208 ロイドの経験
ロイドはマリエールに広場や遺跡を案内された。ドラゴンゾンビはハリボテだ。
208 ロイドの経験
マリエールはロイドを広場に誘った。ドラゴンゾンビは作り物だった。
「あなたのように警戒したり逃げ帰る事を期待しているの。あまり人に来られたくないでしょう。」
マリエールはドラゴンゾンビの模造品を何度か叩きながらそう言った。ロイドは遺跡の入り口に案内された。財宝の山だ。目眩むようだ。
「気に入ったものなら持って行って構わないけど先ほど上げた分あるから飛ぶのが難しいでしょう。」
マリエールとロイドは遺跡内の喫茶室に入った。
ロイドはいろいろ説明を聞いた。ロイドはここに来る経緯を話した。ギルド長がマリエールに説明すると言う話しにマリエールは反応した。
「ギルド長からそんな話聞いていないわ。連絡で私が飛んできたけど。私がいないであなたが一人で遺跡に入ったら殺される所だったわ。」
マリエールの話は間違っていない。到達したチー厶は一年間遺跡を独占する。その過程で戦闘が起こる。殺されても侵入した者の責任だ。
ロイドは還った。荷物が重くて飛びにくい。しかし、任務を達成出来た喜びは大きく。意気揚々とホー厶に戻った。メンバーにマリエールの言葉を伝えた。ギルド長が嘘を言った件だ。一歩間違えたらロイドの命はなかったしギルド長は命を預けられる人間ではない。
ロイドのメンバーは噂を流した。依頼達成の報告でもマリエールの言葉を話した。ギルド長は宰相に呼ばれた。
「きみの事がギルドで問題になっているようだ。きみはどうしたい。」
ギルド長は問題にされて無視出来るほど破廉恥な人物ではない。
「ギルド長を辞任します。」
宰相は暫く考え、
「遠くの地でギルド長の職に就ける事も出来るがどうだ。」
ギルド長は、
「皆の信頼を裏切りました。これ以上ギルド長を続けれません。」
ギルド長の辞任は決まった。
国王と宰相は今回の成果を話しあった。国王は、
「持ち帰った物は目新しい物はなかった。ただドラゴンゾンビの模造品はあったようだ。王国魔導師団長の死因は判らないが、マリエールの手下に殺られた可能性も出てきたぞ。」
宰相はいささか呆れた。
「幾ら何でも、ドラゴンゾンビとマリエールの手下を見間違えるわけがありません。王国魔導師団長の殺害は副団長の仕業です。」
ロイドの時も副団長の時も土産をくれた。ダロス時はどうだか判らないが、マリエールに了解を得れば問題がない。それに今回無事に遺跡内に入れた。目新しい発見はないがマリエールが何か企みをしている心配が消えた。
ロイド達龍の使いは依頼の報償と宝物の売り上げで大きな利益を上げた。ギルドへの不信感をはっきり伝え、指名依頼でも信用出来ない依頼は断わる事を伝えた。龍の使いは良くギルドに顔出すようになった。同じく暇なマリエールも顔出す。お互いに知った顔だ。合同依頼もこなすようになった。
今回はA級冒険者以上を10名への護衛依頼だ。龍の使い5名とマリエール、クランから応援4人だ。S級4人とA級6人だ。守るのは隣街へ行く馬車50台小規模の商店が依頼料を持寄った。
龍の使いはギルドに深い不信感を抱く。指名依頼でも断わる事もあると伝える。