200 冒険者ギルド
ギルドの報告は大変だった。何しろ未知の場所なのだ。説明が難しい。しかもゲルドの宝物だ。
200 冒険者ギルド
その日は大変だった。10年振り未到達の遺跡への到達、しかもドラゴン討伐だ。マリエール詳しく説明させられた。湖底の遺跡については細かく正確に伝えた。ありのままに伝えるだけだから。しかし、赤龍については説明し辛い。古竜との戦いをイメージして激戦を勝ち抜いた事にした。
「20名のメンバーで討伐しました。ドラゴンブレスをまともに喰らわない事に注意しました。お互いに注意しながら連携をとって戦いました。剣と槍と魔法で戦いました。」
場所の特定が特に大変だった。この街から200kmほど離れた土地だがその湖の記録がない。遠過ぎて記録がない。エルフの土地の北は人間の行ける所ではないと認識されている。エルフの地の北にあるこの湖は人間のいかない地だ。次は宝物や赤龍討伐の品の確認だ。あまり魅力のない宝物の複製と魔石、牙、爪の複製を出した。ギルド長が感嘆の声を上げた。
「これはゲルド文字だ。するとこれはゲルドの遺跡か。かつて人類が最も栄えた時代。大災害でほとんど資料が残っていない。高値で買わせて貰うよ。ドラゴンの魔石等は鑑定に回す。どちらも支払いは10日ほど待って欲しい。」
ギルドから解放されたのは昼を過ぎてからだ。受付で街の近くの遺跡のお宝の依頼とオークとゴブリンの討伐依頼を受けた。オークとゴブリンはアイテムボックスにある。街の近くの遺跡も同じ文字だと気がついて、確認したい思ったのだ。
やはりゲルド文字だ。資料と銀貨を持ち帰った。依頼達成の確認の時、この銀貨の文字はゲルド文字で書かれいて珍しい物とギルド長に聞いたと伝えた。しかし、受付嬢は
「ゲルドの宝物は確かに珍しいが、通貨自体はありふれています。」
と答えた。確かに文明その物は滅びても、通貨自体が滅びるわけではない。
10日が過ぎギルド長に呼ばれた。
「あの宝物は確かにゲルドの物だった。その結果とドラゴンの魔石等を王城に持ち込んだ所、国王から褒美やら称号やらランクが与えられる事になった。今直ぐに向かう。」
慌ただしい事だ。
3日後に王城に着いた。謁見室には学者風の者が多い。国王のお出ましだ。国王からお言葉があった。
「その方、今回ドラゴンを仕留め、ゲルド文明の遺跡に到達してゲルドの宝物をもたらした事は見事、ドラゴンスレイヤーの称号と証明書、S級冒険者としてランクアップした事とギルドカード、ドラゴンの魔石と牙と爪、ゲルドの宝物の代金を支払う。湖底の遺跡には踏み込めないというそなたの言より第二次遠征に国が付き添う事は諦める。その代わり各種資料、文書を買い取るので持って来るように。」
続いて宰相、文部大臣、学者の代表から言葉があった。高い評価されたのは判ったし、買い取り金額にも文句はない。
マリエールは湖底の遺跡への第二次遠征について伝えた。ギルド長のところに案内された。ギルド長より、
「今回の報奨は一旦冒険者ギルドから出す。この間の様子では国の期待が高い。高価買い取りの可能性もある。その場合後日差額を支配う事になる。」
他所に回すなと念を押された。
マリエールの第二次遠征が決まった。ギルド長よりお達しがある。他所に回すなだそうだ。