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        178  アリサ 16

 ダライアサンのエリクサーは若返りの妙薬だ。国王に投薬した。効果は覿面だ。顔が若返った。頭が明晰になった。

          178  アリサ  16


 ダライアサンは即死した。ダライアサンを収納してエリクサーを作った。やはりリバイアサンとは違う物だ。ダライアサンのエリクサーは病気だけで無く老化や障害にまで効果がある。

 国王陛下にダライアサンのエリクサーの使用を進言した。老化が進み、皇太子への移譲を検討していると聞いたからだ。アリサは皇太子に聞いた。

「移譲が正しい道ならば、お勧めしません。しかし、今国王は名君、ダライアサンのエリクサーは若返りが可能です。限度は20歳の若返りですが、その間に円滑な引き継ぎできるでしょう。」

皇太子は納得した。皇太子は凡庸ではない。もう十分に王として立てる。ただ孝行を尽くしたいと思うだけだ。ダライアサンのエリクサーは寿命を延ばす効果はない。ただ老化による判断が鈍る事を防止するだけだ。

 国王にダライアサンのエリクサーが投薬された。ダライアサンのエリクサーは効果覿面60歳を超えた国王の顔が40歳ぐらいに見える。頭脳も明晰になり経験と合わせて判断に迷わなくなった。多分最高の名君だ。

 国王はアリサに尋ねた。

「そちの提案によって4ヶ国では関税をかけない事に決まった。私は税収が減るから商品に税金を掛ける事にした。そうするとこの国物が割高になり売れにくくなった。アリサどうすればこの国は纏まる。明晰なその方の知恵を貸してくれ。」

アリサは少し考える素振りをした。答えは始めから決まっているのだろう。

「アリサ国と北の国には国独自の軍隊はありません。だからと言って弱いわけではありません。見誤って滅びた南の国の例を挙げる必要もないでしょう。アンドロイドは一体で数万人の兵力になります。独自の軍隊を持っていても意味がありません。そんな物を持っていても税金の無駄使いだし私から見ると、アンドロイドが信用出来ないのかと思えます。人間の役人を雇うよりもアンドロイドの役人を雇う方が安上がりだし効率的です。幸い人手不足なので軍人や役人の首を切っても仕事がない事にはならないでしょう。」

国王にはアリサの言葉が痛いほど判る。アリサ国と対立すればこの国は消滅する。国独自の兵力など意味がないばかりかアリサ国への反逆行為と見なされる危険な行為だ。貴族領の兵隊がほとんどないこの国さえ危ない。貴族領軍も近衛軍も数が多い西の国は危険な状態だ。アリサは言葉を続ける。

「税収の減収を気にするよりも、減収に伴う人員整理を優先するべきでしょう。」

国王はこの問題を乗り切るためにダライアサンのエリクサーを与えられたと思った。

 9000人の近衛兵の内5000人を削減する事になった。3万人の役人の中で一万人の役人を削減する。これはアリサがアンドロイドを回してくれる事が条件なので一方的には決められない。この軍人と役人の削減の事は西側の国に大使館員を通して伝えた。数日後、西側の国の大使が詳細を知りたいと面会を求めて来た。面会に応じてアリサとの話し合いの事を詳細に語った。

 国王はアリサに相談した。4ヶ国間の関税を無くして税収が減った分の対応についてだ。アリサは独自の軍を削減して役人をアンドロイドにすればいいと答えた。

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