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         249 宇宙船

 ロザリアは王位継承を断った。マリエールの後継者になるためだ。王位継承は第2王子がする事になった。

           249  宇宙船


 ロザリアは15歳で成人した。次期王位となるなら決める時だ。国王はロザリアを国王にしようとしたがロザリアは、

「私はマリエールの後継者です。今後この国にいる事も少なくなるでしょう。残念ながらこの国の国王になる事は出来ません。力添えは出来る筈です。国王陛下と第2王子を側面から支えていきます。」

国王は仕方ないという顔した。イワン帝国を倒した立役者、別の大陸に行ける人物、それだけ見ればマリエールよりも優れた活躍をしているように見える。しかしロザリアにその力を与えたのはマリエールだしロザリアはマリエールの後継者に任じられた存在だという意味しかない。

 次期国王は第2王子と再確認された。マリエールの能力がなくてもロザリアは国王に相応しい。知力、人格、能力、統率力が他の兄弟姉妹とは比べようがない。生まれながらの統率者だ。

 マリエールは、

「私は成人した限りは居を移さねばなりません。一応はマリエールの国に移る事になると思いますが、主な活動拠点はもう一つの大陸です。第2王子が確実に国王に成れるように手配をお願いします。」

第1王妃は出生を明らかにしていないが、立ち振舞からこの国の言語に通じた外国の貴族だろうと思われている。国難を国王と共に乗り込え国家運営に取り組んだ実績もありロザリア王女と共に最も評価が高い。出生を明らかにしていないのはこの時世良くある事だと言えた。滅びた国の貴族は多い。滅びた国の貴族である事を鮮明にする事は出生を隠す事よりも危険な事になりやすい。出生を隠す事は滅びた国の貴族であると言っている様なものだがそれをとやかく言う時代ではない。それを言うならばマリエールも滅びた国の出身だ。

 第2王妃はこの国の下級貴族の出身だ。しかも王妃は反逆罪で処刑されており息子の第1王子は廃嫡されて平民の身分に落とされた。娘の第2王女は王女のままだ。ほとんど処刑された元国王派の残存勢力には彼女を担ぎあげたい連中もいる。

 第3王妃は平民出身だ。立ち振舞も覚束無い。社交の場にもほとんどでない。王位は第1王子かロザリアと思われていたので国王の教育はされてこなかった。第1王子が廃嫡されてもロザリアがいるので第3王妃の子どもである第2王子が王位を継ぐなど誰も考え無かった。話しは唐突に訪れた。マリエールがロザリアを後継者に選んだのだ。マリエールはロザリアの身体に能力の卵を植え付け、しばしば孵化された。マリエールの国には大勢の能力者が居て他国者のロザリアが後継者になるとは思われていなかった。正式伝えられたのは最近の事だ。しかも決定したのはマリエールの成人のおりだ。国王から王位継承の打診があったのを断るという方法で。

 早速第2王子が呼び出された。第3王妃や第3王女やロザリアもいる。国王は経緯を述べ、ロザリアが国から出る事になったので第2王子に国王になるように伝えた。今迄王位就くための教育も覚悟も無い第2王子には答えようがない。ロザリアは、

「私の部下を付けるから。心配ないわよ。実務は私がやるから名前だけでいいわよ。」

第2王子は頷いた。

 第2王子には教育も覚悟もない。ロザリアは第2王子に名前だけ貸して欲しいと言った。第2王子は頷いた。

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