20 魔王討伐
レイシア達は、魔王攻撃の命を受けた。青い翼のクランチー厶が6チー厶とマリエールのアンドロイドだ。
20 魔王討伐
青い翼のメンバー、マリエールのアンドロイド、オリビアもいる。全員が揃った。マリエールは、
「いよいよ魔王討伐です。油断せず、魔王を確実に仕留めて下さい。オリビア様お願いします。」
全員掛け声をあげ、転移門を潜った。
転移先は広いドー厶だ。閉鎖された魔素溜まりに続く通路もこの先だ。魔王の部屋に向かう。先発しているアンドロイド達が魔王の手下と交戦中だ。数が多く、中々の魔法攻撃だ。しかも後から後から溢れてくる。
「再生魔法だ。大元の魔王を倒さないと収まらないぞ。」
威力の高い爆撃魔法で道を開き、魔王の元まで来た。魔王は手下を再生している。ちらりとこちらを見るだけだ。
「おのれ魔王、目にものを見せてやる。」
レイシアはいきり立って魔王に一撃を食わせた。レイシアは魔王の首を跳ねようとした。かなり喰い込んだが跳ね切れてない。レイシアのチー厶は次々と魔王に攻撃を加えた。レイシアの貫通魔法が魔王の眉間を捕らえ、決まった様に見えたが魔王は死ななかった。
「不死身? 」
レイシアからそんな言葉が漏れた。
体長50mの巨漢、手下を作り出す能力、自分にどんな傷を負わしても再生してしまう能力。不死身と言っても良いだろう。しかし、本当の所は、魔素の少ない中で再生魔法を使うのは厳しい。外の魔獣を操ること出来てない。魔素さえあればこんな奴ら相手にもならないが、厄介な事だ。と魔王は思う。
この魔王は普通の魔王より賢かった。これまでの魔王は地上で魔獣達を操り、魔王城に立て篭もり、結局勇者や聖女に討伐された。この魔王は魔素溜まりのある地下に立て篭もり、地下から魔獣を操り人間世界を弱らせつつ、魔王が成体になり無敵の力を持ち人間世界に君臨出来る様になってから地上に進出する予定だった。成体になれば勇者も聖女も怖れる事はない。この地下は空気はない人間である勇者も聖女も来る筈がない。予定が狂ったのは地下の魔素溜まりが小さい事だ。別の魔素溜まりから魔素を運ぶ必要があった。それを見つけられ侵入を許した。空気のない所で動ける。こいつも俺の手下達と同じ魔導人形か。
レイシアは焦っていた。魔王には再生能力がある。手下も幾らでも作り出せるし、自分の傷も治せる。レイシアは自分の中のオリビア様に聞いた。
「オリビア様、魔王は再生能力があり倒せません。お知恵を拝借させて下さい。」
レイシアはオリビアに縋った。
「腕なら切り落とせるだろう。再生したらまた切り落とす。何度も切り落とす事だ。切り落とした腕は収納して使用されない様にする。再生が出来なくなったらとどめを刺す。」
アンドロイド達は決死の覚悟で実行した。巨大な魔王の腕を切り落とすのは容易くない。数体のアンドロイドが協力する。何度も何度も繰り返した。魔王ももちろん反撃する。主に魔法攻撃だ。アンドロイドに魔法攻撃は効きにくい。牙や角の攻撃、腕での攻撃、体当たりなども有効な攻撃にならない。両腕が10回づつ切り落とされてから新たな手下は作られなくなった。魔王の悲痛な雄叫びが続く。何十回繰り返されたろう。腕が再生されなくなった。オリビアは、
「総攻撃に入れ。」
と叫んだ。その声はレイシアを通じて全員に伝わり。魔王は絶命してレイシアに収納された。
魔王は再生能力があった。勇者の破壊の力と聖女の殲滅の魔法が必要だったのはそのためのようだ。オリビアはひたすら腕を切り落とす様にレイシアに告げた。