179 アリサ 17
アリサの助言でアリサの故郷の国は税収不足から開放された。皇太子の王子の策で大勢の人が潤った。
179 アリサ 17
アリサの助言でアリサの故郷の星は税収不足の危機を脱した。一方で西の国はそこまで大胆な人員削減が出来ず商品に課税したため西の国の商品が売れないという悪循環を起こした。西の国は伝統のある文化の高い国だが、衰退を始めた。
一方で皇太子王子が辣腕を振るい出した。20歳を越した王子は人員削減、流通開発部門で見事な働きを見せ、西の国、北の国、アリサ国と語学力を活かした見事な手腕を見せた。特に西の国での国で様々な物を買い取り、自国で加工して自国や他の国々で売り捌くやり方は彼の立場だから出来る巧妙な一手だ。原材料を売り捌く西の国、加工する自国、複製して売り捌くアリサ商会にも有益な話しだ。こういったことが王子の最も得意とする分野だ。
アリサは北部地域への進出を決意した。北の国の海沿いを北上して行く。新しい魚種が加わる。鱈やシシャモだ。食生活が豊かになる。海沿いの北上は珍しい動植物との出会いがあり楽しい。
アリサ国西海岸沿いにも北上した。魚種も様々だ。西海岸は途中で終わった。陸路を歩いて行くと湖があった。とは言え対岸が見えるわけではない。淡水なので湖だと思っただけだ。湖の北に出ると動植物が変わった。植物はほぼない。動物も海獣や北極熊だ。ここに来て再び海だ。北の国の海を北上している連中と連絡を取っている。間もなく合流だ。彼らの顔が見えて来た。真北に向かえば、一点に向かう。この当たり前の事実を目の当たりにして寒さなど感じぬ肉体を持つアリサが寒さで身が凍るような感触がした。
その頃マリエールは宇宙に出る決意をしていた。宇宙に出た記憶があるのに宇宙を避けて通るわけにはいかない。マリエールは宇宙に出る。そのための宇宙船を作る。宇宙船の記憶は前のマリエールの記憶にある。かなり明確な記憶であり大事な記憶なのだろう。材料はアンドロイドが集め、組立もアンドロイドが行なった。記憶通りである。起動も上手く行き、順調に進んでいる。宇宙空間に出た。上手くいったと安心していると声がした。
「マリエール、きみはこの宇宙船をどこに向かって飛ばしている。」
頭の中で響いている。
「シリウスの第4惑星です。」
声は呆れた様にいう。
「きみはこの宇宙船にプログラミングしたか。」
知らない言葉だが指令信号だろう。
「いえしていません。」
ため息の声がした。
「きみの記憶にあるマリエールはきみが宇宙に出る予定はしていなかったから記憶に残す事もしなかった。しかしきみに死なれるのも困る。プログラミングの能力をきみに与えるからアンドロイドに渡せ。取り敢えず目的地に向かえる。まずそれからだ。」
マリエールはプログラミングの能力を受けた。そしてアンドロイドに与え、目的地までのプログラミングして宇宙船を操作するように命令した。
声は次に、
「私はその方に何故宇宙に向かのか聞いておらん。そちは故郷の国生活する筈だったのに勝手飛び出す。何とも手がかかる奴だ。」
声は怒りを露わにする。
マリエールは宇宙船で宇宙に出掛けた。プログラミングが出来て居らず声に助けられた。