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         245 宇宙人

 宇宙人のいる大陸に向かった。長い旅だ。昼間飛び続け夜休む日々が続く。途中島々連なるところへ来た。

            245  宇宙人


 昼間は飛び続け、夜は休むと日々を続けて来た。今は島々の連なるところまで来た。まだ少し早い時間だが島の一つに定め着地する事にした。

 着地するとアンドロイドの1体が、

「ロザリア様、設営準備は我々が行いますので島の調査をお願いします。怪しい感じはしないのですが、神聖な気配を感じます。あちらの方向です。1kmほど先です。」

ロザリア達はアンドロイドの示した方向へ森や茂みを超えて進んだ。1km進んで池に出た。滝が有り滝つぼになっている。滝の辺りの岩が透明で夕陽を受け虹色に光っている。それだけでも幻想的なのに池の水面には無数の小人の様な姿の透明な物が漂っている。それが言葉ではないお喋りで騒がしい。

「あれは人間かしら。生き物らしくないものも混じっていますわ。」

「人間は海を渡って来られない筈なのに不思議ね。」

「こっちを見てるけどみえるのかしら。」

「言葉も聞こえない筈よ。気のせいよ。」

勝手な事言っている。アンドロイドは、

「妖精です。しかし、神聖な気配は妖精ではありません。滝の裏から感じます。妖精女王です。妖精達に女王への取り次ぎを願ってはどうでしょうか。」

ロザリアは妖精達に女王への取り次ぎをお願いした。しかし妖精達は、

「女王なんていないわよ。」

という。ロザリアは、

「滝の裏から神聖な気配を感じます。妖精女王はそこにみえるのでしょう。」

妖精達は焦った。

「いないと言ったらいないのよ。とっとと帰って頂戴。」

ロザリア達は跪き、

「精霊女王様、我々は西の人間の国から、東の宇宙人の住む大陸に行く途中のロザリアとアンドロイド達です。精霊女王様にご助言頂きたく参りました。何とぞご教授下さい。」

と述べた。突然、人間大の美しい妖精が現れた。

「私が妖精女王です。年齢を経た妖精が稀に女王になります。妖精の伝承を集めます。東の大陸に宇宙人が住みついたのは随分昔です。この星には調査に来ているようで環境に適合して食料や衣類も宇宙から持って来ます。人数も少なく入れ変わっています。宇宙人達は人間がやって来る事を知っており、敵対するかどうかは人間次第だと言っていたそうです。」

ロザリアは暫く考えた。 

「調査だけなら宇宙人は敵対しないという事ですね。」

妖精女王は、

「宇宙人は、人間と会わないとは言ってません。ご自分で直接尋ねられるのをお勧めします。」

ロザリアは、

「ご教授感謝します。ありがとうございます。」

と伝えて場を去った。また妖精達の姦しいお喋りが聞こえて来た。宇宙人の情報が得られた。いきなり争いなる事はなさそうだ。

 翌日からまたフライだ。数日後大陸が見えて来た。宇宙人の住み家にはまだ数日かかる。ただここからは陸地だ。安心だ。宇宙人対応は考えた。未知の能力を持つ。絶対に敵対しない事だ。

 大陸の雰囲気も生き物も随分違う。我々は調査に来た。自然を荒らしたいわけではない。宇宙人とも穏やかに話そう。何も交渉をするつもりではない。ただ話しをしたいだけだ。 

 妖精女王との面談は大変助かった。宇宙人と話しは出来そうだ。絶対に敵対出来ない相手だ。

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