196 遺跡
クランとのバーべキューパーティーは続く。マリエールは遺跡の事を聞く。未到達の遺跡には強大な魔獣がいるらしい。
196 遺跡
クランの団員の話しは続く、
「あんた、最速でCランクまで上がったマリエールだろう。ギルドの中じゃあんたの話しで持ち切りだ。最速で未到達の遺跡に辿り着くんじゃないかって。仲間もいるようだしやれるかも知れないと思わせる物があるな。しかし、未到達の遺跡にはそれを守る魔獣がいる。ドラゴンだっている場合がある。引く勇気も時として必要な事を覚えている事だ。」
マリエールは礼を言った。それからいろいろな話を聞いた。ここから100km以上離れた所から未到達の遺跡があり、断崖絶壁の上にあったり地中深くにあったりするらしい。強大な魔獣が守る事が未到達の遺跡の証らしい。
バーべキューパーティーで野菜を出したりビールを出した。ビールはこの星ではない飲み物だ。バーべキュー自体存在しない。不思議に思う者はいる。知らない料理、知らない飲み物、常識外れの能力。まるで別の星から観光にでも来たようだ。
マリエール達は引き上げて行った。残ったクランの連中はバーべキューの美味しさやビールの美味しさを語った。一人のA級冒険者は、
「彼奴等、多分人間じゃない。笑って居たけど感情が籠もってなかった。人間なのはマリエールだけだ。でもマリエールもこの星の人間じゃない。恐ろしく能力が高い。はっきり言えば化け物だ。」
この言葉にくれないのメンバーが反応した。
「マリエールがなにか我々にしたのか。今日だって美味しい料理や飲み物をご馳走してくれたじゃないか。失礼じゃないか。」
A級冒険者は、
「言い方が悪かったら謝る。しかし彼女達を見掛けで判断してはならないという事だ。」
それ以上マリエールの事を詮索する者はなかった。
ある日マリエールはギルドの受付で、
「暫く、北の遺跡を探索して来ようと思います。お宝が見つかるかどうかも判りませんので、報告にとどめます。」
ギルドは盛り上がった。トレジャーハンターの前線基地のようなこのギルドでも北の遺跡に向かえるのはクランの指揮の元だ。受付嬢は問う。
「まさかソロで挑むつもりじゃないわよね。」
マリエールが答える前にくれないのメンバーが、
「マリエールには強い仲間が10人以上いる。心配ないさ。」
厳格には、冒険者以外が冒険者を手伝う事は褒められた事ではないがトレジャーハンターには冒険者以外の者もいる。この星では普通の事だ。受付嬢はならいいけど、と言った。
北の未到達の遺跡に出発だ。先行しているアンドロイドが幾つか遺跡を見付けた。全部未到達の遺跡かどうか判らないが、くれないの翼の言っていた断崖絶壁の上の遺跡があったのでそこに向かう事になった。アンドロイドが転移陣を置いてくれてあるので直ぐに行ける。
まさに断崖絶壁の上である。グランドキャニオンのような景色だ。しかも四方八方が断崖絶壁で頂上には僅かに遺跡の入り口と広場しかない。数km四方だ。どんな魔獣が出て来るのか楽しみだ。
入り口に入った。奥は深い。奥に進むと広場があった。
マリエール達が帰った後、クランの連中で雑談になった。一人のA級冒険者がマリエールに強い力を感じると言った。