は僅かだぞ。」
ロバートもロザリアがやった事を良く思ってないのだろう。それはどうでもいい。この星が残れば核反応によらない新た文化が生まれるのだから。未来が楽しみだ。
反戦平和活動メンバーから、核反応を止める方法はないか質問があった。あるがあなたは求めるか。と問うと求めると答えた。




