159 ミーシャ 2
ミーシャの教師をマリエールが担った。万能言語の力でめきめき言語能力が上がった。ミーシャは不滅の存在に至った。
159 ミーシャ 2
事務官は退席して行った。両親から説明を受けたのは月曜から土曜の午前9時から夕食の時間まであの宇宙人のマリエールからこの国の言葉を学ぶのだそうだ。彼女には万能言語の能力があり、付与魔法を使えば身に付くものらしい。
翌日から早速、授業が始まった。テキストには挨拶、会話、文章、文法載ったものが使われる。教室は小会議が使われるが、売店、食堂、図書室も勉学の場だ。マリエールは天才的な教師だ。3日で母親とこの国の言葉で会話が成り立つようになった。読むのは然程苦労はなかったが。この国の言葉で書くとか小論文を書くのには時間がかかった。言語は取り敢えずこの国の言葉だが、ほぼマスター出来たので他の言語についても学んだ。
図書室にあった全ての言語が理解して話せるようになるのにそれ程時間はかからなかった。各国の地理、文化、歴史、政治経済も学んだ。数学、理科も学んだ。
ある日マリエールはミーシャに言った。
「私の授業は今日までだ。最後に私の能力や知識をきみに託そう。」
ミーシャはこの星の不滅の存在になった。
取り敢えずバレない方いい。アンドロイドをこっそりと作って活動させる。暫くはこのままだ。マリエールはこの星を離れた。後はミーシャに任せる。
7年の時が過ぎた。不滅の存在であるミーシャの姿は変わらない。両親もその異常さに気付いた。ミーシャは両親に、
「私はマリエールに不滅の存在にされました。100年後に起こる核戦争を阻止するように言われております。年を取らない異形です。あなた達の子どもでは居られません。これが今生のお別れです。」
父親とは心を交わす事が出来なかった。母親とは年々心が離れるのを感じた。それでも形だけでも親子ではいてくれた。ミーシャは研究の助手のような仕事をしている。母親は、
「私達ここから出る事は出来ないのよ。国家の秘密に関わっているのよ。」
母親は国家の理不尽を受け入れるしかないという。ミーシャは、
「7年前マリエールがした事は私にも可能です。そのために準備もしました。今は笑ってお別れしましょう。長い間お世話になりました。」
ミーシャは2人に笑い掛けた。2人はぎごちなく笑った。
それが親子の別れとなった。父親は、内線でミーシャの逃走を告げた。陸軍はミーシャの捜索をしたが、7年前の転移使われたと聞いて捜索は打ち切られた。
ミーシャも研究チームの一員ではあったが、中半学生のような立場だった。全てを把握する立場ではなかった。情報漏洩の危険は少ないと考えられた。
それにミーシャの外見に強い関心を寄せるものはいなかった。両親も娘の外見が変わらない事を疑問に思ったが、それが問題になる事はなかった。比較対象がない。ミーシャ以外に若い娘が立ち入る事がない。
ミーシャは西の無人島に転移した。断崖絶壁の孤島で回りは岩礁が広がり、船舶が接岸出来ない。周囲に島が無く、上空を航空機が飛んだり遠くを船舶が通過する事はあってもこの島を訪れるものはいない。だからこそミーシャの基地に相応しい。
この国で7年間過ごした。父親との関係は改善しなかった。成長しないミーシャは母親との関係も微妙だ。ミーシャの旅立ちの時が来た。