162 ミーシャ 5
診療所は順調だ。新しい有能なメンバーが増えて薬剤も入り易くなった。富豪層からの依頼は多い。新しいメンバーは診療所、彼女と医者は富豪層の往診だ。
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ほぼ順調に医療活動は行われた。最近変わった事として医者見習いと治癒魔法使いが入った事だ。どちらも10代後半、近くに土地を借りて薬草栽培をしたり薬草の採集をさせた。いろいろな薬師の店で薬を集めた。お金はあるのだ。特に動物や鉱物から得る薬剤は他に得る方法がない。抗生物質や消毒用アルコールは自前で作るが彼らが来て能率が上がった。産婆の仕事は彼女と治癒魔法使いの仕事だ。抗生物質と消毒用アルコールのお陰で衛生的にお産が出来る治癒魔法は母親の痛みを緩和してくれる。特に富豪達のお産には彼女達は欠かせない。診療所の業務は彼らに任せて医者と彼女は富豪達の家を回る。急性の傷病以外にも、慢性の傷病もある。ヘルニアや糖尿病、腎不全や手足の欠損---------------。それぞれについて適切な治療を行う。治すわけではないが、治療を続ける。痛みを治し生命を維持する。根本的な治療をしたら、国や貴族に知られる。絶対に避けたい事だ。
始めに国に呼ばれたのは皇太子妃の出産だ。何でも王城に出入りする業者が彼女達の事を話したそうだ。気乗りはしないが仕方ない。後宮に入った。皇太子妃の出産はまだ2ヶ月ほどありそうだ。食生活と軽度の運動から始める。胎教も出産の準備もする。食生活は栄養のバランスだ。食べたいものを食べたいだけ食べると栄養のバランスが崩れ、太りすぎる。出産で体重が減るが。10kgも増えては太りすぎだ。出産のためだけならば5kg増えればいい。出産すると飢餓状態になり食べすぎる。体型が戻らないのと食べすぎで中年太りに陥る。皇太子妃は妊娠前よりも8kg増えているそうだ。減量が必要だ。軽度の運動は歩く事が基本だ。王侯貴族は歩かなすぎる。出産は腹筋足腰が重要だ。胎教には楽師の所まで足を運び音楽を聞いたり奏でたり、絵師の所に足を運んで美しい絵を見たり描いたり、刺繍をしたりフルーツの盛り合わせをしたりする。出産準備として、初産の皇太子妃に初産の事を教える。初産は産道や回りの骨が出産の経験がなく、中々生まれ難い。特に太りすぎに要注意だ。腰回りを柔軟にして。産道が上手く開くように呼吸法を学ぶ。初産は出産が遅れ易いので10ヶ月をすぎたら出産促進剤を投与する。陣痛が出産の始まりだ。呼吸法と腹筋で胎児を送り出す事をイメージしながら出産を助産婦は協力するだけだ。
皇太子妃の出産が始まった。出来るだけ衛生的な環境の中でアルコールと抗生物質を適量使い。初産を終えた。産道が中々開かなくなったので魔法を使って産道を広げた。出産成功だ。歓声聞こえる。
後の事は細かくは省略する。親子の感動の対面があって、私が皇太子妃にお褒め言葉頂いたくらいだ。
直ぐ返して貰えると思ったら母子の健康管理のためにそのまま残された。やる事といったら母子の健康診断、食事管理、母親の胎盤修正、出産の時に魔法で変えたからね。お陰で母子共に健康だ。
彼女と治癒魔法師は後宮に皇太子妃の出産の助産婦として駆り出された。幾つか問題があり苦肉の策として魔法も使って出産に辿り着いた。