172 アリサ 10
一年が経ち皇太子妃の診察と王子王女の読み聞かせに王宮にやって来た。皇太子に商会の許可申請をお願いした。
172 アリサ 10
1年経った。皇太子妃の診察と王子王女の読み聞かせだ。王子は5歳で家庭教師が付くから王子王女は別々に読み聞かせをする。皇太子は時々食事する。アリサは商会の許可申請を頼んだ。後日紹介状と申請用紙と担当者の名前を教えくれた。
皇太子妃は商会に興味を持ったようだ。皇太子妃は、
「アリサは薬師だけじゃないのね。商会を立ち上げるなんて凄いわね。」
アリサが申請するのは全国規模の商会の申請だ。王宮出入りも貴族との取り引きも出来る本格的な商会だ。
「薬剤と日用品、ジュエリーなどを扱うつもりです。」
皇太子妃の化粧品など取り扱う事も決めた。
商会は没落貴族の王都の屋敷を購入した。他に富豪の住む場所の土地を購入した。商人者ギルドにも登録した。建設作業も着々と進んだ。
街に戻る前日、皇太子一家の夕餉に招かれた。アリサは皇太子一家にプレゼントをした。皇太子にはウィスキーとグラスと細かい氷を差し出した。
「ウィスキーというお酒です。酒精が強いので氷で割ります。」
皇太子は一口飲むと、
「美味い酒だ。商会で扱うのだな。」
アリサは頷いた。皇太子妃にはネックレス、王子にはブローチ、王女には髪飾りをプレゼントした。良い広告になる筈だ。
街に帰って開店のお知らせをした。どんな店があるかも知らせた。貴族にもお知らせは済んでいる。
開店の日大勢の人が詰めかけた。王宮や貴族の館にも出掛けた。行商も始めた。妨害もある。物理攻撃するものは拘束して事務所で収納する。敵対する商店や役人などは、その夜に心筋梗塞で亡くなる。貴族も同様だ。
暴力行為は中々収まらない。毎日収納している。治安部隊の創設を検討する。アリサ商会を良く思っていない商人、役人、貴族は少なくない。日々そう言った連中の心筋梗塞は続いているが、大きなイベントも必要かも知れない。
まずは治安部隊だ。10人一組で10組作った。アリサは、
「収納した奴らの記憶で、盗賊、山賊、ヤクザ等のアジトが知れた。襲撃して人間は収納して財宝を奪う。現在判っているものは51組織だが、新たに判った組織も襲撃するように。」
一斉に動き出した。マードル商店は悪どい商売をしてきた。店長や関わる役人は全て心筋梗塞で死んだ。マリエール商会に殴り込んだ奴らは帰って来ない。3度繰り返したが同じだ。後を長男が継いだが頼りない。潮時かも知れないと思う。
あれこれ考えていると襲撃にあった。人間も金目の物も全て消えていく。俺は脱兎の如く逃げ出した。隠し金庫に逃げ込めば助かると考えた。隠し金庫の扉を開け中に入り扉を閉めようとした時胸に痛みを覚えて意識を失った。
目を覚まし時長男の死体があった。長男に腹を刺されている。長男の胸にナイフが刺さっている。警官と思われる連中がなにか言っている。
「つまり、用心棒として雇われていた彼らが店を襲い、皆殺しにしたのですね。用心棒は大勢いたようですから、持ち逃げしたようですね。」
違うと言おうとしたが喋れない。
商会は順調にスタートした。妨害をする輩がいる暴力的な方法で妨害する者は収納する。妨害しようとする商人や役人や貴族は心筋梗塞だ。