175 アリサ 13
クーデターを起こした3人の弁明を聞いて国王は気分を害した。国がアリサ商会一色になるのは当然の事だ。
175 アリサ 13
国王陛下と皇太子陛下の前に第2王子と第2王妃と侯爵が捕縛され足を貫かれ転がらされた。国王は第2王子に語る事あるかと聞いた。
「国王陛下は皇太子陛下しか見ていません。本当はもっと広く見るべきでした。」
国王は興味を失って第2王妃を見た。第2王妃は、
「これは、アリサの悪計です。騙さてはいけません。」
国王は侯爵を見た。
「国民の怨嗟が満ち溢れています。国王は国民の声に耳傾けるべきです。」
国王は近衛隊長に指示を出した。
「3人を明日極刑に処せ。」
クーデター加担した商人、役人、貴族への処分は厳格だった。大量に商人が減ったが影響は軽微だった。役人は密告しあい収拾が付かなくなった。アリサ商会の店員が手伝った。第2王子に加担した貴族は全てお取潰になった。
領地のほとんどが直轄地になった。各地に代官が配置された。アリサ商会の色に染められた。皇太子妃の父親が貴族の中心に座った。アリサ商会一色に染まるのに慎重な人だが、敵対するのではなくアリサとも良く歓談した。
アリサ商会の次の目的は西の国や北の国との流通だ。西の国とは順調に運びアリサ商会の西の国の店舗も出来た。今後拡大するだろう。問題は北の国だ。国交が中々開けない。民間レベルでは黙認で流通はあるが正式な物ではない。
アリサはアンドロイドを何体か送り込んだ。結果北の国の西側の国の属国になっており独自の判断では国交が結べないらしい。
アリサは国王、皇太子にお願いして侯爵に任じて欲しいと頼んだ。ごれは前々からあった話しだ。アリサのアンドロイドにも伯爵、子爵、男爵など多数貴族に任じて貰った。国王に北の国への宣戦布告状を書いて貰った。国交のない北の国では使者や手紙では通じない、北の国の王城の上空で拡声器で宣戦布告状を読み上げた。北の国の西側の貴族の粛清が始まった。
「我が国は北の国へ侵攻するが北の国に危害を加える意思はないので攻撃しないように。」
と伝えた。
侵攻が始まった。転移陣で移動して来たので早い。単発的な攻撃はあるが、簡単に収まる。アリサ達は北の国の王城に侵攻した。北の国は無条件降伏した。国交が結ばれ、北の国の西側の国を攻める事になった。
アリサは戦場に立った。戦争らしい戦争は始めてだ。とは言え一方的な戦いである事は変わらない。何時ものように兵隊、王侯貴族は収納してお宝も手に入れる事は変わらない。アリサ商会の国だ。アリサの国と命名した。支配階級のいない商業国家だ。人口、面積とも大きい国だ。西に海に面しており、アリサ商会が全権を握った。
一気に国交、流通が広がった。アリサ国の建設など認められないという声がアリサの故郷の国から上がる。国王や皇太子はこの件に触れない。アリサに救われた負い目がある。声を上げた本人もそれ以上には言わない。翌朝目を覚まさない自分を思い浮かべるからだ。本人が思った通り、声を上げた者は翌朝目を覚まさなかった。降爵して跡継ぎに引き継いだ。
今後は西の国と北の国との交易だ。西の国とは順調に進んだ。北の国はその西の国の属国なのだそうだ。北の国に戦争を仕掛け国交を結んだ。