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         206 冒険者

 ギルド長はフライの使いロイドの所属するS級冒険者チー厶龍の使いを呼び出した。湖底の遺跡を調査するためだ。

            206  冒険者


 Sランク冒険者チ·ー厶龍の使いはギルド長の呼び出しを受けて居た。依頼の話しだ。ギルド長は、

「湖底の遺跡はマリエールが到達したが、その後誰も到達して居ない。何でも底には有毒ガスが溜まっていてフライが使えるものしか行き来が出来ないらしい。この依頼はチー厶団長のロイドだけへの依頼になるが、チー厶全員に聞いて欲しい。別にマリエールが不正を行なっていると言う証拠があるわけではない。ただ遺跡の採掘が正常に行なわれているか確認がしたいだけだ。」

到達された遺跡の確認が冒険依頼になる事は知らない。マリエールの事は個人的には知らないがマリエールは気前のいい綺麗なお嬢様だと聞いた事がある。きっといい所のお嬢様が腕のいい家来を連れてやってるのだろう思って居たがこんな所で聞く名前とは思わなかった。メンバーが口した。

「ギルドの判断ならお断りします。他人が到達した遺跡をわざわざ確認しに行く理由がありません。それにフライで持ち運べる量に限りがあります。メリットがなく、下手をしたらマリエール達と戦闘になります。」

これは根拠のない事ではない。苦労して到達した遺跡を横から取り上げる行為は推奨されていない。容易く行ける遺跡でも1年間は手を出さないものだ。ギルドがそんな事判らない筈がない。湖底の遺跡が開放されて2ヶ月しか経っていない。喧嘩を売りに行く様なものだ。マリエールは回収作業に追われている筈だ。そんな所にロイドが行ったら戦闘になる。ロイドはS級冒険者と言っても一人だ。相手もS級冒険者でドラゴンスレイヤーで10人以上いる。人数は不明だ。マリエールの招待を受けているなら別だけど。

「ギルドからではない。国からの指名依頼だ。依頼料も破格だ。受けてくれたらマリエールとの仲は取り持つ。ロイドは行ってマリエールから渡される荷物を持ち帰るように話しをする。」

ギルド長は指名依頼の書類を見せた。通常の指名依頼の10倍の依頼料だ。ロイドは信じて依頼を受けた。

 ギルド長は良心が咎めた。マリエールには何も言わないように念を押されており。依頼を受けさせるためにロイドに嘘を言ってもいいと言わている。どうせマリエールはほとんどギルドには来ない。

 ギルド長がマリエールに会ったのはゲルド文明の財宝と資料文献の引き渡しと先月分の代金を受け取った所だった。ギルド長はマリエールに声を掛けた。

「マリエール、今日も大量の宝物だね。買い取り価格もいい価格だったかい。」

マリエールは微笑んで、

「お陰様でいい価格で買いとって頂きました。湖底の遺跡は無尽蔵ですから買い取り価格が下がるのが心配です。他の国とも伝手を作るかどうか迷っています。」

この国が最も怖れる事を平気でいう。この女性に危機感は存在しないのだろうか。そしてロイドの事を伝えたい衝動が込み上げた。マリエールならば、こうして話せば納得すると思った。

 ロイドにはマリエールに話したから出発するように伝えた。

 ロイドに納得させる為にギルド長はマリエールに話しておくからと嘘を言った。湖底の宝物の納品の時マリエールと立ち話しした後、ロイドに出発を促がした。

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