157 ミッションインパシブル2
研究者の妻子に研究者の手紙が届いた。どのようにしてその手紙が届いたか不明だ。母親は興奮しているが、ミーシャは母親を押さる。
157 ミッションインパシブル 2
この時代この星は宇宙には進出していない。10000メートルより高い所に人工物はない。マリエールは大気圏よりも上空に上がり東を目指した。目標地点に近づいてマリエールは透明化縮小化した。
目的はもう一つの大国の陸軍の研究所だ。研究者の妻子は監禁されているわけではないが、陸軍の施設から出る事は出来ない。住居研究所内にあり、妻は研究所で働き、14歳の娘は研究所で教育されている。娘はミーシャという。研究所の食堂で妻子で食事をして戻る。朝までは親子の時間だ。当然だが監視カメラと盗聴器は設置してある。
夕食が終わって交代でお風呂に入って、2人でお茶をした。その日の出来事を語り合っていると、テーブルに突然手紙が出てきた。2人は不思議そうにそれを眺め、母親が手に取って読み出した。母親は目を見張った。
「あなたのお父さんからの手紙だわ。こんな事があるなんて思わなかったわ。」
母親は小声で娘に語り娘に手紙を渡した。ミーシャはそれを読んだ。
手紙には、この手紙を持参した者の指示に従いこの国を脱出するように書かれていた。母親によると父親の直筆に間違いないそうだ。ミーシャに取っては人生の半分近くはここで生活している。ここに来る前の生活はあまり覚えていないし、父親の記憶も曖昧だ。会いたいのかどうか良く判らない。ただ母親は心を揺さぶられていて強烈に父親との再会を望んでいるのは判る。ミーシャは母親に父親との再会をさせてあげたいとは思う。しかしこの手紙が本物なのか。本当に再会が可能なのかとても疑わしい。第一この手紙が突然現れた理由が判らない。母親はうなされたように父親との再会を望む声を上げる。段々声も大きくなる。状況は不明だが、聞かれたり見られて良い事ではない。ミーシャは母親を咎める。別の声が聞こえた。
「大丈夫ですよ。盗聴器にも監視カメラにも欺瞞信号送ってあります。今晩中に出発すれば大丈夫です。」
声だけが聞こえる。この国の言葉だ。ミーシャはこの国の言葉しか判らない。ミーシャにも母国語で話していた記憶はあるが、母親以外には話す事がないのであまり良く判らない。父親の手紙も正直あまり理解出来ない。
「私はマリエール。貴方がたにとっては宇宙人です。貴方がたの夫であり父親である人物が今住んでいる国からの依頼で今ここにいま
す。いきなり宇宙人が姿を現すと驚くと思い透明化しています。良ければ姿を現しますがいいですか。」
2人は頷いた。ミーシャは宇宙人と言われて奇怪な生き物が現れるのを覚悟したが、現れたのは確かに宇宙人なのだと思うけど容姿が少し違うだけで、この星の基準でもとても美しいミーシャと同じ年頃にみえる少女だった。マリエールは、
「これから、私が話す事を貴方がたが本当に信じられるか。そして貴方がたが希望するかで決まります。貴方がたが疑念を抱いたり希望しないなら無理強いはしません。ミーシャさんにはお父さんへの愛着はないでしょう。」
確かにミーシャには父親に対する愛着はない。
マリエールと名乗る宇宙人が姿を現した。ミーシャと同じ年頃の美少女だ。マリエールは疑念を抱いたり希望しなければ無理強いはしないと言う。