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       203 王国魔導師

 国王はフライを使える王国魔導師団の2人を湖底の遺跡に派遣した。ドラゴンゾンビが現れ、団長は倒され、副団長は逃げて返った。

          203  王国魔導師


 国王は王国魔導師に湖底の遺跡の捜索を命令した。王国魔導師団にはフライを使える者がいる。難攻不落だがフライの魔法が使えれば何とか到達出来るかも知れないとマリエールが言っていた。毒ガス溜まりや断崖絶壁があり長い通路があるそうだが。フライの使える魔導師なら問題ないだろう。フライの使えるのは王国魔導師団長と副団長だ。

 200kmという長距離だがフライを使えば2日の距離である。3日目に湖底の捜索を開始した。高低差の激しい通路が続く。毒ガス溜まりがあるというので高度を上げ続けなければならない。時々高所で休憩して飲食を取った。長い道中だったが終点が見えた。ところがいる筈がない物がいる。ドラゴンだ。しかもただのドラゴンではない。ドラゴンゾンビだ。聖魔法も我々は使える。戦えない相手ではない。

 ドラゴンゾンビとの戦いが始まった。ドラゴンとの戦いは経験がある。ドラゴンよりも強いという事はないだろう。聖魔法はドラゴンゾンビには有効だ。痛打になる。十分に弱ったところを団長が止めを刺すために近づく。団長が止めの魔法を放つ直前ドラゴンゾンビは団長の方を向きドラゴンブレスを放った。団長は消え去った。

 副団長はひたすら逃げた。ドラゴンゾンビはそれまで一度もブレスを放たなかった。ドラゴンゾンビがブレスを放てる事も知らなかった。知っていれば団長も近づかなかったろう。副団長は行きより早く王都に戻って宰相に報告した。

「ドラゴンゾンビがいるという話しはマリエールに聞いて居ないが明日マリエールを呼んで聞いてみよう。明日の2時でどうだ。その方の話をしっかり聞きたい。」

翌日は国王も臨席して報告会が開かれた。副団長は今回の報告をした。マリエールは、

「初到達時にはドラゴンはいましたよ。でもそれ以降ドラゴンにもドラゴンゾンビにも出会っていません。そんな物がいたらお宝探しが出来ませんよ。そこまで辿り着いたらお宝を手にしたのでしょう。」

国王陛下もドラゴンゾンビの事は信じで居ないようだ。

「お前の言葉が真実だったにせよ。一人だけ逃げ返って来たのは腑に落ちない王国魔導師団の副団長ならばそのドラゴンゾンビを討ち滅ぼし討伐証明を持ち帰るべきであろう。今回の行い失望したぞ。」

国王の言葉は副団長の胸に突き刺さった。

 会議室にドヤドヤと兵士が入って来た。

「宰相のご指摘通り副団長の部屋からこんな物が出てきました。」

と言って、兵士達ゲルド文明の財宝と文献を出した。これで副団長は黒だ。国王は、

「副団長、これは何だ。」

副団長は知らぬ存ぜぬの一点張りだ。国王は、

「この者を窃盗と王国魔導師団長の殺害容疑で捕らえよ。」

副団長はわあわあ喚いた。それはそうだろう。ゲルド文明の財宝や文献はマリエールがしのばせた物だからか。

 国王陛下は、

「世の手札にフライを使える者が居なくなってしまった。フライの使えるのは世の知る限り、偏屈な魔法使いと冒険者の2人だ。」

 副団長は窃盗と団長の殺害容疑で捕らえられた。国王はフライを使える者を後2人知っているそうだ。

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