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        164 アリサ 2

後宮に連れて行かれ、国と接触した以上、隠す事はない。臓器等を作り移植する。王侯貴族貴族が取り込もうとしたら転移して逃げる事を医者達に伝える。

          164  アリサ  2


 翌日から精力的に診療に回った。逆子や双子の胎児が見つかった。対応についていろいろ説明した。盲腸炎にかかっている者も見つかり直ぐに手術をした。アリサが帰って来てほっとする者が多い。存在が国に見つかってしまったのだ。あまり存在を隠す意味はないだろう。対応が難しい腎不全の患者で希望する者にその者の万能細胞から腎臓を作り移植する。効果は覿面である。腎臓だけではない。膵臓、肝臓、心臓、手足の欠損、眼球---------。希望に応じて移植する。案外噂にならないものだ。それ程忙しくならない。結構高い値段設定にしてあるせいか。アリサの魔法も高まる。捕縛されても転移で逃げられる。何もこの国でなければ生きていけないわけではない。

 覚悟を医者達に伝えた。医者は、

「このメンバーで価値のあるのはアリサだけだろう。お前が教えてくれた事を大切にしていくつもりだ。お前はお前が生きて行きたいように生きればいい。」

他の人も同じように言ってくれた。後宮を出て2年半後、再び後宮からアリサに呼び出しがあった。治癒魔法使いは一人立ちしていた。だから呼び出しがかかるのはアリサだけだ。アリサも14歳ある程度成長している。逃げるか応じるかだが、診療所から逃げるのは医者達に迷惑がかかる。話しだけは聞いてそれから逃げるのが妥当だ。後宮から迎えの馬車が来てアリサは乗り込んだ。同じ馬車に皇太子妃の筆頭の側近が居た。筆頭側近は、

「皇太子妃が妊娠された。そなたを呼ぶには予定日から考えると早いと思うが後宮の医者に拠ると二子目でもあり出産が早まる兆候があるそうだ。」

そんなあやふやな情報で呼び出されたくない。出産が早まるならいい事ではないか。経産婦なのだから問題ないだろう。

「問題はある。前回その方の神がかり的な手腕でなんとか出産が成功した。しかし、そのせいか出産の兆候がありながら産道も胎盤も固いままらしい。このまま出産が始まれば、切開して出すしかないらしい。」

またかよ。そのために運動をして産道を動かす訓練したんじゃないのかよ。これ以上何をするのか。

「それに長男様がその方に執着している。長男様は類稀な神童だ。齢3歳にして、外国語のものまで図書室にある本を読まれている。礼儀作法も完璧だ。音楽、絵画、料理、武道、医学など全ての知識はそなたから与えられた。もう一度知識の真髄に触れたいと仰っている。」

神童凄い。知識の真髄て何。

 私、彼とコンピュータを接続して読み聞かせをしただけなのだけど、そこから何を学び取るかは彼次第だ。

「皇太子妃様には前回十分に運動、練習、学習した筈です。呼び出された以上はご助力しますが新しくなにかが加わるわけではありません。筆頭側近のあなたが良く知ってみえるのではないかしら。それに知識の真髄なんてありません。私は王子様に読み聞かせをしていただけです。どちらも筆頭側近様のご存知の事です。」

現実はかくも残酷だ。

後宮からの呼び出しだ。神童になった王子も知識の真髄に巡り会うためにアリサに会いたいそうだ。お産のための知識や練習は教えた。王子には読み聞かせをしただけだ。

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