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         226 国防

 王家の夕餉でマリエールは国防に付いて語った。西側の国が一方的に関税を引き上げると言って来た事の対応だ。

           226  国防


 国王はマリエールに、

「マリエールは国防に関してどんな提案をしてくれるのかな。」

マリエールは淀みなく。

「先ず、西側直轄地の住民に半年間の徴兵制度を導入して西側国境で軍事演習をやります。西の国への威圧に成るし、住民を即戦力に出来ます。次に西の国の輸入品にも同等の関税をかけます。武器の改良をします。新しい武器を提案します。騎馬隊を作ります。軍馬の育成、乗り手の育成に努めます。武器の改良新しい武器を作るために鉱工業を発展させます。具体的な案が出来ましたら国王陛下にご提出します。」

国王は自分の自分の娘の聡明さに驚いた。この国は軍事関係に国が携わる事が殆どなく国王の常備軍は近衛兵1000名だけでしかも東の国寄りの貴族から借り出す形を取っており、東の国以外の周辺国にもなめられている。娘の言うとおり毅然とした態度を示すべきだろう。国王はマリエールを褒めた。マリエールは嬉しそうに微笑み、

「もし、国王陛下のご許可が頂けましたら西側の国に軍事的なアピールと貿易外交交渉を行なってまいりたいと思うのですが、ご許可頂けないでしょうか。」

正直不可解な話しだ。徴兵制度をひくにせよ実働には何ヶ月も先になる。軍事的なアピールをするにはある程度の規模の軍が必要だ。中途半端の軍では逆効果だ。外交交渉など3歳の幼児が出来る筈がない。国王はマリエールに聞いた。

「策があるのか。」

マリエールは微笑んだ。

「西の国の王城近くにドラゴンを10頭ほど放ちます。拡声器でドラゴンは我が国の物だ。降参するなら国城の塔に白旗を掲げよ。と伝えます。外交交渉では賠償金と貿易関係の改善を求めます。決裂すれば再びドラゴンを放ちます。」

国王はそんな事が可能なのか怪しんだ。しかし、この娘なら可能なのかも知れない。試しにやらせる価値はある。

「良かろう。許可する。外交大臣には話しておく。交渉には外交大臣を許可を取りなさい。」

マリエールは拝命した。

 夕餉は他の子ども達に移った。勉学や仕事の話しをした。夕餉が終わり、子ども達はそれぞれの部屋に戻った。国王と第一王妃、2人の側近達は茶室に移った。国王は蒸留酒を嗜む。王妃は果樹酒だ。酒のつまみは木ノ実とクッキーだ。国王は第一王妃や側近達に尋ねる。

「マリエールの言う事は本当なのだろうか。奇想天外な事をマリエールはいろいろやって来たが今回は常識外れだ。もしも味方のドラゴンを敵側に送れるとすればこの国は最強になる。国同士の関係が一変する。マリエールの事だ。単なる戯言言った筈がない。何か強力な武器を編み出した筈だ。それなら我々も軍事強国としの自覚を持つ必要がある。」

この国の王家は東の国との血縁が深い。代々第一王妃は東側寄りの貴族から嫁ぐ。血の偏りがないように配慮はされているが、国王とその第一王妃の家族は東側の国の血が濃い。当然第一王妃にすれば

「実家や実家の出身の国の東側の国と事を構えるのは許されませんわ。国王陛下も東側の国の血の方が濃いのでしょう。」

 西側の領地の徴兵制度、軍事演習、武器の改良と、別にドラゴンを送り込んで降参を促す案を出して国王に了承された。

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